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若鄙の有閑  作者: 土衣いと
摩訶不思議な人間と
40/94

〈最終面〉過保護な神様(後編)

はい。今回は・・・、激長回です。超激長です。後半は分けてもよかったと思います、さすがに。後書きも激長です。まあ、この章の多くの伏線が回収されていると思いますので、悪しからず・・・。まだ残っている伏線は次回からということで。何卒、ご容赦下さいな。

 史織さんと高御さんの決闘が始まってから三十分が経ちました。

史織「はぁ・・・はぁ・・・。(あ、暑い・・・!)」

高御「ふむ・・・。(さすがに暑くなってきたわね・・・。)」

やや史織さんに疲れが見えますが、疲れなんかよりも暑さの方が今の史織さんには鬱陶しいようです。

高御「神である私を相手に、よくここまでやれるわね。」

史織「こ、この暑ささえなければ、もっとやれるんだけどね・・・!」

高御「うむ、私もだ。久方振りに動いたせいで、さすがに暑くなってきた。」

史織「ここの暑さに慣れてるアンタと私を比べられても困るんだけどね・・・。」

高御「だからな・・・?」

史織「・・・そうね。」

すっ・・・、すっ・・・

お互い通じ合ったかのように構えを取りました。

・・・どうやら「次で終わらせよう。」ということを通じ合ったみたいです。

史織「(はぁ・・・はぁ・・・。この暑さで弱った今の私じゃ、多分コイツは倒せないわ。ここは、コイツの技を返すしか・・・。)」

高御「ふっふっふ・・・。何を考えているかは知らんが、猪口才(ちょこざい)な技は通用せんと心得ておけよ?」

史織「・・・ふっ、上等よ!」

ビュオォォッ!

高御「さあ、行くぞ!とっておき(・・・・・)のをくれてやる!!!」

ダンンッッ!

史織さんが一気に距離を詰め、高御さんがその場で足と腰に力を入れます!

高御「いざ、照らせっ!『真実の光明(こうみょう)』!!」

ピゴオオォォォ!!

史織「(・・・っ?!)」

高御さんの強力そう(・・)な光線が一直線に史織さんへと向かいます!

史織「・・・『到来返戻』!!」

高御さんの光線を史織さんが返し(・・)ます!

史織「はあぁぁぁぁっ!!」

ピュゴオオォォォォォ!!

高御「ふっ、我が光明を返す(・・)とはな。だが、我が力を、見誤るなよ!」

返ってきた光線が高御さんのすぐ正面にまで迫ると。

高御「我が真のとっておき(・・・・・)は、こっちだ!!『真実の鏡』!!!」

パキィィィン!!!

ビュゴゴゴオオォォォォ???!!!

史織「っ・・・!!」

ドガアアァァァァァンン・・・!!!!!

・・・・・・

えぇぇっっと、今どうなったんですかね・・・?

語り主の目には確か、

①高御さんが『真実の光明』を発射

②史織さんが『到来返戻』で『真実の光明』を返射

③高御さんが『真実の鏡』で『到来返戻』を返射

④着弾後、大爆発

という風に見えたんですが・・・。あっ、じゃあ、史織さんは・・・!?

高御「はっはっは!どうだ、見たか!?我ながらよくできた頭脳ぷれい(・・・・・)だったのではないか?」

まだ周囲には砂ぼこりが立ち込めたままで視界が悪いですが・・・。

???「ったく、手間のかかることをしてくれたもんだわ。」

高御「っ!!??バ、バカなっ!!な、なぜ古屋の(・・・)の声がっ!!!???」

史織「あー、何だか前にも似たようなことがあった気がするわ。ま、でも、何回やっても悪い気はしないわね。じゃ、一遍頭ぁ冷やしなさいってぇの!!!」

高御「・・・っ!!!上かっ!!??」

史織「『刹那魂砕』!!!」

ドキュオォォォォン・・・!!!

高御「うぐぐあぁぁぁっ・・・!!!」

バシュコォン、ズガァァァァン・・・!!!

しゅたっ

史織「後、私の名前は古屋史織(・・・・)っていうのよ。覚えときなさい。」

・・・・・・

どっどっどっどっど!

千鶴「どどど、どうしたんですかあぁぁぁ!!!???」

史織「あら、アンタ。」

おやおや、大きな音に驚いて奥の方から千鶴さんが出てきました。

千鶴「あれ?貴方は・・・。って、あああああああぁぁぁぁ!!!」

高御「うぐぅぅぅぅぅ・・・・・・。」

史織さんの足下には本殿の入り口床がぶち抜けて、ひっくり返っている高御さんの姿が。

千鶴「た、高御さまぁぁぁぁぁ!!!!!」

この決闘、勝負ありのようです。

千鶴「ななな、なんてことしてくれちゃってるんですかぁぁぁぁ!!!」

史織「しょ、しょうがないじゃない。コイツが、アンタには会わせないー、なんて言うから。」

千鶴「そ、そんな・・・。え?私に、会いに、来られたんですか・・・?」

史織「ああ、そうだったわ。アンタ、名草(なくさ)千鶴よね?」

千鶴「え?は、はい。」

史織「人里自警団からの正式な依頼で、私はアンタの調査に来たのよ。」

千鶴「げっ・・・、ひ、人里の、からですか・・・。」

史織「何よ。何か後ろめたいことでもあるの?」

史織さんが千鶴さんにぐいぐいと詰め寄ります。

千鶴「え、えぇぇーっと、いやぁー、何て言うか、そのー・・・。」

???「あっはっは!いーじゃないのさ、千鶴。もう全部話しちゃえば。」

と、誰かが神殿まで山を登ってきたようです。

???「もうその時(・・・)が来たってことだよ。いーんだよ、もう。高御のことは気にしなくてもいいさ。私が何とかするから。」

千鶴「木実(このみ)さま!」

史織「え?小冬?」

小冬「あら、史織。もう来てらしたんですのね。」

おやおや、誰か一人がやって来たかと思えば、二人とは。しかも、そのうち一人は小冬さんでしたか。

・・・と言いますか。

千鶴「どど、どうしたんですか、木実さま!!??そんなボロボロなお姿で!!!」

木実「あっははは~。いやぁ~、まあ、ね?」

史織「・・・ふふっ。詳しいことは知らないけど、小冬?アンタら()、やり合ったってわけね?」

小冬「うふふっ。ま、そういうことですわね。」

木実さんも小冬さんも、二人ともボロボロです。

木実「ん・・・?いやはや、これはこれは。高御がひっくり返ってるよ(笑)。あっははははは!」

千鶴「笑い事じゃあないですよぉー!!」

木実「・・・そこの古屋の(・・・)、かな?高御をやったのは。」

史織「・・・そうよ。文句あるの?」

木実「ふふっ・・・、いや。ないよ。さ、一先ず中へ入ろうじゃあないか。日も暮れたことだし、落ち着いて話をしようじゃないか。」

午後七時、日も暮れたこの時間。一同は一先ず、名草神殿本殿の奥にある母屋に身体を休めることにしました。


 史織「ちょっと千鶴~?お茶はまだなの~?」

千鶴「ちょ、もうちょっと待ってください~!」

小冬「あら、このお饅頭。結構美味しいですわ。」

史織「え、ちょ、ホント!?私も一つ~。」

史織さんも小冬さんも、部屋に出されたお菓子を頬張ります。

木実「あ、あんたたちねぇ・・・。」

史織「え・・・、何?」

木実「・・・まあ、いいわ。じゃあ、私が色々と説明してあげるよ。」

史織「そう。じゃあ、お願いね。ていうか、アンタは誰?」

木実「私はこの名草の二柱の一人、鹿々栖(かかす)木実(このみ)。そこで寝てる高御の、まあ相方みたいなもんさ。」

そうです。こちらが高御さんと対を為す、もう一柱の神様その人です。

高御さんは、今も尚気絶したままです・・・。

史織「へぇ、アンタがそうだったの。」

千鶴「そうですよ!お二人とも、すごーく偉い神様なんですから!」

と、千鶴さんがお茶を運んできてくれました。

史織「あら、ありがと。」

小冬「いただきますわ。」

木実「そっちの小冬には少し説明したんだけど、まだ深くまでは話してないからね。」

小冬「そうでしたわね。」

木実「さ、じゃあ何でも聞いてくれていいよ。知ってることは、全部話したげるから。」

史織「ふーむ・・・、そうね。じゃあ、まずは千鶴の素性について聞かせてもらおうかしら。」

千鶴「・・・。」

木実「千鶴・・・、いいよね?」

千鶴「・・・はい。大丈夫です。」

木実「そうさねぇ・・・。千鶴のこととなれば、ちょっと昔の話もしようか。ちょっと昔と言っても、高々十数年前くらいのことなんだけどね・・・。」

木実さんが、千鶴さんとの昔話をしてくれるようです・・・。



  木実さんが話す、千鶴さんとの昔のお話・・・。

 私と高御はずっと昔からこの名草神殿で暮らしてきた。お互いに自由に、気ままに、特にいがみ合うこともなくのんびりと過ごしてきた。そりゃあもう、ずっとさ。長く若鄙に住んでりゃ、私らのことを知るようになる怪異なんかも多くはなったもんだけど、別に生活に変化が起きたわけじゃあなかったね。高御は呑気に、私は気ままに、昔からゆったりと過ごしていたんだ。

 でも、あの日から私らの生活は大きく変わったよ。十数年前のあの日、偶然境内にいた私は空からゆっくりと落ちて来る何かに気付いたんだ。それを受け止めてみたらどうよ。揺り籠に入った赤ん坊さね。本当に生まれて間もないくらいの子だったよ。とにかく、すぐに高御を呼んだよ。この子は一体何なんだい?って高御に聞いたらさ、分かんないって言うもんだから驚いたよ。真実を判別できる『実』を司る能力を持つ高御でさえ分からないなんてことがあるもんなんだってね。ただ、人間の子だってことだけは分かったって言うからね。もちろん、じゃあどうするの?ってなったよ。でも、生まれて間もない人間の赤ん坊をそのまま放置なんてできないもんね。まあ、これも何か天からの授かりもんかねぇってことでさ、私らでその子を育てることにしたんだよ。それがこの子、千鶴ってわけ。名前はその時に高御が付けたんだよ。ただ、神殿の名前が『名草(なぐさ)』なのに、千鶴の氏が『名草(なくさ)』っていうのは、ややこしくない?って思ったんだけどね。まあ、気にする程のことじゃあなかったかもしれないね。

 で、その次の日だね。朝起きて外に出てみたら、神殿の敷地内ギリギリに妙な結界が張ってあってさ。別に悪い気配は感じなかったんだけど、結界の外に出てみたら神殿の敷地一帯がまるごと見えなくなってね。あれは驚いたよ。もちろん、結界の中に入ればちゃんと神殿はある。高御に聞いたんだけど、原理や性質は分からないってさ。もうおかしくってね。またかよっ!ってね。まあ、いいさ。でも調べたら、結界の術者はどうやら千鶴みたいだってことが分かったんだよ。ただの赤ん坊にそんな真似ができるとは思えなかったけど、高御がそうだって言うもんだし、信じるしかなかったね。その時、丁度いいって思ったんだよ。人間の赤子である千鶴を凶暴な怪異たちに存在を知られることなく安全に育てるには、丁度いいかもってね。もしかしたら、あの結界は千鶴が本能で自己防衛のために張ったものなのかもしれないってね。実際に、私と高御以外の者が神殿の敷地内に入ることは一切なくなったよ。どうやら本当に結界の外の者からは神殿を一切感知できないようになっていたみたいだし。私と高御は『幽境結界』って呼んでるよ。千鶴もどうやら私と高御にだけは幽境結界の影響を受けないようにしてくれたみたいだったから、私らに不自由はなかったよ。出入りできないと、正直ちょっとキツかったかもね。

 それからは千鶴と高御と三人で、ゆっくりと過ごしていったよ。人の子を育てる、なんて初めてだったけど、なかなか面白い体験だったよ。千鶴も大きくなり始めるといろんな意味不明の訳分かんない力を使えるようになってきたし、この若鄙についてのことも色々と教えたよ。もちろん、決闘のやり方もね。高御は特に熱を入れて教えてたね。よく訓練しすぎてへとへとになった千鶴を介抱してあげたもんだよ。高御は千鶴のことになると周りが全く見えなくなっちゃうところがあるからね~。高御を抑えるのも大変だったよ。それでね・・・。



史織「ねえ・・・、ちょっと。」

木実「ん、何さ。今いいところだったんだけど。」

史織「長いわ。」

小冬「私も、少し・・・。」

千鶴「木実さまぁ・・・!恥ずかしいですぅ・・・!」

木実「えぇー・・・。」

史織「何だか後半もただののろ気(・・・)話だったし・・・。話を聞く限りだと、高御も高御のようだけどアンタもアンタで相当な親バカよ。」

木実「なっ・・・!た、高御ほどじゃあないよ!」

史織「はあ・・・。もういいわよ。じゃあ、千鶴。」

千鶴「は、はい!」

史織「アンタこの前の武闘大会の時、私との決闘中にどうして突然いなくなったのよ?結構捜したんだから。」

千鶴「あぁー、えぇーっと、それはですね・・・。」

木実「あー、それね。葵に連れ帰って来てもらったんだよ。」

史織「葵に?」

木実「あの日まで千鶴は一度たりとも神殿の敷地から出たことはなかったんだよ。幽境結界がいつの間にか消えてた数週間前からでも、千鶴は神殿から出たことはなかったんだよ。でもあの日の朝、神殿から千鶴の気配が突然消えたから慌てて私らは捜し回ったんだよ。その時、偶々葵が神殿にやって来たから葵にも千鶴の捜索と保護をお願いしたんだよ。葵は千鶴とも昔からちょっとした仲だったからね。」

史織「じゃああの時、空に打ち上がったアンタを搔っ攫っていったのは・・・。」

千鶴「あの時は吃驚しましたよ。気が付いたら葵さんに抱きかかえられていたんですから。」

木実「葵はそのまま神殿まで千鶴を連れ帰って来てもらって、人里での千鶴のやってた行動を少し話してくれたよ。まさか武闘大会に出てたなんてねぇ・・・。」

千鶴「そ、それは・・・!優勝して、ぜひお二人にお土産をと思いまして・・・。」

木実「千鶴が突然いなくなった原因も、どうやら千鶴の能力の影響みたいだってことだったし、大事にならなくてよかったよ。神殿から人里までの瞬間転移なんてね!笑っちゃうよ、全く!それも不意に発動しちゃったとか、勘弁してほしいもんだよ(笑)。でも、高御はちょっと怒ってたよねぇ。どれだけ心配したと思ってるのー!ってね。」

千鶴「は、反省してますぅ・・・。」

木実「ま、こんな顔されちゃあ高御も怒るに怒れなくてね。心配かけた罰はしばらくの間、決闘の特訓強化月間ってことで収まったのさ。」

史織「あぁー、そう・・・。さっき高御が言ってた裏での作業(・・・・・)って特訓のことだったのね。」

木実「高御は過保護だからねぇ。もうある程度は千鶴も戦えるようになってきたし、もうそろそろ千鶴にも神殿の外の世界を見せてみてもいいんじゃない?って私は言ってるんだけど。高御は、まだ外に出すには早い、ってね。でも・・・、これが丁度いい機会だったんだよ。意図的では無いにしろ人里と千鶴が触れたこと、こうして同じ人間の強者たちに出会えたこと。この偶然の機会に感謝しなくちゃいけないね。」

千鶴「木実さま・・・。」

木実「千鶴。あんたもこれからは神殿の外の世界に行ってもいいんだよ。もちろん、無理は言わない。千鶴が千鶴の思うようにこれからは行動していいんだよ。大丈夫、高御のことは気にしないでいいの。このおバカは私が言い包めておくから。」

高御「誰がおバカだって?」

木実「わっ!起きてたのかい。」

千鶴「高御さま!・・・お身体は大丈夫なんですか?」

高御「ああ、もう大丈夫さ。全く、やってくれるよ。この古屋の(・・・)は。」

史織「ふんっ。私の邪魔をするからよ。」

高御「千鶴。」

千鶴「は、はい。」

高御「私も木実の言ったこと、認めるよ。」

千鶴「高御さま・・・。」

高御「真実を判別できる神ともあろう者が千鶴の最も良い将来の真実を判別できないなんて、情けないもんだよ。私はどうやら周りが見えなくなっていたようだね・・・。」

千鶴「・・・分かりました。お二人のお言葉、(しか)と聞き入れました。」

小冬「何だか上手くまとまったみたいですわね。」

史織「・・・そうね。私らもそろそろ帰りましょうか。大体のことは分かったし、千鶴自体に害はなさそうだし。報告も問題ないわね。」

木実「おや、帰るのかい?」

小冬「ええ。お邪魔しましたわ。」

千鶴「お二人とも、何だか私のことで色々と動いてくれたみたいで、すみませんでした。それと、ありがとうございます。」

史織「ふっ。ま、いいってことよ。」

高御「ちょっと、一ついいか?古屋の(・・・)。」

史織「・・・何?」

高御「私との決闘の最後、どういう動きをすればあんな芸当ができたんだ?私でも分からんかったぞ。」

史織「・・・。アンタが放った光線、あれさ、手抜いてた(・・・・・)でしょ?」

高御「っ!?」

史織「最後の技って割には力が感じられなかったのよね~。あの光線は囮で何か裏があると思ったの。だから、あえて私はアンタの罠に(はま)った振りをして光線をそのまま返した(・・・)わ。後は、予想通りね。私の勘と反応力をもってすれば、アンタの本命の技を砂ぼこりに紛れて避けるのは容易かったわ。」

高御「・・・ふっふっふ、完敗だ。お前は、一体・・・?」

史織「言ったはずよ?全く・・・。」

高御「・・・?」

史織「私は古屋図書館司書長、古屋史織。ちょっと強いだけの、ただの人間よっ。」


 午後八時半。今日の夜も、暑まし山の気温は高いまま。名草神殿を後にする史織さんと小冬さんには仄かにいい笑顔が見て取れます。自警団からの依頼が完了したから?それとも神様との決闘に勝利したから?・・・違いますね。きっといいもの(・・・・)が見れたからじゃあないでしょうか。神殿の外の世界へ踏み入れることを認めてもらった千鶴さん。彼女もまた、きっといい笑顔をしていることでしょう。

まあ、何はともあれお二人とも、お疲れ様です。ん・・・?でも、小冬さんはどうして木実さんと戦ったんでしょうかね。・・・まあ、いいですか。今日は今日の疲れをしっかり癒せるようゆっくりと休んでください。また明日から、いつもの日常を過ごせるように・・・。

(名草(なぐさ)の二柱の一人)鹿々栖(かかす) 木実(このみ)   種族・神(鏡の神)  年齢・成熟  能力・『虚』を司る能力

 この若鄙に古くから君臨する力のある神の一柱。通称・虚偽を映す神。とても陽気で気のいい性格であり、気まぐれ。雲のように掴みどころがない感じでいつでもふらふら~っとしている。でも、本人は意図なくふらふらしているわけではないようで、いつも考えあってのことらしい。その辺のことは千鶴と高御は分かっている。『虚』を司る能力なだけはあって、自分の虚偽は途轍もなく見破られにくく、全ての物事の虚偽を判別出来る。

 千鶴にとっては親も同然の存在。木実にとっても千鶴は我が子同然の存在。千鶴のことになると暴走しがちな高御に代わってしっかりと振る舞うように心がけているが、周りから見れば木実も大概の親バカ。高御と比べたらマシに見えるだけ。

 何やら小冬と一悶着あったようだが、果たして・・・。


◎追加・公開版

(名草(なぐさ)の神童)名草(なくさ) 千鶴(ちづる)   能力・結局よく分からない不思議な能力

 十数年前、名草神殿境内の上空から赤子の状態で落ちて来た人間の子。それ以外の素性は高御を以ってしても分からなかった。通称・奇妙奇天烈不思議使い。高御と木実にそのまま大事に育てられたため、二人のことはとても大切に思っている。ある程度真面目な性格だが、充分朗らかで気も利き人当たりもいい性格。ある程度成長し大きくなってからは普段から気まぐれで呑気な二柱に代わって名草神殿を陰で支えている。寂れがちな名草神殿の手入れや境内の掃除、その他全般を担っている。今まで神殿内にてずっと暮らしてきたため表ではあまり見せないが、実は神殿の外の世界に少し興味があった。境内の掃除がもう日課になっているため、箒が手持ち武器とも言える程気に入っている。武闘大会ではさすがに箒の手持ち武器がなかったため、一番しっくりきた長い棒を選んでいた。幽境結界の件や神殿から人里へと突然転移した件等、原理不明の不思議な能力を扱うことができる。本人を以ってしても仕組みや原理が分からないから困る。いつも何となくでやっているらしい。二柱の力を以ってしてもその力の出処が千鶴だということしか分からない。高御の訓練のおかげか、独自の術や少しだけなら高御の術を扱えるようになった。でも、技量的にはまだまだ史織や小冬には及ばない。


◎追加版

(真実を映す神)緋熊 高御   能力・『実』を司る能力

 千鶴の名付け親。千鶴にとっては親も同然の存在。高御にとっても千鶴は我が子同然の存在。千鶴のことになると周りが見えなくなるほどの親バカ。自覚はあるらしい。でも、千鶴のことをちゃんと大切に思って考えて行動しているため、悪いようにはしないはず。親バカを発動させると周りがほとんど見えなくなるのが難点。『実』を司る能力なだけはあって、自分の言う真実は相手を確実に説得させ、全ての物事の真実を判別出来る。


〇高御の奥義の一つ『真実の光明(こうみょう)

 純粋に光り輝く極太の光線を放つ。ただただ、強力。しかし、今回史織に放った光線はかなり細く威力も半減以下に落として放ったものである。全ては史織の放つ技がこの光線を打ち破ってくることを見越した上で、『真実の鏡』で勝負を決めるためだった。別にこの光線でも本気を出していれば史織を打ち破れたかもしれないが、そこは気にしないでおこう。


〇高御の奥義の一つ『真実の鏡』

 実際に存在するものなら、例外なく全てをまとめて映し出し、反射する。高御の狙いは押し返された『真実の光明』と史織の技そのものの力をまとめて反射することだった。少しだが、『到来返戻』と似ている。『真実の光明』と『到来返戻』を巻き込んだ『真実の鏡』を更にまとめて返すのは、さすがの史織でも不可能だろう。だが、史織はその類稀なる勘と戦闘センスによって見事高御の目論見を打ち破った。

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