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若鄙の有閑  作者: 土衣いと
秘境に起きた二度のご難
56/94

〈第五面〉霊魂たちの活用方法(後編)

長め→短めと続いて、今回は長めの回です。少し時間がかかりましたね・・・。ですが、本筋も次回で〈最終面〉となりますのでまちまちだった話の流れもそろそろ繋がってくる(?)かと・・・。まあ、繋げられるかどうかは作者の筆力の問題ですね(笑)。

 一方その頃、御魂邸内の一室にて。

珠輝「う~ん・・・。史織、遅いなぁ・・・。まだ用事が終わってないのかしら・・・。」

午前零時を回り、日付は次の日を迎えた時間。

珠輝さんは史織さんが訪ねて来るのを今でも部屋で待っていました。

珠輝「むむむ・・・。これ以上起きてるのが燈紅にバレちゃったら、また怒られちゃうわね・・・。けど・・・、・・・よし。こっそり抜け出して史織に会いに行こうっと。きっとお客さん部屋に行けば、史織に会えるわよね。部屋に燈紅はいないと思うし多分いるのは宮だけだから、私と史織と宮の三人でお話できるもんね!」

先程燈紅さんが珠輝さんの所に来た時、燈紅さんに『早くお休み』するよう言われたんですけどね。まあ、こういったこともたまにはいいかも(?)しれませんね。

珠輝「そうと決まれば・・・、あなたたちもついてきてくれるわよね?」

ふわわぁぁ~!

ふよよぉぉ~!

おや。あの時、史織さんにくっついていた二つの霊魂たちです。奥からそぉ~っと出てきました。

どうやら乗り気みたいです。

珠輝「うふふっ、いい子たちね。燈紅が来た時、奥に隠れてもらっててよかったわ~。見つかってたら二人とも、持ち場に戻されていたでしょうからね。さっ、じゃあ史織の所へしゅっぱ~つ!」

珠輝さんと二匹(・・)の霊魂たちによる、深夜の隠密行軍の開始です。

すぅっー

珠輝「じゃあ、二人とも?まずはこの廊下の奥まで行って、近くに誰もいないか見てきてもらえるかしら。お互いに連携して状況を知らせてね?」

ふわわっ!

ふよよっ!

二匹が先に状況を確認しに向かいます。霊魂たちが廊下にいるのがバレる分には特に問題ないですから。珠輝さんさえ見つからなければそれでいいんです。

ふわぁ~・・・・・・、ふわっ

ふよっ、ふよよっ

珠輝「よしっ、誰もいないのね?じゃあ、ちょっとそこで待っててね・・・。」

珠輝さんがひゅぅーっと移動していきます。

珠輝「ふぅ~、お待たせ。二人とも、ありがとうね。」

ふわっふわっ!

ふよっふよっ!

珠輝「うふふっ。こうやって隠れながら進んでくのって、何だか楽しいわねっ。『にんじゃ(・・・・)』みたいっ。」

順調に珠輝さんの行軍は進行していきます。

・・・・・・

珠輝「よし。後はそこの角を曲がって真っ直ぐ行けばお客さん部屋だわ。二人とも、お願いね?」

再び二匹が奥まで様子を見に向かいます。

すると。

ふわぁ~・・・・・・、ふるふるっ

ふよ?・・・、ふるふるっ

珠輝「えっ?今は、ダメ?・・・救護係たちがいる?・・・どうして救護の子たちがお客さん部屋なんかに・・・。もしかして・・・!」

何か嫌な予感を感じたのか、珠輝さんは慌てた様子でお客さん部屋へと向かいます!

ばんっ

珠輝「史織っ!宮ぅっ!どうしたのっ!?」

勢いよく襖を開けると。

珠輝「っ・・・!?」

宮「あぁっ・・・。()姫さま(・・・)・・・。こ、これは、その・・・。」

部屋の中はボロボロになった宮さんが横になって、霊魂たちに看護されている光景が広がって・・・。

珠輝「・・・宮。」

宮「は、はいっ!?」

珠輝「これは、どういうことかしら・・・。」

宮「う、うぅぅ~・・・。じ、実は、・・・。」


 史織「うぐっ・・・。」

ガクッ

燈紅「ふん、さすがにもう限界かしら?もう少し楽しめるかと思ったんだけど。」

片膝を地面に突いてしまう程、体力が消耗している史織さん・・・。なかなか厳しい状況です。

燈紅「ま、所詮は人間。この程度よね。」

史織「はぁ・・・はぁ・・・。う、うるさいわね・・・!大体、私はずっと動き回ってるってのに、アンタはさっきから霊魂を操ってばっかで、全然体力を使うようなことしてないじゃない!直々に相手をしてくれるんじゃなかったのっ?!」

燈紅「あら、心外ね。最初こそ霊魂たちに自由にさせていたけど、今はちゃんと私が直接(・・・・)指示して動かしているじゃない。」

史織「霊魂を倒されて怒ってた割に、攻撃手段には霊魂を使役って。何だか矛盾してない?」

燈紅「一時(いっとき)の感情に流されていては冷静な判断などできはしないわ。まあ?怒っているのは事実だけど、この子たちは別に倒されたからって消えちゃうわけじゃないし。少し時間が経てばまたすぐに復活できるんだし。」

史織「・・・えっ?」

燈紅「えっ・・・?あ、知らなかったの?」

史織「そうか・・・。おかしいと思ってたのよ。あんだけ倒したってのにアンタが次から次へと霊魂を呼んで来るもんだから、どんだけいるのよ!って思ってたけど・・・。復活、してたのね・・・。」

燈紅「この地への侵入者の排除は基本的にこの子たちが行うわ。やられてもやられても復活を繰り返し、最終的には相手が根負けする。まあ、元々侵入者なんて芙が通すはずはないんだけどね。」

史織「その芙に、私は通してもらってるんだけどね・・・(怒)?」

燈紅「・・・どうして貴方が芙に通してもらったのかは知らないけど、今はもうそんなことどうでもいいの。貴方は宮を傷つけた・・・。ただそれだけの理由が、貴方の破滅を招くのよっ!!」

史織「くっ・・・。少しはこっちの話も聞いてほしいもんだけどね・・・。でもま、ここまで言われちゃ、私も後には引けないってもんよっ!!」

燈紅「ふっ、威勢のいいこと・・・。もう大した力も出せない癖に。」

史織「うぐっ・・・。」

燈紅「まあいいわ。私はそれに気付けなかった(・・・・・・・・・・)ってことにして、特大のをお見舞いしてあげるわ。」

史織「(マズいっ・・・。何とかここを乗り切る手立てを・・・!)」

燈紅「さあさあ皆、最後の一仕事よ。とびっきりのをお願いね?」

ふわんふわんふわんふわん・・・!

霊魂たちが寄り集まってエネルギーを一点に集中させています。

史織「そ、そんな攻撃したら、御魂邸(ここ)が吹っ飛んじゃうんじゃないの・・・?」

燈紅「ふふふ。心配は要らないわ。屋敷も庭も地面も全部、私の術で守ってあるんだから。この防壁術は少し特殊(・・)でね・・・、あらゆる衝撃を緩和してくれるの。大丈夫・・・。仮に貴方が吹き飛んでも、ここはほんの少しの被害しか受けないわ?」

周りをよく見てみると、薄っすらとですが燈紅さんの防壁術が張り巡らされているのが見えます。

史織「(特殊な(・・・)防壁術・・・ね。)」

燈紅「さ、覚悟ができたところでこっちの準備も整ったわ。貴方の命運もここまで・・・!」

と、燈紅さんが言いかけたその瞬間。

すっ

史織「・・・じゃあ、これならどうよ?『十方封鎖』!!!」

シュババババッ!!!

プシュプシュプシュゥゥゥゥ・・・・・・

燈紅「なっ!?」

『十方封鎖』の効果により辺りに施されていた燈紅さんの防壁術の効力が打ち消されました。

つまり、御魂邸を衝撃から守る防壁が消えたということですね。

と、いうことは・・・?

史織「ふふん。これでその攻撃は、使えなくなっ・・・。えっ!?」

ふわんふわんふわわわわわわわわぁぁぁ・・・!!

燈紅「マ、マズい・・・。り、臨界点を超えそう・・・。このままじゃ・・・。」

・・・何やら非常にマズい状況になっちゃったみたいです。

史織「ちょっと!霊魂たち(ソイツら)を大人しくさせなさいよ!今そんなヤバそうな攻撃したら、ホントにこの辺一帯が消し飛んじゃうわよっ!?」

燈紅「お、大人しくしてもらいたいけど、今この子たちったら舞い上がっちゃって私の声が届いてないみたい・・・。こうなった以上、エネルギーを解放するしか・・・。」

史織「ちょ、正気なのー!?御魂邸(ここ)はともかく、私まで消し飛んじゃうじゃなーい!」

燈紅「貴方が防壁術を打ち消したりするからでしょう?!貴方はともかく、御魂邸(ここ)は何としても守り抜かないと・・・!」

ふわわわわわわわわぁぁぁぁぁ・・・!!!

そうこうしているうちに遂に、臨界点を超え・・・。

燈紅「あっ!み、皆っ!もう少し待って・・・!」

バジュゴオォォォォォ!!!!!

燈紅さんの願いも届かず、溜め込んだ超強力なエネルギーを(まと)って巨大化した霊魂たちが一気に史織さんの方へと突っ込んできます!

史織「ヤ、ヤバい・・・!逃げなきゃ・・・!」

ガクッ

史織「(うぐっ・・・!?あ、足が・・・!)」

その場に崩れ落ちる史織さん。あいやこれまでか・・・。

そう思われた、その時。

???「ダメよ、皆?ちゃんと周りを確認してからじゃなきゃ。」

ふやっ!?

ふよっ!?

ふわわっ!?

バジュゴォォォ・・・、シュゥゥゥゥゥ・・・

な、なんと!その場にやって来た人物に気が付くと霊魂たちは一挙に落ち着きを取り戻し、攻撃エネルギーを宙に分散させることに成功しました。

ふややぁぁ~

ふよよぉぉ~

ふわわぁぁ~

???「うふふっ、よしよし・・・。」

ついさっきまで攻撃態勢だった霊魂たちがこぞってその人物のところへと甘えにいきます。

史織「うぐっ・・・。あっ、アンタ・・・。」

珠輝「ふふっ。史織、見ぃーっけ。」

そう、珠輝さんです。多くの霊魂たちが珠輝さんのところへと寄り集まってきました。

史織「ど、どうしてアンタがここに・・・。」

珠輝「もう!史織ったら、さっき私とした約束忘れちゃったの?用事が終わったら私のところに来てって言ったでしょ?」

史織「あ、ああ・・・。そう、だっけ・・・?」

珠輝「でも、あんまり遅いから私の方から来ちゃった。」

史織「・・・。でも、どうやら珠輝のおかげで助かったみたいね・・・。危ないところだったわ。」

燈紅「()姫っ(・・)!」

たまらず燈紅さんが珠輝さんに呼びかけます。

燈紅「ど、どうしてこちらに・・・。そ、それに、その人間と(えら)く親しそうで・・・。」

珠輝「燈紅。」

燈紅「は、はいっ。」

珠輝「史織は私のお客さん(・・・・・・)よ。あなたには話してなかったけど、ちゃんと宮には話してあるわ。」

燈紅「し、しかし・・・!」

珠輝「宮。」

宮「は、はい!」

燈紅「えっ?」

珠輝さんの後ろから宮さんが出てきました。

燈紅「宮っ!?貴方、どうして・・・。部屋で休んでいるはずじゃ・・・!」

宮「ひ、燈紅さまぁ・・・。す、すみません・・・。」

燈紅「えっ、何?どういうことなの?」

珠輝「燈紅。」

燈紅「は、はい。」

珠輝「そういうこと(・・・・・・)よ。今は下がってて。」

燈紅「えっ・・・?ちょっと、本当に分からないんですけど・・・。一体どういう・・・。」

珠輝「下がってて、って言ったのよ。聞こえなかったの?燈紅。」

燈紅「っ・・・。わ、分かりました。・・・私、少し芙と話をしてきますね。」

珠輝「ええ。行ってらっしゃい。」

珠輝さんの威光の前に屈したのか、燈紅さんは大人しくその場から立ち去っていきました。

ええと・・・。とりあえず、燈紅さんとの決闘は中断により送り流れになりました。

・・・・・・

珠輝「もう、燈紅ったら・・・。頭が固いっていうか、何ていうか・・・。」

史織「珠輝・・・、私を助けてくれたの?」

珠輝「ん?う~ん・・・、まあそうかな。そうよね、宮ぅ?」

宮「えっ、あっ、はい!そうですそうです!姫さまの仰る通りです!」

史織「・・・なぁーんか怪しいわね。特にアンタ。」

宮「ギクッ。」

史織「・・・まあいいわ。正直、珠輝に出てきてもらわなきゃやられてたかもだし・・・。助かったわ、ありがとね。」

宮「おおぉぉ・・・!よかったですね、姫さま!」

とりあえず、一段落着いた感じですかね。

史織「・・・ところで気になってたんだけど、何。珠輝ってお姫さま(・・・・)、なの?」

珠輝「あれ、言ってなかったかしら?そう、私は水燐支珠輝。御魂邸(ここ)のお姫さまなの、ふふっ。」

宮「そして、私や燈紅さまは姫さまに仕えている者です。」

今まで宮さんと燈紅さんが呼んでいた『姫』という方の正体が、これで分かりましたね。

史織「えっと・・・じゃあ、姫さん(・・・)?どうして私を助けてくれた・・・んですかね?」

珠輝「ふふっ、別に畏まる必要はないわ。史織は史織が話しやすいように喋ってくれたらいいのよ。」

史織「・・・じゃあ、そうさせてもらうわ。で、どうしてなの?」

珠輝「う~ん・・・。」

少し難しい顔で唸る珠輝さん。

宮「姫さま、ここは私が・・・。」

珠輝「・・・じゃあ、お願いね。」

と言うと、宮さんが前へと出てきました。

史織「アンタが、話してくれるのね。」

宮「は、はい。実はと言うと、貴方を助ける目的で姫さまはやって来たわけではありません。」

史織「え?」

宮「本当の目的は史織さんから燈紅さんを遠ざけるためです。」

史織「・・・あんまり意図が分からないわね。」

宮「ま、まあ・・・。ただ、私が『百科全草』をお返しし忘れていたという不手際のせいで史織さんが御魂邸(ここ)までやって来たということが燈紅さまに知られると、私が燈紅さまにキツく怒られてしまうんで・・・。そうならないように姫さまが私を庇ってくれたといいますか。一先ず、燈紅さまには強引にでも史織さんの下から離れてもらったんです。」

史織「ふう~ん。でも燈紅(アイツ)、芙のところに行ったんでしょ?もうバレてるんじゃないの?」

宮「ま、まあ・・・。知った後からなら説明すれば何とかなるんじゃないか、って姫さまが・・・。とりあえず今この現状を乗り切るために、と。」

史織「まあ、それでそっちがいいなら別に私は何でも構わないわ。もう私も結構疲れてるし、早いこと私の目的(・・・・)を果たしたいんだけど。」

史織さんの目的、ですか・・・。まあ、穏やかに済ませてほしいところではありますね。

ですが、宮さんの様子が少しおかしいですね。

宮「あ、えっと・・・ですね。」

史織「・・・何よ?」

宮「あの・・・その・・・、『百科全草』なんですが・・・、実は・・・。」

何やら神妙な面持ちで宮さんが事情を説明しますと・・・。

史織「えええぇぇぇ!?今、どこに置いてあるのか分からないですってぇぇぇ!!!」

宮「い、今霊魂たちが総出になって屋敷中を探し回っています!私もこの後すぐ、探しに向かいます!」

史織「うぐぐ・・・!」

宮「で、ですね。その間なんですが、史織さんには姫さまのお相手をしていただこうということになりまして・・・。姫さまも大層乗り気になっていまして・・・。」

史織「はっ?珠輝と?」

チラッ

珠輝「うふふふっ。あらあら~、そうなの~。皆頑張ってたのね~。」

宮さんと史織さんが話している中、珠輝さんは庭で霊魂たちとお戯れ中です。

史織「・・・。珠輝(アイツ)、何してるの(呆れ)?」

宮「霊魂たちは普段姫さまと簡単にお会いすることは許されていませんからね。姫さまも霊魂たちと話をするのがお好きですから。」

史織「まあ、いいわ。珠輝と話でもしてればいいのね?」

宮「あ、いえ。姫さまは決闘をご所望のようなので、決闘で。」

史織「・・・やーよ。」

宮「ええぇぇぇ?!」

史織「さっきも言ったでしょ。私はもう疲れてるの。もうそんな気力、残ってないわよ・・・。」

珠輝「あら、じゃあ・・・。」

ぱああぁぁぁぁ・・・!!

史織「っ!?」

珠輝「これでもう大丈夫よね!」

宮「ひ、姫さま!?」

珠輝「いいじゃない、別に。私のわがままなんだから、これくらいはしてあげないとね。」

史織「・・・体が軽い。疲れが消えていったみたいに・・・。」

珠輝さんの謎の力で史織さんに活力が戻ったみたいです。

宮「じゃあ、これで姫さまのお相手を・・・。」

史織「えー・・・。でも、決闘しても私には何の得もないんだけど・・・。」

珠輝「ふふっ。じゃあ・・・もし私に決闘で勝てたら、『純正霊魂』を二つくらいならあげちゃうわ。」

史織「乗ったわ。」

宮「・・・即答ですか。」

史織「元々『百科全草』を取り返して追加で他にも何か貰って行くつもりではあったけど、それが合意の下貰えるのであれば後腐れはないわね。」

宮「は、はあ・・・。では、後はお願いしますね。私は全力で本を探してきますので!」

だっ

宮さんはすぐさま『百科全草』を探しに向かいました。

史織「さっ、とっとと始めましょうか。」

珠輝「その前に一つ、決めてないことがあるわ。」

史織「ん、何?」

珠輝「史織が負けた時のこーと。」

史織「ふっ・・・、決めるだけ無駄だと思うけどね。」

珠輝「あら、自信満々ね。じゃあ・・・史織が負けたら、『純正霊魂』は一つだけ。それと、また今度来た時は私と遊んでね?これが約束。」

史織「ま、今度来る時があるかどうかなんて分かんないけど。」

珠輝「じゃあ、来てもらうわ!絶対にね!」

史織「珠輝が私に勝てたら、でしょ?そうはならないってこと、分からせてあげるわっ!!」


 史織さんと珠輝さんの決闘が、今始まります。

◎追加・公開版

(霊魂たちの憑拠(ひょうきょ)先)水燐支 珠輝   種族・霊魂  能力・澄み清み透き通る能力

 通称・秘境のお姫さまこと、霊魂の怪異。御魂邸の事実上(・・・)の頂点。(かつ)ての祖先が霊魂たちを保護するために御魂邸を設立した。要は、その水燐支一族の末裔であり現当主。燈紅や芙とは生まれた時からの付き合いだが、宮とはもう少し後からの付き合い。まだ幼さが残る性格だが、姫たる風格・威厳は確固たるものとして持っている。普段は燈紅による生活管理がやや厳しいので自由に過ごすといったことがあまりできない。でも、全体的に楽しいことが好き。まだまだ遊び足りない、そんな毎日。その明るく朗らかな性格は全ての者を魅了する。御魂邸にいる全ての霊魂たちは珠輝の存在こそが最大の生き甲斐になっている。


(御魂邸の管理者)督守 燈紅   能力・あらゆるものを(たす)ける能力

 通称・霊魂たちの手引き人こと、浄人。(怪異ではない。)元は普通の人間であるため最初から色々できたわけではない。珠輝が生まれるずっと前から水燐支一族に仕えている。今は御魂邸の霊魂たちの管理権の全てを担っており、その『霊魂』の中には珠輝も入っている。珠輝の普段の生活は燈紅の管理によるものだが、珠輝は珠輝でもっと自由に遊びたいお年頃なのでよく隙を見て抜け出したりしている。そんな珠輝に少々手を焼いている、そんな毎日。宮との関係は上司と部下みたいな感じ。


(日々毎日苦労人)集 宮   種族・偶像  能力・何もかもを一身に引き受ける能力

 通称・対象不明の浄なる存在こと、偶像の怪異。とある時から珠輝に仕えており忠誠を誓っている。ややそのせいで天真爛漫な珠輝に毎日振り回されている感がある。一応、燈紅の仕事の手伝いが宮の主な仕事だが、仕事の最中でも珠輝からのお願いには最優先で応えるよう燈紅に言われている。燈紅との関係は上司と部下のような関係だが、珠輝との関係はどちらかというと遊び友達のような関係。まあ、珠輝が宮を気に入っているため近しい関係なのだが、宮としては姫と従者としての関係は最低限保とうとしている。でも、珠輝のために苦労するのは全然嫌ではない様子。珠輝のためならどんなことも引き受ける覚悟が宮には備わっている。

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