7.収納系は便利そう
すみません、感想書かれるまで改行ミスに気が付きませんでした。修正しましたので☆
修正ミス指摘ありがとうございます。
出かけるに際して、自分の手荷物を持ったあと、家の周りを結界でおおわれることになった。
兄ちゃんが結界用の魔石を地面に埋めて家の周りに魔物や獣が入ってこないようにしてくれた。
結界と一言で言うけどもようはこの家をないものとして認識を阻害する結界なのだそうな。
けっこう一般的なもので獣よけには役に立つし魔物などにも効果はある。
けど、そもそも、獣はともかく、魔物は命のあるものに襲いかかってくるので家の中に人を含めた生き物がいた場合はあまり効果が見込めない。
ただ、留守にするときには役に立つ一品である。
それでも魔石なのでけっこう値が張るものであり、持続時間は半永久ながらも一度結界を解除すると壊れてなくなってしまう消耗品でもある。
そんなの使ってもいいの?と尋ねたけど
「いんじゃね?おっさんのつけではらわしてもろたらええんやし」
とこともなげにいってのけた。
ツケってけっこうなつけな気がするけど、じっちゃんならどうにかしてしまいそうなきがするからほっとこう。
そういうわけで、僕は現在、兄ちゃんの巨大リュックの中でぬくぬくとねぼけているとこ。
なぜにそうなったかといえば、そもそも、僕は歩いたりなんだかんだしたりするのって正直めんどい。
お布団をおいてきて寝てたいところをわざわざ起きてこうしてでてきたんだもの。
このくらいの贅沢は許されるよね。
「がぁ、んなわけあるかいな!」
軽くリュックを揺すりながら僕がねるのを微妙に邪魔する。
「何がいけないんだよぉ」
「お前には二本の足があるだろうが。狩りもしてんだからきっちり歩かんかい」
「やっ」
ちらっとリュックから顔を出したあと、またリュックの中に潜り込んだ。
「このっ・・・こいつってこんなやつだったか?」
ぼそっとつぶやいた言葉が聞こえたけども、まぁ、兄ちゃんとあうときはいつもじっちゃんがそばにいたし、じっちゃんがいたらそりゃ、のんびりなんてできないもん。
他人がいるときはいい子にしている方があとあとのんびりしやすいものだしね。
小言言われるのはいやだしぃ。
「はぁ・・・・まぁ、とにかくいくぞ」
しょっとばかりに背負われ、その場をあとにしはじめたけど・・・・にしてもここってほんとうにリュックの中?って思えるような感じである。ぬくぬくのんびりとしていたけども、この中って不思議である。
確かにころんと丸まれるだけのスペースしかないけど物とものとにあたってしまうこともないし、あまり苦しくもない。
背負われて揺れてはいるけどそんなに激しくもない。
どうしてだろう?
ちょっと聞いてみたけど
「ああ、一応、運搬スキルの一つだよ」
といってくれた。
『収納』と『衝撃緩和』の重複がけだそうで、衝撃緩和はたくさんある防御スキルの一つで最もポピュラーなものの一つである。揺れが少ないのはそのせいで、あと、ものが散乱したり、ごちゃっとなっていないのは『収納』というスキルの表れだそうな。
便利なものだなぁとも思ったけど、じっちゃんが自分に教え込んでいたのはどちらかというと攻撃系のものばかりであった。
あとは知識として講義の中に魔術系もあったけど、実際に目にして、かつ実感として伴って教わらないとスキルは習得できないんだとか。
むろん、冒険者カードがあってのものであるが。
この『収納』はちょっとほしいかも。
服とかタンスに適当に入れてもきちんとしまわれるってところが大きいかも。
家事も時短になるし、いいなぁ。
ちょっと教えて欲しいなぁと兄ちゃんにきくも
「これは商人系のスキルだから職業別にいかないと無理だぞ?」
って言われた。
そういえば、じっちゃんからは講義の中で「どの職業でも覚えられるスキル」と「特定の職業でないと覚えられないスキル」があるっていってたなぁ。
実際にじっちゃんは攻撃系でもどっちかというと戦士とか騎士とか剣を使ったりするスキルが多かったけど、魔術は一切使わなかった。
というか使えなかった。
まず、その特定のでないとできないものの筆頭が魔術を使える系の職業である。
それがないとまず使用できないし、特に、魔力というものは生まれ持った素養が大きいので
希に魔法戦士なんていうのも過去にはでてきていたらしいけど、今はどちらかに特化していることのほうが主流だとか。
効率化の面ではそのほうがいいし、前線で成果を収めているのは結局グループとしての戦果が一頭ひいでており、個人ではたかが知れているんだとか。
まぁ、そうだねぇ。
どれだけ秀でていても一人じゃ取り立てて大きな戦果も期待できないだろうからね。
で、こういう魔術系っていうのは攻撃したり回復したり以外でもこの収納とかみたいに便利系も存在していたりするんだとか。
ってか、こういうふうにして使える存在が身近にいるならもっと早くに兄ちゃんから聞き出しておくんだった。
とはいえ、多分、あの頃はそういう心境にはなれなかったろうなぁ。
絶対じっちゃんが聞こうとすると阻止するだろうから。
なぜなら、スキルを覚えるのにはステータスから派生するスキルポイントというものが存在していてそれには限りがあるんだとか。
無論、ステータスが高ければ高いほど、そのポイントも高いんだけど、それ以上とろうと思っても機構のオーバースペックからか覚えることができないんだとか。
ゆえにこういう系は教えてもらえなくて、あくまでも戦いに赴く戦士に育てようとしていた節があった。
でもね、僕はそういうのはほんとうに勘弁して欲しいんだけどね。
家でごろ寝している方がいいし、このあたりはまず戦場にならないだろうから安心して寝てられるからね。
とはいえ、魔物は出るから生活に支障をきたすということからこうして街まで出向くわけだけどね。
ふぅ・・・・
「ねぇ、このまま街まで行くの?村にはよらないの?」
ふと、街の途中の村のことが頭にちらついた。
僕は街どころか村にすら行ったことないし、山の中で村人にあったことすらなかったので、本当に人といえばじっちゃんと兄ちゃん以外にであったことがない。
だから村によるとなれば街の前に人に馴れるために必要な事柄かなと思ったけど、村は素通りしていくとか。
ちょっと残念だけどもそれと同時に安堵もした。
ちょっと人に会うのは不安だから。
まぁ、今の今まで会わないでいてなんだかなぁであるが、獣なんかはよく相手していたのでその手合いと思い込めば大したことないかもしれない。
でも、まだ見ぬ人というのはどんなもんなんだろうな。
望むなら、のほほんと付き合える人がいいなぁ。
兄ちゃんみたいな・・・・
ぐー・・・・