色々釣れるサビキ釣り~初めてのカサゴ~
諸君、私はそうして次の休みも、こうして海に立っている。
意味もなく仁王立ちだ。
前回の反省を踏まえ、クーラーボックスを購入し、これで長時間でも戦えるぜと意気込む。
通販で3980円で購入。
アミエビも前回の倍の500円分。
今日の私の戦力は、前回の倍以上と言っても過言ではない。
今日も晴天。
波も穏やか。
しかし、周囲を見渡すと、釣り人の数は少ない。
理由はわからないが、とりあえずいそいそと釣りを始める。
シャッと足元にサビキを投げる。
パラパラとアミエビが漂うのが見える。
小さな魚が寄ってくるのが見える。
心臓はドキドキして、おしっこは少しちびりそう。
のんびり死体はうれションタイプである。
しかし、竿はピクリともしない。
前回と同じような時間で、同じように釣っているのになぜだろう。
あとで理由はわかるのだけれど、海には大潮とか小潮とかがある。
なんというか、月が関係しているらしい。
半月とか満月とかで、海の水面の高さが随分と変わる。
多分2から3メートルくらい上下する。
海って不思議だ。
それと合わせて、鯵は回遊魚だ。
要はいろんなところクルクルと群れで回っている。
あと回ってくる時間も、日によって全然違ったりする。
いれば釣れるけど、いなくては釣れない。
真理とは残酷なものである。
しかし、そんなことを知らない僕は、ドキドキとワクワクがさめるまで、ひたすらサビキを投げ続けていた。
ここまで読んでくれた諸君、きっと今回は坊主だと思ったろう。
※坊主とは1ッ匹も釣れないこと。のんびり死体がお子ちゃまという意味も含む。
しかしだっ、たゆまぬ努力はいつも結果を連れてくる。
試行錯誤を繰り返し、仕掛けを入れる深さを何度もかえて繰り返した結果!!
竿先がピクピクンとして、心臓がキュっとして、あわてて竿をグンと持ち上げる。
海面には赤い何かが見える。赤いから3倍速い!!ということもなく、あるものが釣れた。
奴は赤い。凄く赤い。そして時々オレンジ。
そして、なんだかエラがごつい。ヒレもごつい。なんだか毒もありそうな見た目だ。
慌ててスマホで正体を探る。
カサゴだ。
根魚と呼ばれ、海底の岩の隙間とかに住んでいる魚らしい。
サイズは小さく、大きめの金魚くらいしかないが、とりあえず釣れたことに喜ぶ。
そして、見た目通りやっぱり毒がある。
背びれは触ってはいけないらしい。
毒に戦慄するのんびり死体。
彼は慎重派という名の、根性無男である。
しかし、次の一文で心をかえる。
「味噌汁にすると、絶品と言われるほど美味である。」
好奇心で小鼻が膨らむのんびり死体。
彼は食いしん坊も万歳する、食いしん坊である。
いや、いやしん坊と言っても過言ではない。
釣れたカサゴは小さい。
リリースサイズであることはわかっている。
※釣れたのを逃がすことをリリースと言います。
せっかく釣れたカサゴだが、逃がそうかと悩む。
そのうちカサゴが弱った動きをする。
「これは、逃がしても弱ってるので死ぬだろうな。」
誰もいない海で、こんな言い訳をしながら、奴をクーラーにぶち込む。
そして、その晩彼は味噌汁にぶち込まれた。
※調理の際はビビりまくって、菜箸とキッチンはさみにて、緊急オペが行われました。
そして美味かった。
なんかこう、高いお店の味噌汁な味がした。
マーベラスな白身がホロホロふわふわで、コクがドドンがドンだった。
※のんびり死体は、あまり表現が上手ではありません。
今回は一匹しか釣れなかった。
でも楽しかった。
釣れない間も、試行錯誤することが楽しかった。
青い空の下で、海のそばで、ウロウロして、お昼食べて、それだけでも最高だった。
それで魚までついてきたら、なんだか申し訳ないくらいである。
「次の休みも絶対釣りに行こう」
今日のお味噌汁の味を思い出しながら、のんびり死体は湯舟に浮かぶのでありました。