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高速に挑む君へ -SoulCHANGE-  作者: ヒレカツ定食
第二章
8/10

07.《魂交換》B

二ヶ月経ってますが、再び書きました!

時間が経つと、いろいろ手直しをしたくなりますね……。

という訳で、既に書いてあった話も色々と推敲しました。

 二人の間に、しばらくの沈黙が訪れる。

「…………そうか」

 何かを決心した様子の彼は、深い悲しみを含んだ声で一言そう呟く。

「……ええ」

 私はどう応えていいかわからず、彼と同じように一言だけ返事をする。

「……あいつは殺されたのか? それとも、何か事情が?」

 彼の表情は今も暗いままだが、なるべく冷静であろうとしているのか、落ち着いた声だった。

「……彼女は何も悪くないわ。たまたま、運が悪かっただけよ」

「……たまたま? どういう事だ?」

 状況が理解できないのだろう。彼からは説明しろという意思が伝わってくる。

「もちろん説明はする。でもその前にどこかに掛けましょう。長くなると思うし、立ち話は辛いわ」

 彼はやや呆気にとられた様子を見せたが、近くにあった診察用の安っぽい椅子に腰掛ける。

 私も同様に、保険医用に用意されていた安物の椅子に腰掛ける。

 そして大きく深呼吸をしてから、私は説明を始める。

「まず、私はこの時代の人間じゃない。あなた達よりも、ずっと昔の時代の人間なの。そして、ある方法を使って、この現代まで生き続けている」

 突拍子もない上に、あまりに簡潔すぎた説明に、ずっと曇ったままだった彼の表情が崩れる。

 ……さすがに説明が簡単すぎたか。今までにも自分の正体を明かした事は何度かあるが、この話を聞いた人間は、大体同じような反応をする。

「なんだそりゃ? 昔の時代って……、ある方法っていうのは何なんだ?」

「私は《魂交換》と呼んでいるわ」

「……《魂交換》?」

「ええ。この彼女の《影》の能力と同じように、私には生まれつきある特異能力があってね。一つは、自分の死期が分かるというもの、そしてもう一つは……他者と自分の精神を強制的に交換するという能力よ」

「……」

「死期が分かると言っても、正確に何年の何月何日に死ぬ、というのが分かるのではなくて、なんていうか、予兆や勘みたいなものかしらね。もっとわかりやすく言えば、嫌な予感、という感じかしら。その嫌な予感を感じると同時に、死ぬ直前の光景が浮かび上がってくるのよ。死ぬ時の決定的な瞬間まではわからないのだけれど、まあ、死ぬ前の状況がわかれば、死期もある程度の察しがつくわ」

「……それで?」

 続きは?と彼が視線で訴えかけてくる。

「……それで、もう一つの能力、他者と自分の精神を交換する、というのは、これは言葉の通りね。自分と他人の精神を交換するのよ。人間相手にしか通じないけれど、大体どんな相手にも乗り移る事ができるわ」

「その交換対象に選ばれた相手の精神はどうなる?」

「……私の精神がその相手の身体に宿る代わりに、相手の精神はその時に私が使っていた身体に宿る事になるわ」

 少しの沈黙の後、彼は口を開く。

「……なら、あいつは今」

 そしてそれを遮る形で、私は事実を告げる。

「私には死期を悟る能力があるのよ。この子に《魂交換》をする前に使っていた身体は…………既に死んでいるわ」



例によって、次回更新は不定期で!

ていうか、一話の出来が一番悪い……。

いつか丸々書き直したいと思いつつ、めんどくさくてやってないという!

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