表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

 今から三十年ほど前の○月△日、沖縄のサトウキビ畑が広がる中、その一角に一つの病院が建っていた。たいして大きくもない小さな病院だ。


 夏に入りかけの春、他の県では過ごしやすい季節だというのに、この小さな孤島は三十℃~四十℃近くという異常な猛暑が続いていた。そのくせ、ぼちぼち台風が来るわ、家の屋根が飛ぶわで災害という名の大自然は島に住む人々に容赦なく追い打ちをかけてきている。

 これではいつ脱水症状や熱射病で衰弱して死人が出てもおかしくない。

 だが、それがどうしたと言わんばかりに、その病院から子供たちの声が、歓声が、驚きの声が聞こえてきた。よく聞くと大人たちの声まで聞こえてくる。

 その当時は今ほど空調設備が整っていないので外ほどではないが、やはり暑い。全く、皆元気なものだ。


 その病院の一室には学生服を着た青年が子供たちに囲まれながら魔法を操っていた。

 何もない所からお金を出したり、かと思えば消えてしまったり、瞬間移動を体現したりと多種多様なものだ。

 足元に座る子供たちは、それを見るたびに「スゲー!」だとか「お兄ちゃんすご~い!どうやったの!?」と口々に騒いでいた。それを看護婦は苦笑いしながらも、もう少し静かにしようねと注意するが、少年少女たちにとってそれは最早、馬の耳に念仏であった。

 ただ青年は苦笑いしながら注意を促した看護婦に申し訳ないという意味を込めて軽く会釈するのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ