表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/35

エピローグ

帰宅した翼は色々家事をしつつ、ぼんやり考える。

「お兄ちゃん、まこともなんかする」

「ん、じゃあ洗濯機回してきてくれ」

「わかった!!」

バスルームに真は走っていく。

「あっ、洗剤は半分だからな!」

「わかってるー!」

一ヶ月前、真がいなかった時期だ。色々あった。

刺されて入院したり、不良に絡まれたり、透を匿ったり、透を助けにいったり。

逆に真がいなくてよかったと思う。真がいたらまず刺されてる時点でそれどころではない。

ちなみに刺された当時の記憶は未だに戻っていない。結局、あのときに部屋を燃やした男は翼と雨崎を刺した犯人で、退院と同時に捕まったと神宮に聞いた。まあ、そこまでわかってれば別に記憶か戻らなくてもいいかなと、翼は思っていた。

「うわあああ!おにーちゃーんー!!!」

「なんだ!どうした!?」

真の叫び声。バスルームに行くと、真と床が泡まみれになっていた。洗濯槽からモコモコと泡が吹き出ている。

「……洗剤は半分って、言ったよな?」

「……ごめんなさい、こぼしちゃったの……」

「どうやったらこんなになるんだ……真、しょんぼりしてる暇があったらここどうにかするぞ」

「……うん」

二人で手分けして泡を掃除した。床がきれいになる頃には二人はびしょびしょになっていた。

「……ついでだし、風呂入っちゃうか」

「うん!」


うっかりしていた。二人で風呂ということは胸の傷がばれる。

「あれ?お兄ちゃん、こんなとこにキズあったっけ?」

ばれた。

「えっ?あー、真がいない間になー」

「いたくないの?」

「うん、全然」

「そうなの?それならいいけど……」

真はそれ以上気にするでもなく、シャンプーハットをかぶり、シャンプーし始めた。翼は湯船に浸かってその様子を眺めている。

怪我したことは確かだ。傷も残ってる。でも、そのときの記憶はない。あったところでどうということもないし、なくてもいい。

もしかしたら、なかったからこそ透と出会ったのかもしれないし、もし記憶があったら雨崎と会う必要もないので、その繋がりは生まれなかった。

「……スゲーな、運命だな」

「なにが?」

「透さんと友達になったことだよ」

「お兄ちゃん、とおるお兄さんと何でお友だちになったの?」

「風呂から出たら教えてやるよ」


現実ではあまり起こらないであろう出会い方をした。でも、あの日、あの時間に翼があそこを歩いていなければ起こらない出会いだ。

関わらないはずの運命がちょっとした出来事で繋がっていく。

この出会いを、繋がりを大切にしたい。

少しずつ変わっていく環境のなかで、新しく生まれた関わりを嬉しく思いながら、翼は真に透との出会いを話すのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ