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3人家族のある日常

バイオレンスアンサー・夫 ⑥

 ある日、仲睦まじいかは別として、一つの家族がバラエティ番組を見ていた。その番組内容はこうだった。



「ああっと、大変です! 雨が降って参りました。そこで皆さん、正しい傘の差し方を披露してください」



 どうやら、傘の差し方によって大人力があるかどうか判断する……というものだった。

 それを見ていた夫は、開口一番、こう言った。


「人の背中に向かってトスっと……」


 妻はその答えを聞いた瞬間、両目から涙をつうっと流すと、面倒事を背負い込んだかの様に夫に問い返す。


「何……? 何なのよ……? それ……。何処をどうしたらそんな答えが出るのよ……」


 だが、夫は妻の目の前で握りこぶしを作ると、そのまま話を続ける。


「いやいや、だからさ、こう……シュッ! と、風を斬るように」



 満面の笑みで語る夫の態度に妻はいつも通り激昂し、勢いよく立ち上がるとテーブルを両手でバンバン叩き、夫を叱りつける。



「何いかにもな感じで両手を突き出してんのよ!? 誰が『差し方』じゃなくて『刺し方』を教えろって言ったのよ!? 本当、あなたの脳の構造はどうなっているの!? 娘も一緒に見てるんだから変な事を吹き込むなって、どれだけ言えば分かるのよ!?」



 すると、夫は自分の両手をまじまじと見ながらこう言った。



「うーん、今回は神の一手だと思ったんだけどなぁ? 何がいけなかったんだろうなぁ?」



 それに対して妻は一言



「あなたが思っているほど、周りは面白いとは思って無いからね……?」


「ところでさ、今の答え、大人力はどれぐらいだったかな?」



「何でそれで点数が貰えるとおもってんのよ!!」


因みに自分は正しい傘のさし方は分かりません。


……駄目じゃん。

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こちらの方も連載しているので、よろしくお願いします。

ほのぼのほっこり子育てファンタジー、ここに始まる?

「瀧川おばさんとベルゼブブおばさん」


洞窟を探索していた四人は、ある日を境に、永遠とも思える時間をさ迷う事になる……。
地上に生還するのは、叶わぬ夢となってしまうのか……。


「少年少女達よ、その責任は誰にある?」
― 新着の感想 ―
[良い点] 夫は仕込み傘を持ち歩いてるのかよ!? とツッコんじゃいました。 面白かったです。
[良い点] 神の一手・・・ww 傘の差し方なんて考えたこともないけどなぁ~☆彡 その答えを速攻出せるところがまさに神ww いつか奥様に傘で刺されないようお気を付け下さいましw
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