一つの連載を完結させる前に他の連載を始める事に関する事情説明
私は、1年ほど前(2021年5月)から、こちらの『小説家になろう』に小説の投稿を始めた者です。
その最初に投稿した作品ですが、まだ完結していません(しばらく中断していましたが、連載再開したので、エタってはいません)。
しかし、その状況で、他にも複数の作品を投稿しており、今後も投稿する予定があります。
そして、この事について、私は罪悪感のような感覚を持っています。
なぜなら、読み専だったころ、一つの作品を完結させる前に別の作品の投稿を始める作者さんに対して、正直良くない印象を持っていたからです。
自分が良くない印象を持っていた行為を、自分自身が行っているという状況に、罪悪感というか、肩身が狭いような感覚を、勝手に感じてしまっているわけです。
それに、過去の自分と同じ感想を持っている人もいるかも知れないと思うと、いたたまれない気分にもなります。
ということで、過去の自分と、どこかにいるかも知れない過去の自分と同じ感想を持っている人に、事情を説明したい気持ちになって、こんな文章を書いてしまいました。
もし、ある作品を完結させる前に、他の作品を書き始める理由が分からない、と思っている方がいれば、一つの参考意見として見て頂ければ幸いです。
私がかつて、一つの作品の完結前に他の作品を書き始める事に、否定的な印象を持っていた理由は、主に以下の四つです。
①書きたいアイデアがいろいろあるのは分かるが、いつ書いても同じなんだから、順番で一つずつ書いていけばいいではないか。
②複数のストーリーを並行して考えて書いていくなんて、絶対に効率が悪い。
一つ一つのストーリーに集中して取り組んだ方が、トータルの執筆時間は短くなるはずだ。
③一つの作品に集中して書いた方が、作品の完成度が上がるはずだ。
複数の作品を同時に書くというのは、結局どの作品にも全力を傾けてはいないという事なんじゃあないか。
④複数の作品を同時に書いて、全部エタったらどうするんだ。一つ一つ完結させるべきだ。
このそれぞれについて、現在の私の意見を述べたいと思います。
まず、①について。
書きたいと思った時に書かないと、もう書けません。
アイデアをアイデアのままでとっておこうとしても、いつの間にか消えています。
また、それ以上に、書きたいという気持ちが盛り下がると、もう書けません。
何しろ、お金を貰っているわけではない素人にとっては、モチベーションだけが、たった一つの書く動機です。少なくとも、私にとってはそうです。
それがなくなったら、もう書けるわけがありません。
そして、モチベーションという奴は、何もなくてもずっと持続する事が出来るものではありません。放っておけば減衰してしまいます。いつの間にか書けなくなってしまう訳です。
要するに、ある物語を書きたくなったなら、その瞬間こそが、その物語を書く最高のタイミングだってことです。そして、最後のタイミングになってしまう事もままあります。
書くのを後にとっておくことは出来ません。
次に②について。
私の感覚では、他に書きたいと思ったアイデアがあるのに、それを我慢して今の作品の執筆にだけ集中しようとする方が、逆に執筆スピードが下がります。
その状況の方が、他のアイデアに気がとられてしまうからです。
むしろ、複数の作品を並行して書いている方が、トータルの執筆スピードは上がる気すらします。
ある作品を書くことが、別の作品を書くことに対する気晴らしになる気がするからです。
実際、私は、一つの話を書いていて行き詰った時に、他の作品に手を付けて、その内に前の作品も書けるようになった事があります。
逆に、他のアイデアを作品にすることを我慢しているうちに、そのアイデアを作品にしようというモチベーションが下がってしまうと、それに引きずられて、今書いている作品に対するモチベーションすら下がってしまうという感覚を持っています。
③についても、②と同じ感じです。
他の作品を書くのを我慢して、一つの作品にだけ取り組んだ方が、むしろ、他のアイデアが気になってしまって、現在の執筆のレベルも下がると思います。
そして、複数の作品に同時に手を付けた方が、相乗効果でより良い作品が書けるような気すらします。
最後に④ですが、結局はこれこそが、複数並行して連載する事に対して否定的な感想を持ってしまう、最大の理由だと思います。
そして、こればかりは、本当にエタってしまったら、言い訳は出来ません。
そうならないように頑張ります、としか言いようがありません。
作者一人一人が頑張るしか解決策はないでしょう。
私としては、最初に連載を始めた作品以外は、中編程度の長さにまとめており、どれも完結させていますので、一応、全部エタる、という事態だけは回避しています。
また、最初の作品も、まだまだ相当時間がかかりそうですが、何としても完結はさせる覚悟で頑張っています。
という事で、かつて、一つの作品を完結させる前に別の作品の連載を始めることを、否定的に見ていた者が、自分で小説を書き始めたら、結局自分でもそういう事をし始めてしまった事に関する、事情説明でした。