1話 出会いは金貨の音と共に
………そして、今より幾千幾万年昔、世界はかくも変革す、地は荒れ、海は生まれる。
されどあくなき手を伸ばし、それでも遠く語るべきものを目指すものは大いなる壁にあう。
おお、現れるは邪竜。
見るもの全て、感じるものを全てを支配し、揺るがない大いなる壁よ。
だが、抗う人々の意思よ、求め顕現せしは勇者と聖女
今こそ邪竜を討ち滅ぼし、遠き見果てぬ果てを目指さん。
だが、忘れるな、忘れてはならぬ。常夜全ての世界において、我は滅ばぬ。
ああ、人よ。我が呪いを知れ、滅びるとも消えぬ意味を知れ。
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―――パチパチパチと、断続的な拍手が流れる。
拍手を送られているのは、先ほどから滔々と語られていた古典戯曲の歌だ。
この世界にかつて存在していた人類に仇なす邪竜と、それに対する勇者と聖女の戦い。
そして、その結末を伝えるものだ。
歌声が響いていたのは昼下がりの中、喧噪が広がる騒々しい都市だ。
その中の、特に多くの人がごった返す市場の中で、声は大勢の耳に届いていた。
――貴族の召使であろう男、多くの品物を背負う行商人、昼間から酒を掲げる赤ら顔の丈夫。
歌詞の意味は、教養のない市井の者にはほとんどわかっていない。
それでもなお人々を惹きつけたのは、名の通った吟遊詩人の厳かなしわがれ声がしたからではない。
ましてや、人々を惹きつける見目麗しい歌姫がいたわけでもない。
その歌を――少年、それも声変わり前の幼き子供が発していたからだ。
ほとんどの者が、少女と聞き間違える声色を操る者は何者かと、首を伸ばして通りの反対からその正体を確かめようとする。
だが、立ち止まる暇などなく声の主を確かめる前に、人の流れに逆らえずそのまま去る他ない。
歌が止まる前からいた者にのみ、はっきりと声の主である少年がいる場所がわかっている。
少年は果物売りと雑貨売りの露店の間のほんの僅かな狭い空間に、土の地べたにそのままあぐらをかいて座っていた。
まだ、十歳やそこらを過ぎたばかりの小さな少年だ。
座ったすぐ前には、歌の代価のおひねりを貰える様にと、古びた鉄の缶が置いてある。
そして期待通りかどうかはさておき、いくつかの色褪せた銅貨が少年の前の缶に投げ入れられた。
その度に、少年の頭が感謝の為に、軽く下げられる。
しかし、何故か近づいた者は少年の姿にぎょっとして、一瞬動きを止める。
少年は一目で行き場のない孤児とわかる姿だ。
薄汚れたぼろ布の、それこそ切れ端の様な服を纏っている。
袖から除く手足は汚れており、なおかつやせ細り骨ばっている。
だが、それだけならばこの都市のどこにでもいる貧者の姿だ。
何より奇異なのは、少年の目に擦り切れた細い布が、痛々しくも幾重に巻いてある事だ。
それは、自身が盲目であると周囲に示しているようなものだ。
それだけではなく、少年は頭部全体に布を巻き付け、髪の毛一筋すら見えない様にしていた。
唯一わかるのは鼻と意思の強そうな口と小さな顎、つまりは病的に白く見える顔の下半分だけだった。
偶に障害がある様に偽り、人々の憐れみを誘い金銭を強請ろうとする者もいるが、少年はそうではないと近づいた者にだけはわかった。
頭部を隠している巻いた布の端から爛れた火傷の跡が少年の整った――まだ線の細い首の後ろまで伸びていて、恐らく顔の下半分を除いた頭部の全てが火傷で覆われているのだろうと思われた。
頭を動かす時に皮膚が引き攣り、かなり動きを阻害するだろうとわかるほど――生きているのが不思議なくらいの大火傷だ。
だが火傷自体は恐らくもっと幼少の頃に負ったものなのだろう。
傷自体は、跡こそ残っているが、すでに癒えているとわかる。
それでも見る者全てに憐憫の目を浮かべるものだった。
――次第に少年に近付く者が減ってきた。
人々の生活は忙しく、通りでどれほど素晴らしい余興を披露しようと、金払いの良い者はなかなか現れないものだ。
少年は、下げ続けていた頭を上げようとする。
その時、人々が過ぎ去る中で一際大きく響いた音があった。
思わず少年の動きがぴたりと止まる。
「とってもいい歌だったわ」
少女の――それもまだ少年と同じくらいの幼さが残る声が頭上から掛けられた。
この場に似つかわしくない、純粋無垢を形で現した鈴の音を鳴らしたような透き通った声だ。
「ここに入れて良かったのよね。えっと、それでね」
ようやく少年の頭が先ほど耳が捕らえた音を、理解し始めた。
慌てた様に感謝のために下げていた頭を勢いよく上げる
「お願いがあって――」
「ちょっと来い」
少年は少女が言い終わらぬ内に、会話を打ち切るように、きつく言葉を被せた。
すぐさま少年はあぐらを解き、缶と脇に置いてあった杖代わりの棒を手に取り、立ち上がる。
「わっ、なに?」
立ち上がった際に、少年を上から覗き込もうとしていた少女の頭とぶつかりそうになる。
驚いた声を上げる少女を無視して、少年は踵を返した。
「こっちだ。――早く」
少年は後ろにある建物の壁際まで下がり、左隣の果物屋の店主に片手を上げ挨拶をすると、そのまま数歩移動して、建物に挟まれた狭い路地裏に入る。
「うん?」
少女は首を傾げるもすぐさま少年の跡を追った。
――何しろ逃がすわけにはいかない。少女はあの少年にこそ用があるのだから。
少年は路地裏の壁に背中をつけ、少女がやって来るのを待っていた。
頭上と入口からのみ光が差し込む、ぎりぎり手元が見えるくらいの薄暗い場所だ
少女は真正面だと間隔が狭すぎたため、少年の少し斜め前に立ち止まった。
「どういうつもりだ」
「えっと、何が?」
少女の声は、少年のきつい問いかけも、この薄暗い場所も気にする様子はない。
少年は少女の声が自分の頭よりもわずかに高い位置から聞こえた事を感じ、さらに機嫌が悪そうな声を上げた。
「何で金貨なんか入れやがったって聞いてんだよ!……これ金貨だよな?」
少年の最後の言葉は疑問に変わった。
というのも少年の様な孤児が一度も持ったことがない代物だからだ。
だが、通りを挟んだ高級商店が並ぶ店から金貨をやり取りする音が何度も少年の耳に入ってきており、その音を確かに少年は覚えていた。
「そうよ。金貨、金ぴかぴん。私、あなたの歌がすごく好きなの」
少女はようやく少年に話を聞いてもらえるとばかり嬉しそうに話し始める。
「ずっと前からね、馬車で通りかかるたびに歌が聞こえていたんだけど、お父様が馬車から顔を出しちゃいけないっていつも言われててね」
むーと膨れ面をした少女は笑顔を少年に向ける。
「だから今日は、お願いしてここまで来たの。お父様もそこまで言うならいいだろうって言ってくれたからね。だから真っ先にあなたの所に来たわ。良かった、今日もいてくれて」
少年が口を挟む暇はなく話は続く。
「さっきのは私のお小遣いの一枚。歌の代価よ。それと……あなたがかわいそうだから」
少女の声が同情する趣きに変わったのを感じ取って、少年は唇をひん曲げた。
「ねえ、どうして目を隠してるの?それに……その火傷痛くないの?」
さっと少年は指で頭の布の位置を確かめ、返事の代わりにでかでかと溜息を少女に返した。
「……冷やかしなら帰ってくれ。あのな……これがどんな価値なのかわかってるのか?」
少女は少年の呆れた声より、自分の質問を無視された方が不服らしくすねた声を出した。
「知らない。自由に使っていいってお父様がくれたものだもの」
「なんつーお嬢様だ。……てか、あんた誰だ?」
「レイラよ。よろしくね」
少女――レイラは名前を聞かれた事がよほど嬉しかったのか満面の笑みを浮かべる。
少年はレイラの浮かべる表情など露知らず、畳みかけるようにに質問する。
「違う。どこの誰だって事だ。なんかあるだろ。家の名前は何とかだとか、どこそこから来たとか」
「えっとね、家名はミリグランツよ。お父様はたぶん上から数えたほうが早い貴族の偉い人って言ってたわ。それからええっと、私が来たのはあっち」
レイラがなんともあやふやの事をいい、人差し指を左右に迷うように動かしたあげく、結局少年が背中をつけている壁の方を指さした
「あっちって、俺の背中の方か?……あれだろ。山の上のほうの王宮……綺麗な宮殿がある方向だろ」
「そうよ。よくわかったわね!」
少年は手を挙げて、頭を覆っている布ごしに額に触れ、少しだけ揉んだ。
とりあえずややこしい問題は後回しにして、今は解決すべき事をしなければならない。
「とにかく、これは受け取れない。返す。ん」
少年は缶の端を指で摘まんで中身をレイラに見えるようにして目の前に押しやった。
顔を近づけすぎたせいか、レイラが一歩後ずさる。
「でも、……もしかして足りないってこと?」
レイラの見当はずれな言い方に、少年は頭が痛くなるのを感じながら首を振る。
「違う。多すぎるって事だ。とにかく早く取ってくれ」
「え、うん」
レイラは以外にも素直に従って、小さな手を缶の中に滑らせると、色落ちくすんだ銅貨が数枚転がっている中から先ほど自分が入れた金貨を取り出した。
その際にもう一枚、ついでとばかりに銅貨を取り出して自分の目の前にかざした。
「これってなあに?」
今さらレイラの行動を少年が咎めたりしない。盗まれる心配もないだろう。
何しろ今までの聞いた話からわかるのは、世間知らずの貴族のお嬢様が父親にお小遣いを強請って、今日初めて外に遊びにやってきたという事だ。
少年が持っている全財産など、きっとこのお嬢様着ている服の一片の切れ端にも満たないだろう。
「それが銅貨。で、お前が入れたのが金貨。よく知らないけど多分それ一枚で銅貨千枚くらいの価値があるぞ」
「千枚?そんなに!これ一枚が?」
レイラは驚いた声を上げているが、少年はそれ以上に愕然としていた。
「あのな、貴族のお嬢様がそんな事も知らなくて大丈夫なのか?」
「いいのよ。お父様が学校なんて行かなくていいし、嫌な事はしなくていいって言ってくれたもん」
ふん、と鼻を鳴らして言い放つレイラの物言いに少年は住む世界が違いすぎ、呆れて何も感じられなかった。
本当は少女がたやすく切り捨てるお金も知識もどちらも少年が切望しているものなのだが。
「それより、お前一人で来たのか? 連れ……召使の一人もいないのか?」
少年はさらにレイラの無知を確かめる様に質問をする。
「ううん。ちっちゃい城壁を通った辺りまでは一人いたんだけど、あちこち歩いてたらいつの間にかいなくなっちゃてた」
「…………」
つまりは、たった一人で少年の所に辿り着けるまでうろうろとしていたのだ。
よくもまあ、五体満足にこの場に立っていられるものだと少年は感心した。
相当な幸運の持ち主だろうか、それとも召使がばれない様に今も見張っているのだろうか。
この辺りの事情をよくよく知っている少年だが、レイラに助言も忠告もする事はせず壁から背中をようやく離し、話題を変えるように缶を振った。
先ほどまでとは違い、今では鈍い寂しげな音しかしない。
「とにかく、もし俺の歌を気に入ってくれたっていうんなら、金貨じゃなくて銅貨をくれ」
「でも、こんなの見たことない。……どうやったら手に入るの?」
思わず呆れて口をぱくぱくさせた少年だが、レイラが持つ銅貨を返せとばかり缶を激しく振る。
「知るかっ。両替するなり、父親に言って……使用人に給金を払ってるんなら、それぐらいあるだろ」
「うん。聞いてみるね」
レイラがちゃりんと小さな音をさせて少年の缶に銅貨を返し、大きく頷いた。
少年は期待薄だなと勝手に考えていると、レイラはまだ用事があるのかファルの前から動かない。
「あの、私まだお願いを聞いてもらってないんだけど」
「うん? ああ、そういや何か言いかけてたな」
正直相手にするのが面倒になり始めていた少年だが、ふと何を言い出すのか気になった。
「お願いっていうのはね。その……私に歌を教えて欲しいの!」
「え、歌?」
思ってもいない言葉を掛けられて少年は勢いに押され、顔を少し後ろに反らした。
「そう、あなたの歌の歌い方を教えて欲しい。私、そのちょっというか、ほんの少しだけ歌が下手なの」
どう聞いてもその言い方はよっぽど下手なのだろう、とすぐにわかったが少年はあえて突っ込まない。
「だから、あなたに歌の指導をして欲しいの。……ところであなたのお名前は?」
「ファルだ」
少年――ファルはようやく名前を聞かれて、自分の名をレイラに明かした。
「ファルって、ファルコとかファルアークとかの略?」
「いや、家名も何もない……ただのファルだ」
それからレイラはうんうんと頷くと、名案だとばかり手のひらを打ち鳴らした。
「ねえ、ファル。歌を教えてちょうだい。そうしたら私がその銅貨をいっぱい持ってくるわ」
予想もしていなかった言葉にファルは戸惑った。
「……そんなの家で教えてもらえよ。貴族ならお抱えの音楽家とかいるだろ?」
「いやよ。そんな事したらお父様にばれちゃうじゃない!」
レイラはふりふりと来ている服を揺らしながら、首を大きく振った。
「今度ね。歌が上手くなったら、お父様達をびっくりさせたいの!」
どうやらこの貴族のお嬢様はこっそりと練習して、上手くなる事をご所望のようだ。
少年はそこで打算的な考えのほうに思考を進ませた。
ここで酔っ払いの拳や、たまに目が見えない事をいい事に金を盗もうとしてくる輩を相手にするより、このお嬢様のお願いを聞いたほうがよくないか、と。
どうせ、このレイラとかいうお嬢様も一時の気の迷いかもしれない。
さっきの物言いだとすぐに飽きるか、それかお父様や召使の誰かにばれて屋敷に連れ戻されるかだ。
ファルが心配する事といったら、その際に暴力を振るわれないかどうかだけだ。
――ちょっと試してみるだけでも価値があるかもしれない。
「……いいよ。俺が歌を教えてやる。けどお金はたくさんいらない。欲しいのは銅貨十枚だ」
「え、いいの!」
ファルの言葉にレイラは本当に嬉しそうに声を上げた。
「一回十枚な。それと教えるのは三日に一度だ。いいな。それ以上はここでの俺の仕事がなくなっちまうからな」
果物屋の店主はいつもファルのために親切にも場所を開けてくれている。
その縁を別の奴にとられでもしたら、ただでさえ苦しい食い扶持が減ってしまう。
「えっと時間は?」
レイラは嬉しくて仕方がない様に早口で質問してくる。
「お前が使える時間ならいつでも。どうせ俺は一日中ここにいるだろうし」
「じゃあ、朝からね」
「え、お前、昼は食べてからにしてこいよ」
さすがにファルも一日中教えてと言い出すとは予想もしていなかった。
「え。一緒に食べようよ。来る途中の店でとてもおいしい匂いがしてたわ」
「俺は食べない」
「え、おなか減らないの?」
「……」
成長期にすでに入り始めているファルにとって食糧事情はある事情もあって死活問題だ。
「じゃあ昼飯付きだ。それもお前の金で買ってもらう」
そしてファルは指を三本上げてレイラに告げる。
「ただし条件が三つある」
ファルの初めての真剣な言い方にレイラは戸惑いながらもなに、と聞き返す。
「お前は絶対に一人でここに来ちゃだめだって事。だから貴族の城壁の所まで俺が迎えに行く。あと、絶対に一人で来る事。誰も連れてきちゃいけない。そして最後に俺の事を誰にも話しちゃいけない。出来るか?」
「えっとぉ。……多分大丈夫」
「多分じゃだめだ。もしお前が一人で町を出歩いたり、召使の一人でも連れてきたら俺はもうお前に歌を教えない」
ファルのきっぱりとした言い方にレイラは戸惑いを覚えるも、ファルが考えを推察しようとするも、すぐに思考を放棄してわかったとだけ元気よく頷いた。
「私がそうしたいって言えば、聞いてもらえると思う。お父様優しいから」
ファルとしてはそれを守られないなら命の危険があるため、わざわざレイラの頼みを聞けない。
だが、まあなんとかなるだろう。
「ねえ、どうして急に教えてくれる気になったの?」
「……お前の声、良い声だなと思って」
ふと、思ってもみない事に打算的な考え以外の率直な思いがファルの口から思わずこぼれた。
確かに、少女の声をそう思ってしまったのだ。
「ほんと!」
レイラの本当に嬉しそうな声にファルは渋面をし、言葉を取り消すかのように言った。
「じゃあ、送ってくから今日はもう帰れ。……お前に歌を教えれる場所を探さなきゃいけないしな」
レイラはようやくファルを開放してくれ、二人は裏路地を出て通りに戻った。
そして案の定というか、やはりレイラは帰り道などわからなくなってしまっていた。
ファルは城壁までの最短の道程を歩き出す。
杖をこつこつと一歩毎に前に出し、人混みを避けるように建物に沿って歩き出す。
レイラはというと、きょろきょろ辺りを見渡しながら歩いているため、ファルの速度とあまり変わらない。
優美なドレスを着た貴族のお嬢様と貧しいぼろを着た少年の奇妙な組み合わせの二人組は、不思議なほど誰かに見咎められる事もなく、市場を抜け出ていった。
そのまま高級商館が並ぶ通りを通り抜け、貴族の邸宅と市場とを分け隔てる城壁まで近づいてきた。
城壁の問の吊橋の傍では兵士が二人立ち、近くに不審な動きがないかを張っている。
ファルが一人でのこのこと城門まで近づいたら棒で殴られるような場所だ。
身分の差を隔てる絶対の壁、貧富の差の象徴だといえる壁を見て、レイラは声を上げる。
「あ、ここまで来れば大丈夫よ」
さすがに自分で出発した場所は覚えていたのかレイラは足早になりファルを追い越した。
やはり少しは不安だったのだろうか、足早に自分が住む地域へと駆けていく。
しかし、ファルの事を思い出したのか立ち止まり、振り返った。
「じゃあ、約束忘れないでね!!」
レイラは大声で、ファルに別れを告げ、片手を上げてぶんぶんと振った。
レイラの声に兵士が、いきなりすぐ近くに来ていた少女の姿に驚く。
そしてファルは返答を返すことなく、同様に片手を上げてレイラに別れを告げた。
さあて、頑張って書いてみるぞ