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多彩なスキルで安心ライフを満喫したいな  作者: こるり
はじまり
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4.誕生日で

 そんなこんなで訓練して畑仕事して授業して叫んでの日々を過ごしていった。

 まね、下地作りにはよかったんだろうけども、相変わらずアローンな日々である。

 ただ、人と関わるのはいろいろ考えていくとめんどいし、それ以上にぬくぬくと寝ていることはきもちいから、アローンも捨てたもんじゃないね。



 僕は布団とお友達ならそれでいいんだぁ。

 うふふのふ。



 で、なんのかんのとしてるうちに、さらっと二年弱が経った。

 僕はこれでもうそろそろ12歳になる。

 長いようで短い日々な気もするけど気にしなーい。


 あ、ちなみに12歳になるとこの世界では冒険者機構で登録が可能となるので参加希望者は街へ行ってギルドで登録を受理してもらいにいくことになっている。

 このご時勢、いつ魔物や魔族の襲来が来るかわかったものではないのでけっこう希望者は多かったりするそうな。

 じっちゃんの話からするとさらにけっこうな人気であるとかいってたし、立身出世を夢見る若者にはとても魅力的に写るんだとか。

 まぁ、ねぇ、そりゃねぇ、物語の英雄になれるんならそりゃなりたいやつもいるだろうけども、そんなのよくよく考えてみたらひとにぎりなわけじゃん。

 そもそも冒険者って戦闘集団の側面が強いから下手すれば死ぬ可能性があるじゃん。

 そう考えると腰が引けるなぁ。

 あと、任務依頼もめんどいしね。

 兵役なんぞはそれこそいやだ。

 っていってもこのところその兵役的なものはないからまぁ、なってもこの現状を保てるならばなってもいいかなぁ。

 道中移動とか便利になるし、護身用に持っていてもいいかもねぇ。


 まぁ、あのじじいにあれから一発も入れられない以上持つ必要はあるかもしれない。

 というか、本当に化物か、あのじっちゃんは。

 

 はぁ、それだけがどうにもならないことかな。

 それさえなんとかなれば、ハードな訓練とか多少なり緩くなってぐーたらできるのになぁ。

 

 そんな風にして、朝からいつものように狩りしてじっちゃんと訓練して畑仕事、ってところで道具を取りに納屋にいくときにリビングで訓練終わりにちょっと下にいってきていたじっちゃんがなんか難しい顔で椅子に腰掛けてテーブルに置いた手紙を見ていた。

 たまにじっちゃんにはいろんな手紙が来たりする。

 下に手紙を入れるポストがあるのでそこからとってきたのだろう。

 山の入口にあるのでけっこうな距離があり、その間魔物までいるのでじっちゃんが時間のあるときに軽く降りている。

 まぁ、僕が言ってもいいんだけどもそれだけはなぜかさせてはくれない。

 どうしてだろ?

 あと、手紙も大概は軽く読んだあとため息ついてからそれを火にかけて灰にして翌朝の洗剤の一部になっていたりする。

 内容はなんなのか聞いてみると

 「なぁに、いつもの仕官しないかとかいう話じゃよ。わしほどになるとどこも引く手あまたで面倒でなぁ」

 とか言っていた。

 手紙を読んだあと何度か村の方に行く用事があるとかで下に降りてくるとかでじっちゃんがなんかしに行くところを見たことはあるけどもその都度仕官に関しては断っているみたい。

 現にこの家にいるのがその証拠。

 この家まで誰かがきたことは一度もないので実際にそういう話があるのかは疑問だけども「王宮騎士をしていた」というのは聞いているからそういうこともあるんだろうなって思っている。

 ただ、思っていても「すげー」とか「かっこいい」とかは一言もいったことはない。

 いうのはなんか癪だし、あんだけぼこられりゃこのやろ、とか思ったりして言いはしないからね。

 

 にしてもあんなに険しい顔をするのは珍しいなぁ。

 確か以前見たのは僕が「食えるきのことってきたよぉ」っていってきて鬼ワライタケとベニテングダケと嘆きの白夢とかいうきのこをとってきてときに浮かべたときだったっけか?

 それぞれに笑い、腹痛、幻覚、あと副作用で中毒作用があったけかなぁ。

 いやぁ、あのあとの訓練は軽くお花畑を見たっけかなぁ。


 ・・・・・あんま、思い出さないでおこ。


 ようするに碌でもないことが起こる前触れってやつだね。

 むぅ、なんだろ?


 「おお、なにをそこでこっちをじっとみとるんじゃ?」

 

 あ、見つかってたか。

 まぁ、隠れる必要なんてないんだけどね。

 「じっちゃんどうしたの?」

 「ん?いや、ちょっとなぁ困ったことがおこったようなんでなぁ」

 と、手紙をすっともってそれをじっと見つめていた。

 あれ?いつもならそう言う系のものなら仕官についてのものだろうからすぐに燃やすかして捨てるのにどうしたんだろ?

 するとむくっと立ち上がり何やらしたくをし始めた。

 「じっちゃん?」

 「すまん、しばらくわしは外出することになった。まぁ、街までいくことになってしばらく戻ってこれんだろうが、なぁに、お前の誕生日までには戻ってこられるだろうし、それまでしっかり訓練しとくんじゃぞ。あと、授業内容は反復しておけ」

 「はぁ」 

 生返事だけ返しておく。

 なんか妙に慌ててるようだけど何があったんだろか?

 とはいえ、じっちゃんが約束を破るというのは想像できない。

 となれば、むぅ、僕の誕生日はあと10日。

 じっちゃんの言や行商人さんから買った地図とかを見て照らし合わせても往復で3日の行程である。

 ま、じっちゃんならさっさかいってさっさか帰ってくるはずだし、もっと早いかも。

 それに一週間もかかる案件なんてそうないだろうしね。

 「ん、わかった」

 そこではたと思った。

 これはだらだらのチャンスかも☆

 「ふむ、顔を見ればわかるが、宿題はしっかりみておくからの」

 「へーい」

 宿題って言っても以前からある書き取り用の計算用紙や単語録の復唱ようのものだろうからそれがきちんとやっているか否かを見ればわかるんだろうな。

 うし、なら、それは一日のうちにやっておこう。

 そして、あとは寝るだけ寝てやろう。

 そのあとの訓練は厳しくなる可能性はあるけども、そんなのはそのときに考えたらいいんだから。

 さて、羽をのばすぞぉ☆


 その日、晩御飯を食べ終わったあと、じっちゃんは出かけていった。

 きっちり復習と訓練は欠かさないように。ということと、畑の食料の収穫はしておくようにとのこと。

 まぁ、食料は確かにもうそろそろ収穫だしちゃちゃっとやっておこうとは思う。

 明日は大忙しかな。

 でもそれを乗り越えたらあとはぐーたらしまくり。

 いやぁ、楽しみ☆



 そして、次の日はどどどっと収穫を終えて勉強も終わらせて全力を出し切って御飯を食べて寝た次第。

 ちなみにご飯はだいぶ作れるようになってきた。

 家事スキルをゲットしているようなものだけど、これって慣れのものだしね。

 冒険者カードにそんなスキルあれば時短を覚えて楽できるものがあればいいんだけどねぇ。

 まぁ、そういうのはないかな。

 ほとんど戦闘スキルばかりな気がするけど、あったら欲しいところだね。


 で、その次の日からベッド周りに本やら水やら揚げいもや干し肉とかいろんなものを集めてごろごろしはじめた。

  

 いやぁ~極楽、極楽。



 そうしてその次の日もその次も、次も次も、のほほんとしていた。




 気がつけば、なんかあっという間に九日目。

 その間、ほんとうによく寝ていた。

 例の夢も見たり見なかったりだったけど、結局、細部がさらにはっきりして何をしていたかがよく覚えていられるようになったくらいで男の人のところで夢は終わってしまっていた。

 ただ、あの夢、ほんとうに何の意味があるんだろ?

 

 まぁ、いっか。

 でもとりあえず、ベッド周りの惨状は片付けないとげんこつ来るからなぁ。

 うん、まぁ、こんなに長いこといなかったことはそういえばなかったなぁ。


 むぅ、けっこう時間が経ってる。

 けども、明日は僕の誕生日だし、必ず帰ってくるよね。

 うん、僕なりにご馳走でも作ってまってよ。


 



 いっぱい作ってそしてちょっと飾り付けたりして、気がつけば夜になり、もう寝よって寝て。



 次の日になって外でぼやんと待っていて・・・・・





 その日も、僕のお誕生日の日もじっちゃんは帰ってこなかった。


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