2.狩りと訓練と
訓練は基本的に実戦形式で、2パターンあり、それは狩りとじっちゃんとのサシの勝負。。
狩りはこの辺の獣が標的である。
このあたりは魔物もいることから、人があまり近寄らないということでそれなりに地味豊かで動物も多い。家の周りをうろつくだけでけっこういろんな種類の動物が狩れたりする。
始めたのはいつだったかはっきりしたのは覚えていないけど、三歳くらいだったと思う。。
薄ぼんやりした記憶ではあるがそのくらいからしていたはず。
というか、じっちゃんがそういってたから間違いはあるまい。
そのときは兎を一匹狩ることから始めたけども・・・
ウサギってすばしっこいし、とにかく捕まえるのが大変だったなぁ。
始めのうちはじっちゃんが手伝ってくれて、一年したら自分でなんとかなるようになった。
仕留めたあとはもちろん解体して肉にしておいしくいただくけどね。
無論、仕留めないとその日のごはんは野菜オンリーの寂しいものになる。仕留めたら仕留めたものがご飯にのるルールで、なければ無論肉はなしということなんだけども・・・・
それよりもむかつくのは捕まえられなかった日に僕は野菜オンリーかつちょっとグレード落としたご飯に対して、じっちゃんは鹿なり猪なり肉にして鍋やらステーキやらにして見せつけるようにして食っていた。
だらだらよだれを流してうらやましくみてるとさもうまそうに肉をくうじじい・・・・
軽く殺意が湧いたもんだ。
付け加えるならくれといったことがあったけども
「ほれ、あげるぞい」
と、ひょいと肉を掴んだ箸をおれが取れないところまであげて目の前で食っちまう。
うん、あの瞬間、じじいに一発くれてやろうとかいろいろ考えた。
けど、じっちゃんにはかなわないのはわかりきっていたからあのときはおとなしくしていて、次の日から狩りに関してはまじめに取り組むようになった。
まぁ、それ以降、家の周りであれど、気配を消しつついってどうにかそこそこ獲物もとれるようになったのでよかった。ただ、問題は魔物である。
確か、このあたりの魔物はゴブリンやコボルトといった亜人種とうさぎが魔物化した角があるスモールラビットくらいか。
出会うのは極々稀だし、魔物の中でも弱いとされてるけど、見かけたら一目散に戦わずに逃げるようにしている。
だって、相手は武器なりなんなりもってるんだよ。
こっちは丸腰っていうわけではないけども、子供が叶うような相手ではないよ。
そのときは急いで帰ってじっちゃんに知らせて追い払ってもらうようにしてる。
うん、このときばかりはじっちゃんは「お前いけ」とは言わずに、追い払ってくれるからちょっと助かるね。
で、あと訓練としてじっちゃんとの実戦でのものだが・・・
多分、これが一番死にかけるものではなかろうか?
始めの頃は木剣を使っていたけども最近は刃引きした剣を使っている。
ようは鉄の棒での殴り合いみたいなものだ。
で、じっちゃんの体躯があのとおりの鬼剣士なものだから・・・・
ねぇ、僕って、魔物よりもよほどやばいものと対峙してんじゃないの?
魔物を追い払えるくらいなんだから。
まぁ、そんな訓練を毎日こなさせられていて、どうサボるかが目下検証中である。
上達?
じじいを殴れればもうそれで十分だけども。
魔物は、まぁ、じっちゃんを殴れれば、とりあえずなんとかなるだろう。
でも、じっちゃんには一発もあたらないもんだから、まぁ、多少は上達はしたほうがいいんだろうけども・・・・
そのあとは畑仕事して、授業して寝る。これが基本である。
ただ、まぁ、収穫後はその畑仕事がなくなるもんだから訓練がその分長くなるから・・・・・
「まだまだぁ!」
「うげふっ」
「おらぁ!!」
「うごふっ」
「そんな動きじゃ、生ぬるい!」
「どげふっ」
「どしたどしたぁ!!!」
「うごげふっ!」
うん、これで死なないんだから人間頑丈なもんだな。
そんな一日であった。
いや、こんな一日は早々に終わって寝られるようにしてほしい。
「どげごぼふっ!」
「さぁ、まだまだぁ」
「ちょ、やすませてぇ~~~」
「じゃかましぃ!」
「(ゴン)うきゅ~~~・・・・」
せめていつもの日常の方がましだぁ!