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多彩なスキルで安心ライフを満喫したいな  作者: こるり
はじまり
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8.一人にしないでほしいな

ランクに関しての記述を大幅に修正しました。24とかいろいろ等級とか多くても頭がごちゃごちゃしてきそうなので、単純化しました。

 「おい、もう、いい加減起きろ!」


 「ふわ・・・?」


 ぽけーっとして寝ていたらなんか明るい日差しが顔に伸びてきた。

 「あと、五分~・・・・」

 「もう街についたぞ!」


 「ほへ?」


 慌ててリュックから顔を出す。

 お日様は遥頭上にさんさんと光を降り注がせていてちょっとすれば雑踏のひしめく音が聞こえる。

 とはいえ、今いるところは細い路地で左右は高い石造りの家壁に阻まれていて陽光は若干遮られているが、真上を見れば一目瞭然の明るさだ。

 雑踏が遠いのも、路地の一本みちの向こうを見れば人がひしめくように歩いている。



 完全に街の中だ!


 

 っていうか完全に寝入ってた。

 いや、リュックの中って意外と快適っていうか、売りものなのか毛布一式もあったし、適温だったからついうとうとっと寝てしまってた。

 にしてももう、街の中にもう入ってたの??

 あれからそんなに寝た記憶はないけど、っていうか、今回はあんまし夢も見ないで熟睡してた。

 考えてみたら、じっちゃんを待つ間いろいろ準備してたし、それなりに労力使ってたし、疲れてたんだろうか・・・・・



 ま、いっか。


 

 ただ、村を一足飛びにしてもう街についたっていうのがちょっと不思議。

 家から街まではけっこうな旅程のはずだけども・・・・・


 そんなに寝ていたか?

 「あー、お前はこういうシステムはあまり知らないんだな。冒険者機構に登録しているもので一定ランク以上の人間が使える転送装置っていうのがあるんだよ。それを使っただけだよ。転送装置は村のだいぶ外に隠れてあるんだけど、その場所は一定ランク以上の人間で、かつ許可証をもっていないと見えないし、使えないし、そもそもたどり着けもしないものなんだ。それを使ったまでさ」


 へぇ


 そんなのがあるんだ。

 初耳。

 じっちゃんの講義の中ではそんなの教えてもらったことないけどもどうしてだろ?

 「まぁ、これは冒険者になったら教えてもらえることの一つだからな。おっさんも教えなかったんだろ」


 ってことは完全にじっちゃんの頭の中には僕は冒険者の路線に乗らせるつもりだったんだろうか?

 一般社会について教えてくれてたけども、基本的な移動は徒歩か馬車だったはずだけどそういうものがあるならその部分だけでも教えてくれたらいいものを。



 それにしてもランクかぁ。

 ランクに関してはちょっときいたことはある。

 この世界にレベルというものはなくて、あくまでもステータスが基準になるのだが、そこからEからAの5つの等級に基本的には大別される。

 Eは新人とか三級の冒険者が、DとCは二級で、BとAが一級という大さっぱなくくりである。

 ただ、一般的な人にはどれほど経験を積んでも越えられないステータスの壁というものもあるようで当然それに付随してランクにも限界があるようなのである。どうもステータスには項目事に限界値というものがあったりするようだ。。

 限界値って具体的にどのくらいかは知らないけども、そこそこでも強くなれたらそれでいいもんかもしれない。 

 確かいくつか項目があるっていってたけどそれ以上のことは教えてくれなかった。

 

 気になることではあり、多分、それ以上ききたいなら冒険者になれ的な感じになっていたかもしれない。

 

 けど、そういうことはあまり突っ込まずに、途中で切れてもうちょっときかせてやろうか?みたいな雰囲気になると


 「あ、もういいです。あとは復習でもするか寝とくから」


 と、毛布片手に脱走しようとしてたから、その度にねるために死線をくぐらされる羽目になっていって・・・・



 考えてみたら、寝ることに命かけるようになったのって授業に小出しで冒険者の話をし始めたあたりからか?

 


 ともあれ、結局路線にのらされることになったのだから、因果なものだ。

 で、街である。


 確かなんていう名前だっけ?


 「ほな、とりあえず、宿にいこか。そっから冒険者機構までは一緒してそれからあとは別々やな」

 「え?家まではついていってくれないの?」

 「馬鹿言うない、おっさんとの話ではそこまでで、あとは自力で帰れっちゅうこっちゃな」


 やられた!


 てっきり逆回りの行路をまた元に戻るような形で家に戻ってくれるものと思っていたのにこれじゃなんてことなく、さらわれたようなもんじゃないか!

 どうやって帰れっていうの?

 魔物もいればそもそもどういう道順なのか寝ててわかんないよ。


 

 「ちょ、兄ちゃん兄ちゃん、無茶言わないでよ。僕にそんなのできるわけがないってば」

 「ふむ、そやなぁ。まぁ、できんやろなぁ。というかそもそも坊主に人付き合いができるかがそもそも心配なんよなぁ」


 心配するとこはそっち?

 別にそのくらいはなんとかなるっていうのに。


 「お、その顔は人付き合い程度って思っとるな。ま、そやな、普通ならそう思うが、そもそも坊主は人の良さも悪さもなんもしらん環境で育ったんやし、ちょいと心配なんよなぁ。まぁ、荒療治やし、わてはこれから宿に直行してやらなあかんことあるからなぁ・・・・そや、宿まで坊主一人でいき」


 「っ!!!」


 ちょちょちょ、まってまって、心配してんならせめてついてきてよ!


 「考えてみれば、坊主をそんなに育てたわてらの責任もあるやろし、おっさんの責任でもあるんや。まぁ、今はまだ冒険者ではないし、正味、力量不足やろがあのおっさんのしごきに耐えてきたんや。並や大抵のことはどないでもなるやろ。ほな、地図かいてやるさかいな」


 と、やおら懐から紙を取り出して木炭でさらさらっと宿までの道筋を書き始め、こっちが何かを言う前に書き終えて渡してきた。


 「ほいっと、このしるしが今いるとこや。で、この路地を抜けて右へまっすぐ行った先に宿がある。そこを拠点にして、宿の人にギルドの道聞いて認定してもらい。宿の名前は『暁と豊穣』や。そこそこええ宿屋やで。わてもよぉつこぉとるからその辺は保証付きやで。ま、認定は明日にしてまずは街の中でいろいろ見聞きしときや」


 それからリュックから僕の手荷物を取り出して渡した。


 「ああ、あと誼や。これもやるわ」


 すると、何やらちょっと小汚い茶色い皮袋を渡した。

 「なにこれ?」


 「これな、収納系魔法道具の一つで、かなり高価な魔法道具なんよ。しかも、結構希少価値のある一品やで。まぁ、無限にとはいかんけど、百かそこらの種類のものが百個詰められる便利品なんよ」


 おお、何それ、すごい!

 あれ?でも、そうなるといつもリュックしょってる兄ちゃんはなんなんだろ?


 「兄ちゃん?それなら、兄ちゃんがこれ使ったほうがいいんじゃないの?リュックとか背負ってるし・・・・・」


 「ああ、これな。これも収納の魔法道具や。わての収納スキルもあわせとってな、2、3万の種類は入れられるさかいな。実際にそんくらいのもんは入っとるし、それにわてのスキルでさらに規格外品も入れれるしな」


 なっ!桁がちょっと違いすぎません?


 「あはは、まぁ、そやさかい、その皮袋はやるわ」


 と、リュックを担ぎ上げて


 「ほなな、まずは『暁と豊穣』の宿に向かうんやでぇ。絶対屋でぇ。あと、またあおなぁ」


 そう言って人の雑踏の中へと入っていった。


 「ちょっと待ってよ。やっぱりせめて一緒についてっても」


 通りへと慌てていったけど、あの大きなリュックが見当たらなくなった。

 あれ?ちょっとの間だぞ。

 ほんとうに刹那の間で見えなくなったの?

 左右をきょろきょろ見回してみたが全然見えない。


 あれだけ目立つリュックなのに、どこへ行った?


 「あー・・・・」


 見えないとわかるやぽつんとたくさんの人の中に立っている自分がひどく不安になってきた。

 いや、よく考えてみれば、これだけの雑踏の人、人、人、そいうのは初めてである。


 

 生まれて初めて見る見知らぬ人々。




 本の中でしか実は見たことのないという存在でもあったりする。

 見回せば、人、エルフ、ドワーフ、獣人、多種多様な獣、ほんとうにひしめき合うように人がいる。


 なんか酔ってくる。


 

 と、とりあえず、この場から移動をしないと。


 えっと、地図からしたら・・・・・


 「ちょっと、やめてくださいますっ?!」


 うん、ちょうど、あの叫び声のするところからだ。


 ・・・・・叫び声?


 まぁ、行かなきゃいけない方向は同じだし、後学に人の様子とか見るために行ってみよ。

 なんか叫び声聞いたら、酔いがさめたし、ちょっと落ち着いたしね。

 どんなか見に行こ。


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