透に迫る危機、追いかける4人
「みちる!今のうちに警察に連絡!おじさんでいいから!!」
「う、う、うん!」
4人は透を追いかけ、走る。走りながら、みちるは父親に電話を掛けた。
「あっ!お!お父さん!透さんが大変なの!たくさんの人に追いかけられてて!」
「やばい!取り囲まれてるぞ!」
「あの人数はやばい!さすがの透さんでも無理だ!」
匠は透の戦っている姿を直に見ていた。それでも勝機が無いと思うほどに、敵の人数が多かった。
「とりあえず!追い付け!」
4人はさらに走る。
だが、戦況は最悪だった。何人かの男が気を失っているらしい透を担ぎ、黒塗りのワゴン車に乗り込んでいく。
「お父さん!透さん誘拐されちゃう!!」
「みちる!車のナンバー覚えたから!替わりなさい!」
よしみがみちるの携帯を奪い取り、車のナンバーを秋山に伝える。
「あっ!タクシー!!」
匠が急いでタクシーを止める。
「急いで!あの黒塗りのワゴン車!追ってください!!!」
4人はタクシーに乗り込み、車を追った。
透はすぐに目を覚ました。手足を縛られ、暗く狭いところに閉じこめられている。
(やっちゃったな……みんなは……追いかけてきてないだろうか……)
とにかくあの4人が心配だった。見られてはいたと思う。彼らは追いかけてきそうな気がする。だが、それでは単独行動の意味がない。
色々考えているうちに急に視界が開けた。
「出ろ」
「無理に決まってるだろう?手足を縛られてるんだ。何もできないじゃないか」
透は目の前の男を睨み付けた。少しうろたえた辺り、したっぱの方だろう。
「出てほしいんだろ?だったらどうにかしろよ」
男は舌打ちしながら、透を転がり落とした。
どうやら車のトランクの中に入れられていたらしい。手足を縛られているため、顔面で着地した。
落ちた顔の真横には誰かの足。
「……ディスクはどこだ」
そいつは言う。透は黙ったままそいつを睨んだ。
透は顔面を蹴られた、だが、それでも口を割ろうとはしない。
「……少し痛め付けて吐かせろ。殺すなよ?ディスクの場所が最優先だ」
そいつは透に背を向け、部下に指示を出した。そして待機させておいたスモークガラスの車で帰っていった。
部下は身動きのとれない透を蹴る。
「ディスクをどこにやった!さっさと吐け!さもないと……」
「さもないと何?僕を殺す?いいよ、殺せばいい。その代わり、お前たちの探しているものは一生見つからない。……まあ、何があっても僕は絶対に喋らないけど」
「くっ……」
部下は言い返せなくなり、透を蹴る脚が一瞬止まる。
その隙に、落ちていた金属片でロープを切り、そのロープで部下の足を掛けて転ばせた。
「くっ……!西屋ァ!!」
「お前たちに、あれを渡すわけにはいかないんだよ」
透は静かにそういうと部下の首に腕を回した。数秒の間に部下を落とす。気を失っている間に手足をロープで縛ると、透は急いでその場を後にした。
透を逃がしてしまった部下はすぐに意識を取り戻した。透と同じようにロープを切ると、どこかに連絡をいれた。
「すいません……!また……!」
開いての言葉を聞いて、部下はどんどん青ざめていく。
通話は途絶え、部下は力なくうなだれる。手に持つ携帯が不自然に光を放っていた……。




