厨二病なんかじゃないぞ
お久しぶりです。
突然、俺たちに割って入ったのはプリンシ=エスト=アムモルスとなのる女性だ。
俺は、最愛のプリンシ出会えたのは嬉しいが、プリンシは春美咲に転生したはず、何かがおかしい。
「おかしいのは、君の頭ですよ」
俺が聞いてみるより、早く獣王ごと竜ケ崎が答えた。
「しかし、プリンシの名前は俺たちしか知らない」
「言ったでしょ、彼女はこの世界で能力者かもしれないと」
「能力者という根拠は?」
「今まで、見た言動からの推測です。なので、本当に能力者とも言い切れません」
「なぜ?」
「私たちは能力者ではなくなったからですよ。能力者がわかるのは能力者だけです」
「むむむ、そうかもしれない」
竜ケ崎が言うことは一理ある。しかし、プリンシを名乗る女性が俺に近づいたのはなぜだ?
俺は唸りながら考え込む。
「うーむ、むむむ」
「あはっ、この人も竜ちゃんみたいに面白い」
「え?」
白崎さんとやらが、いってくる。元気溌剌でどこか春美咲と似たような女の子だ。
「ちょっと、最初に目を付けたのは私だからね。ゆかり」
ゆかりとは白崎の下の名前だろう。プリンシの言葉はおかしい。もともと、俺たちは恋人だろう。目を付けったって?
「な~に。順番なんて関係ないじゃん。三浦っち」
「ちょっと、現実の名前を言わないで。私はプリンシ」
「いいじゃない。彼らだって厨二だということは解っていると思うよ」
「どうかな?」
この二人は知り合いのようだが、会話が怪しいのが気になる。本当にプリンシなのか?
「なあ? 君らは何者なんだ」
「ふふふ、しりたい? じゃあ、チュウしてくれたら教えてあげるかな」
こ、こいつ、本当にプリンシなのか? プリンシはこんな下品なことはしない。俺は悩んだが偽、プリンシが俺に近づいてくる。
俺は、たじろいた。後退する。どんどん迫られて壁際まで追いつめられる。
「や、やめろ、お前は本当はサキュバスだな」
「な~に、まだ厨二はいっているの? 存在がなにであれ君と私の関係は回避出来ないよ。キス、初めて? 童貞そうだもんね」
男を狩るような、しぐさと色化をだして唇が迫り来る。た、助けてくれプリンシ! こんな時にライトブリンガーさえあれば。
「君たち、やめなさい!」
と言いつつ、竜ケ崎も白崎に押し倒されている。どこまでも弱いな俺たちは情けない。
「覚悟はいい?」
「ふふふ」
その時であった。
「やめるっしょ! 先輩たち!」
ばん! 扉を開いたのは美咲だった。俺は神々しい彼女に涙した。
「助けてくれ、美咲」
「たく、光っちは弱いにも程があるよ。この人達はね、男あさりされるよ」
「「しかし、女性に暴力は出来ない」」
と、竜ケ崎と俺がはもる。
「情けない。男達だね。いいよ。私に任せて」
と、美咲は偽プリンシと白崎と対峙する。
「春、私たちを敵にすると後悔するよ」
「うん、そう思う」
美咲は狼狽えず堂々と返す。
「なら、邪魔しないで」
「それがさ、私が面倒見ないと光るっちが生きていけれないんだよね。だからさ……」
そして、美咲は息を吸って叫ぶ。
「きゃー! ドビッチ先輩が男に飽き足らず、女の私に変態行為する!」
は? 彼女らは女色か?
「ななな」
「どういうこと」
ビッチ二人組にあっけにとられて、うろたえる。
「誰か、助けてー!」
「私たちはノーマルよ。百合やレズではないわ」
「でも、ここは逃げるしかないね。美咲、覚えてなさい!」
サキュバスビッチは脱兎のごとくこの場を去った。
唖然としたなか、竜ケ崎は知的なポーズで呟く。
「なるほど、女性に襲われたと叫べばいいのか」
真剣に考えているようだ、真面目なのか安保なのか、わからない奴だ。
「先生、それって男としてどうなんですか?」
美咲は呆れている。俺も呆れてしまう。
「しかし、サキュバスはインキュバスにもなる。女性悪魔から男性悪魔になることを考えると危険だったな、美咲」
「光っちも、そういう考えを捨てて真面目に現実を生きようよ」
「むっ、そうだな。ありがとう、美咲」
「どういたしまして」
駆け付けたギャラリーをよそに、俺たちは笑ってしまった。
しかし、プリンシを知るのは謎だな。
「考えがまるわかりにみえるから、教えるけど、標的に目をつけたストーカーは、情報くらい集めるしょ。アンタたち隙だらけだと思うよ」
俺と竜ケ崎は目を合わせてから、美咲に平伏した。
あとから、竜ケ崎の日記がみつかり、情報が駄々洩れなのが発覚した。
それは、後日の話なのだが。
YO!C-(ヨッシー)
@wy9liCPLLzqZsrQ
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