第1スレめ 3
「お姉ちゃん…」
「なに?まだなにか用?」
「…なんでもない」
水癒はそう言うとリビングへと歩いて行った。
「なによ、もう」
言いたいこと言えばいいのに。
部屋に戻ってパソコンを起動させ、またチャットを始めた。これが今に至るまであたしの繰り返してきた生活だ。
しかし瑠璃に会ってから此処数日は、外に出るようになった。あたしらしくない、と思いつつも久々の外の世界に少しだけ嬉しさを感じていた。
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ガーネットさんが入室しました
サファイア:こんばんは、ガーネット
ガーネット:こんばんは、サファイア^^
ラピスラズリ:こんばんはー☆
ガーネット:ラズリ、こんばんはー
サファイア:ガーネットは普段なにをしているの?僕はここにくるのはもちろんだけれど仕事をしているよ
ガーネット:あたしはここに来る以外は部屋にいてネットをしているくらいかな。ラズリは?
ラピスラズリ:私もガーネットと同じだよ~。けど、服を買いに行くかな。
ガーネット:そうなんだ、ラズリっておしゃれね。ねぇ、みんな家族は?
サファイア:僕は妹と二人暮らしだよ、父と母は海外にいるからめったに帰ってこないんだ。
ラピスラズリ:私は父と姉と三人で暮らしてるよ。母はいないの。ガーネットは?
ガーネット:あたしは父と母と年の離れた妹がいるわ。でも全然話してない…嫌いなの
サファイア:どうして?
ガーネット:上辺だけの優しさだもの、だから…嫌い
――――――
あたしがそう書いたのが気まずかったのか、いつの間にかラピスラズリは居なくなっていた。きっとサファイアにも嫌われた。こんな暗い内容しか書き込めないなんてショックを受けさせてしまったに違いない。
あたしがパソコンを閉じようとしたその時だった。
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サファイア:優しさに上辺なんてないよ、ガーネット!君の家族は君を嫌いなんじゃない…君に接したいんだ
ガーネット:どうしてそこまであたしのことを…?他人なんだから普通なら見捨てたっていいのに
サファイア:君のことをほっとけないんだ…よかったら僕のところに連絡をして?話をしよう?
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サファイアは連絡先を書き込んでくれていた。急いでメモをするとあたしはありがとうと書き込んだ。