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そんなくだらない世界の冒険談  作者: くらりん
6/7

ダンジョンその1!

「さてと、どうすっかね~」

「ほんとだね~。もうクモルの借金どころかボロアパートの家賃も払えなくなってきてるね~」

「ね~」

「ね~。ではない二人とも。事情を何も知らずに入ってえらいこと言えないのは重々承知している。だがしかし。これは、何というか、ダメだろ」

「そうだねエリナちゃん。どうしたらいいと思う?」

俺がこういうと、怒った口調でエリナちゃんが

「どうもこうもあるか!さっさと割と高めの依頼を受けるしかないだろう?」

と言ってきた。うんわかる。わかるよ。でも、

「いやそれがね、違うんだよ。セツナさん説明してあげて」

「りょーかい」

と気のない返事をすると、説明を始めた。

「エリナ、あなた私たちを助けたでしょ?」

「あぁ、そうだな」

「違和感持たなかった?普通あんな雑魚に冒険者が負けるはずはないって」

「確かにな。でも、レベルを高くする。もしくは装備さえ揃えば…あっ」

「そう!ちょっとした装備さえ買うことは出来ない。何故なら剣も買えないから!しかも、それのせいでレベルも上がらない!」

とぐるぐる回りながら悲惨そうにいうセツナさん。

そう、これが問題なのだ。悪魔とかには特攻がある俺たち2人。しかし前行った時気づいた。普通の魔物には弱い。と

「じゃ、じゃあ負のループから抜け出せない…のか?」

「「その通り」」

「な、なんというパーティに入ってしまったんだ」

あ、ひどいこと言いやがったこいつ。

「おい、それは禁句だぞ」

「そうそう、追い出すよ?」

「わぁぁあ。ごめんなさい。謝るから許してぇぇ」

セ、セツナさん。真顔でなんて怖いことを!

「まあ冗談はともかく、ほんとやばいもんな」

依頼書なんて高くて200ユラ。あのキンググレムリン討伐が異常だったんだ。

「どうしたもんかねぇ」

「というかお前らキングレムリンとやらの討伐で成果を出したのではないのか?風の噂で聞いたぞ」

「それならちゃんと出したよ」

「でもねぇ~、出したはいいけど私たちって悪魔とかそこらにしか魔法効かないのよ。あと、クモルは多分マナを多く持ってたり生命力が低いとかのモンスターに強いの。いわゆる魔物ってやつね。で、できる依頼が限定されちゃうの」

「でも、エリナちゃんが入ってきたから平気そうだ」

「いやぁ、それほどでも…はっ。いや、そんなことより、なんであんな以来を受けたんだ?」

セツナさんの後ろ姿がぎくりとなったので、面白そうだし追い打ちをかけてみる。

「あれぇ?なんでだっけ。そういえば、俺最初のほう大丈夫か聞いたよね~」

汗が増えてる。動揺してるな。

「あれぇ?なんでだっけ~。セツナ、わかんな~い…あいたっ」

「何言ってやがる。かわい子ぶっても無駄だぞ。最初に、あんたが、簡単だって言ったからだろうがぁ!」

「ごめんなさい!脇腹つねるのをやめて。地味に痛いのぉ」

「まったく。お前らは何をやってるんだ。もうその話はいいからさっさと行くぞ」

「「はーい」」

それで掲示板に来たわけだが…

「いや、無理だろ…」

恒例のサンドワーム討伐、ダブルヘッドラゴンの調査、マンドラゴラ(移動式)の回収

「難易度少し言いのないのか良いのないのか?」

「これ以上下げると金がなぁ」

「「んん~」」

「あっ、これいいんじゃない?」

「嫌な予感しかないよセツナさん」

「失礼ね。今回はちゃんとしてるって」

と、うっきうきで持ってきたのは

「ダンジョン攻略依頼書、中のお宝は見つけたら各々で持ち帰ってよし。か」

ダンジョンか異世界感半端ない。これは、ぜひとも入ってみたいものだ。

「いいんじゃないか?」

「でしょでしょ」

「では、たぶん二人は知らないだろうから我が案内を…」

「いや、私この国では有名な冒険者だったんだけど。だから、わかるから大丈夫。あれ?しらない?」

「え?…そういえば、この国にすごい光属性のセツナという冒険者がいると聞いたことがあったが。いや、よそから来た我だから、顔は知らなかったんだが、え?まじで?」

「まじです」

「いや、あの、初対面ですごいポンコツそうだったから…」

「うわぁぁ。エリナがひどいこと言ったぁぁぁ」

「よしよし泣かないで。それとお前それは言い過ぎだぞ。いくら弱いったってそれなりの言い方があるだろ」

俺によしよしされながらセツナさんも、そうだそうだ。と言っている。かっこつかねえよセツナさん。

「いや、でも」

「もう、でもじゃないでしょ。ひどいこと言ったら謝るの!」

「でも、最初の時…」

「まあまあ、2人とも落ち着いて。とりあえず各自荷物まとめて、決まったならさっさと行くぞ」

そして俺は、走って荷物をまとめに行った。

「「待って話は終わってな…あ、逃げた!」

めんどくさい討論に付き合ってられっか!


約30分後

準備が全員終わったギルドにて

「クモル?どうして逃げたのかなぁ」

「ああ、しっかりとまた話し合わないとな」

「いや、討論に時間がかかりそうだったから、俺は早めに準備しようと思って」

「まったく、ほとんど終わっていたではないか」

「そーだよ。ちょっとまとめるのが面倒くさかっただけでしょ」

ぐっ合ってる。まずい歪み合ってた2人の敵意が俺に…逃げよう。そしたら途中のいざこざで説教コースは免れるはず、いまだ!

「どーでもいいだろ!さっさとダンジョン行くぞ」

「ちょっと。もう、それはそうとダンジョンの場所知ってるのぉー!」

「そうだな。お前あの後いなかったから、受付から地図もらってないだろ」

え、何それ。知らない。どうしよう、完全に俺立場下確定演出だ。

…俺が土下座をするまでそう時間はかからなかった。


またまた1時間後ダンジョン前にて

「なぁ、そろそろ口きいてくれ。俺が悪かったからさ」

「「…」」

まだ怒ってる。ん?なんだ?ジェスチャーか。手で仰いで、お金の…あ、なんか見返り用意しろと。

「分かった。俺が今度飯作るよ。NIHONRYOURIのやつな」

「よし、クモル。それでいいんだよ」

「なあ、NIHONRYOURIってなんだ?」

「俺の故郷のりょうりだよ」

「しかもすごくおいしいの」

「なるほど。それは是非とも食してみたい。機嫌を直してやろう」

「よかった。で、ここから何すればいいんだってっけ」

「えーと、ダンジョンは基本的に罠が多くて、風魔法の使い手。それもペルスティクティブっていう、これまた上級の魔法が使える人がいないとダンジョン攻略が難しいの。だからとりあえず最初は使える人を探して1日雇うの」

「まて、じゃあなんで町にいるときしなかったの?」

「それはねぇ」

とセツナさんが行った時、エリナちゃんがかっこよく言った。

「我の言葉を忘れてはいないか?最初に言っただろう。我は炎と風を操るもの。と」

ま、まさか!

「使えるのか?その、ぺすくなんちゃら」

「あぁ、使えるぞ。おぬしの服も透けて見えるわ!」

「きゃーー。この変態!」

俺は急いで股間を隠した。

「おぬしがそれやったとしてただただ痛いだけだぞ」

「うん、そうだね。」

「うるさいっ」

二人とも冷めた目してやがるぜ畜生。いや待てよ。

「それって、発動しただけでぇ、大体透けて見えちゃうの?」

「大体はあってる。実際は意識したら見えるようになるだけだ。例えば、埋まってる罠を見ようと思えばぼんやりと見えてくる。さっきはふざけただけだが、まあ、大体は見えるな」

なるほど、実にけしからん。あとで教えてもらう必要があるな。

「何を考えてるか大体わかるが、風魔法適性がないと10年は習得に時間がかかるな。残念だったな」

「くっ」

そうだった。魔法適正によって習得時間が変わるんだった。特化が一番上ですぐもしくは作り出すのがイメージ通りに行く。でも1番下の不適合者というものが1番遅く、イメージが何故か定着しないらしい。

「お前確か闇以外不適合だろ?残念だったななら30年いや40はかかるかもな。ふはははは、いた、耳引っ張らないで!痛い!」

むかついてきたからちょっと強く引っ張ってやった。

「ごめ、ちょ、いたたたた。セツナ助けて」

「今のはエリナのおいたが過ぎてたね。反省しな」

「そんな〜、あだっっ」

ここで話すと痛いんだよな。

「まあいい。つまりお前がいるから雇う必要も探す必要も無いんだな」

それを聞くとセツナさんが“そういうこと”と相槌を打った。

「入るのには何もいらないんだよな?」

「そうだね、普通は武器とかがいるけど、」

「その点、大体のダンジョン主がアンデットや悪魔の上位種だからな。お前らには向いているだろう」

「確かにな」

「ダンジョンでは一応死人や重症を負う人がいるから気をつけて行くよ」

「じゃ、ダンジョン探検スタートと行きますか!」

「「おぉー!」」

と、セツナさんとエリナちゃんが勢いよく言った。気合い十分。俺も初めてだから緊張より楽しみが勝っている。だってこの建物ゲームで見たまんま、でかい扉がある。宝箱とかもあるらしい。超楽しそう!

 よし、この扉を開けてスタートだ!

ギィィィと扉を開けて最初に現れたのは、

「階段か。うわー先見えねぇな。あ、エリナちゃん。松明みたいなの魔法で出せる?」

そういうと、エリナちゃんが苦いものを食べたような顔で

「おすすめはしないぞ」

と返してきた。

「え?だって火操れるんでしょ?」

と聞くと、エリナちゃんがガクブルと震えながらトラウマを語った。

「前それで狭い空間について、一酸化炭素中毒で、倒れてモンスターに囲まれたことが…」

よし、やめよう。キャンプで俺もそうなりそうになって苦しかったんだ。

「じゃ、じゃあセツナさんは何かある?」

すると、ドヤ顔で

「あるに決まってるでしょ。私光魔法得意なんだけど」

そうだった。光じゃんこの人

「ちなみにどんな効果?」

「照らせるし周囲の人の攻撃力上がる」

何それすごい。

「どのくらい照らせるの?」

「ざっと3くらい?」

「3時間かそりゃすごい」

と褒めると、

「いや3分」

3分…短!

「え?どうやってダンジョン攻略してたの?」

「自身にバフ付けるのってそんなに難しく無いんだよ。夜とかすごい楽だよ、目に光の魔法かけるの」

なるほどセツナさんは自分でかけれるし、エリナちゃんはペルスティクティブで見えるわけだ。俺は?

「一般人はどうやって暗闇を進むのでしょうか?」

「というあなたに、この暗視のマジックスクロールを買ってきたのです。どう、有能でしょ!」

「それはいいじゃないか。どうやって使うの?」

するとエリナちゃんは得意げに説明してきた。

「知らないのか。ならば教えてやろう。これは使用者が開けて中身を読めば、この前に書いてある通りの魔法がかかるのだ」

へーなるほど。

「…暗くて見えないんだけど」

「じゃあ照らすよ!3分で読み終えてね」

「ちょ、早いもうちょっと心の準備をー」

「えーい“イルミネート!”」

ピカっと周りが光って周りの様子が見えるようになった。これなら読めそうだ。

えっと

ーこれを読んだ者。おめでとう暗視の能力が身についた!一度暗闇を抜けるともうこの能力は終わってしまうが、ダンジョンなどの暗闇を抜けるまではこの効果は続くー

と日本語で書いてあった。

異世界感!異世界感が台無しだ!この世界きてから元いた世界の言語しか聞いてねーよ。いや助かるけどさ、もうちょっと謎解き要素をだな。

みたいなことを考えているとセツナさんが心配そうに顔を近づけて言った。

「大丈夫?情報多少摂取で吐きそうになった?顔色悪いよ?大丈夫よくあることだから」

「そうなんだ。いや、大丈夫。それよりこれ高そうだけど大丈夫だった?」

この言葉を聞くと二人とも目を背けた。

「セツナさん、エリナちゃん。もしかして借金したのか?このダンジョンとためだけに」

「「ちがうの。ちょっと待ってほしい」」

ほう2人声をそろってどうしたというのか。

「え、まじで?何ユラくらい?」

「1000とかだっけ?ねえエリナちゃん」

「あ、ああそうだな。もちろんパーティー全体の借金だから、1人ずつの負担はすくないから大丈夫だと思うぞ?」

「こんの馬鹿たれ共があぁぁ!え、なに?このダンジョンのためだけに?借金までしたってのか?」

「だ、大丈夫だって。ほら、ここまだ私たちが1番最初に入るらしいの!」

「そ、そう。だからまだ探索されてないから、お宝期待値が高いから多分がっぽがぽだぞ?」

「ハイリスクハイリターンってギャンブラーかよお前ら。本当今日このダンジョンでお宝見つけなきゃこのパーティ終わるぞ。借金で!ほらさっさと行くぞ!」

「「は、はいぃ」」

まずいまずい。本当に倒産しちゃう。俺たちは走って階段を駆け降りて行った。

「っと、広いな」

しばらく下っていったところ、広い通路のような場所に出た。

「気をつけてね。ここからはいろんな魔獣だのモンスターだの出るから」

「おぉ怖っ。でもダンジョンは悪魔とかが多いんだよな。なんでなんだ?」

と聞くと待ってましたと言わんばかりに。

「それは我が説明しよう。上の世界ではマナの量が少なくそんなに大気マナ量は多くないんだ。しかし地中に行けば行くほどマナはどんどん濃くなって行く。すると、何故かこの世ではないマナ濃度が濃い魔界に繋がってしまうんだ。だから魔王はこの世で1番深いダンジョンにいる」

な、なるほど。

「つまり下に行けば行くほど強い魔物がいるんだな」

「いや?ただ魔界に繋がると言っただけだ血気盛んな悪魔やモンスターは稀に地上や浅いところに出現したりする」

「何それ怖ぁーい」

「ま、私たちのレベルだとそうでもない敵かもしれないけどね。未発見だったダンジョンだから何も分からないけどね」

「え、本当に大丈夫なのか?」

「多分きっと大丈夫だよ」

多分とかきっととか不安しかねぇよ。

まずい帰りたくなってきた。いや、借金返済のため、やらなきゃ行けない。あれ?なんでこいつらはなんで冒ライを借金無しでもできたのか?参考までに聞いておかねば。金稼ぎのヒントになるかもしれん。

「なあ、そういえばなんで2人は借金無しで冒ライ登録できたんだ?」

尋ねてみたら即答で。

「「親の金」」

と帰ってきた。ヒント、崩れ去る。

「ねー、そうだよね」

「ああ、これしかあり得んだろ。冒険者の親は冒険者だ。貯金は色々あるもんな」

ちくしょう何楽しそうに話してやがるんだ。こっちは真剣なのに。

「はあ、とりあえずさっさと行くぞ」

「はーい!」

「了解した」


しばらく歩いていると

ぽよん、ぽよん。と前方から何かの音が聞こえた。

「気を付けろ何か来るぞ!」

俺は全力で攻撃態勢をとると、ぷくく、と笑い声が聞こえた。

「ねえ見た?この音でなにかくるぞ!だって」

「ああ、傑作、傑作だな」

こいつら、ぶっとばしてやりたい。

「なあ、そんな笑うことないだろ?」

「いや、だって、スライムよスライム」

「そうそう、この音じゃ、そんな…けい、かい…は…」

だんだんエリナちゃんの声が小さくなって、固まった。セツナさんもだ。

「おいどうしたんだ?二人とも固まっちゃって。まさかスライムじゃないなんかやばい奴だったのか?」と、後ろを振り返って、そこにいたのは?

「なんだこの、まっぴんくなスライムは。雑魚そうじゃないか」

「いや、これはただのスライムじゃない」

「そう、こいつは…」

「「服の繊維だけを溶かすスライム!」」

そう言うと二人は俺の後ろに隠れた。

ほう、なるほど。

「ごめんね、クモル。ちょっとここは頼めるかな」

「ああ、パーティは助け合いだしな。相手にできないときはできるやつがやるって決まりが…」

それは助け合いとは言わねーよ。そんな決まりはないだろ。

とはいえ、こんなおいしい展開になるとは。こんな時に言う言葉はただ一つ。

「俺、すらいむとかぁ、初めて戦うからぁ、わっかんなーい」

「「わぁぁあ、クモルのばかやろぉぉ」」

俺のこと笑ったお前らが悪い。今退くぞス!さあ!存分にやれ!

「ふははは」

「最低!この男最低だ!」

「ちょっ、飛びついてき…た、ぞ?」

なんということでしょう。このスライム、ヘイトが一番前だからって俺に向かって飛んで来ました。

「うわぁぁぬるぬるしてる!やだぁぁ。ちょっと、シューってしてるどうやってとるの?ねぇ」

おい、真顔でこっち見るのをやめろ。

ん?なんかこいつ割れてきた?

そう思った瞬間、こいつ、3分裂した!

そして傍観者約二名にも飛び移った!

「きゃぁぁ!こっちにも来た!溶けてきてるー!」

「ぬわぁぁ、ち、近づくなどうなっても知らんぞ!わぁぁあこっちきたぁぁ」

「いい気味だ散々俺のことを笑いやがって」

「ごめんなさい、ごめんなさい!助けてぇぇ」

「わぁあシューシューしてきたぁ。ちょ、こっちも助けてぇ」

「どうしたらいいか分かんねえからこうなってるんだろうが!」

「スライムは真ん中らへんに核があるの!それはマナの塊みたいなものだから残撃で壊れるはず!核が壊れたらたいていの魔物は消えて自分の経験値になってレベルが上がる!はい、説明した!はやく、早く助けてぇーー!」

超早口な説明が終わった。あ、ほんとだ丸いものがあるあれが核か。

俺は驚くほど冷静だった。それのおかげか何だか知らないが、動きがすごく遅い気がする。

「それ、残撃。ほんとだね~消えたよぉ。お、どれどれ冒ライを確認。すごいレベルが2上がってるじゃないか」

俺がこう呟くと、

「ちょっとぉぉ、早くー助けてー!」

「あ、あたしも、そろそろろ1枚目が溶けきって、ぁぁあああ」

「なあ、もうちょっと観察したいんだけどだめかな」

「そんなにみたいなら、私は別に…」

「いいわけないだろ。早くしてくれー!」

「っは、そうね、いくらクモルでも流石に…」

ちっエリナちゃんめ余計なことを!

「はいはい、残撃残撃」

シューと、スライムは消失した。

身動き取れてなかったからもうちょっと楽しんでもよかったかもしれない。

とてつもない後悔が押し寄せてきた。

いや、うつつを抜かしている余裕はない。

「はああぁ、さて、先に進みますか」

「「…」」

「進みますか!」

「「おー」」

ものすごい棒読みだなお前ら。

いや、俺が悪いな猛省しよう。

「ごめんごめん。こっから頑張るからさ。俺も本気出すって」

「本気出したとして、その本気をなにに使うんだろうね、エリナ」

「その本気とやらは碌でもないことに使うんだろうな」

く、俺の評価が、俺の評価が落ちて行く。

「本当悪かったって、ちゃんとダンジョンのために使う。それで借金を無くすのに全力を使います。どうか許して下さい」

「言ったからね、私の脳にしっかり記憶したよ」

「我もしっかり聞いたからな。もしだめだったら風魔法を打ち込むぞ」

「き、肝に銘じます」

うちの女性陣ちょーこえーよ。

誰か俺を守ってくれよ。お前らの役目だろ。俺を守るのはよぉ。

「お、階段だ」

もうこのフロアは終わりか。早いな。

「じゃあここら辺を探れば…ほら出てきた」

セツナさんが階段の近くを漁っていたところ、カチッと音がして隠し扉的なものが開いた。

「まだ1階だからなそんなにいいものは期待するなよ」

エリナちゃんは何を言っているのか。そう思った瞬間、部屋にあった宝箱を見つけた。

「あ、たからば…」

と、うっきうきで宝箱を開けようと触ると。

「「あ、ミミック」」

と後方で聞こえた。なにぃ!

「え、ミミック?宝箱じゃなくて?」

「あ、触っちゃった」

「触ったな」

「え?噓何が起きるんだ!」

ぽわぽわーと不思議な音がして、この宝箱が変形した。まずいこの展開は食われるやつだ。

あーまたやったよ。これで異世界ライフも終わりかー。あれ?襲ってこない。

目をそーっと開けるとそこにはー

「き、金髪美少女…?」

「ライトニングスマッシュ」

シュー。…金髪美少女が消えた。

「あああああ!なんてことをするんだああ!」

「あのねぇクモル。ミミックは擬態モンスターなんだよ。人間をおびき出すために宝箱の姿なんだけどー」

要約するとこうだった。

一つ。ミミックは弱い人間をおびき出すために宝箱の姿をしている。

一つ。相手が強いもしくは光属性とか、ミミックにとって苦手の者がいたら倒されないために相手の好みの容姿に擬態して倒しづらくする

一つ。だから、男女混合の強いパーティには倒されやすい。

だそうな

「うぅ、俺の金髪美少女がぁ」

「おい、金髪美少女ならここにいるじゃないか」

そうだけど違うんだよ。だってお前性格があれじゃん。

「あ、うん。そうだね、」

「ちょっと、何目をそらしているんだおい」

「私も話し合いたいことが、あ、先勝手に進まないで。私たちが必要でしょ!ねえ!」

「まて、俺も言いたいことがある。ミミックって相手が強ければ寝てる間も襲わないよな」

「本能的に襲っちゃダメって思ってるから大丈夫だと思うけど、あ、なんでスピード上げるの!」

「うるさあい。俺はミミックを連れ帰ってうち子にするの!」

「「ダメに決まってるでしょーが」」

やっべ逃げろ。

 二人の追跡からにげていると、またまた広いとこに出た。ここが2階か。

「よし、いくぜミミック探し」

「「宝箱探しでしょーがぁ!」」

「いってーーー!」

こいつら、後ろの階段から助走つけてドロップキック食らわせてきやがった!

「あのねえ、クモル。あなたレベル5でしょ?それでなーにが強いよ!どう考えても後ろに私がいたからでしょ!」

「で、でも。ならなんで俺の好みのになったんだよ」

「ミミックだって生物だ!見間違えることだってあるだろ。しかも最初に言ったのお前だからな!」

「で、でも」

「でもじゃない。現実を受け止めろ」

ち、ちくしょー。

「しょうがない、ちゃっちゃと宝探すか」

「あの、最初からそれが目的なんだけど」

「そうだった、そうだった」

「そうだったじゃない。ちゃんと我らがついて行くからな。じゃないと絶対碌なことにならない」

「舐めんな、俺だって頑張ればしっかりしてる」

「はーい。頑張らないとしっかりできないクモルを見守らるからね」

「ちゃんと一緒に戦ってくれるよね?」

「それはクモルの態度次第だと思いまーす」

「はい、態度改めます。すみませんでした」

綺麗な本日二度目のDOGEZAが決まった。

虚しさと悲しさという何とも不憫な第二階層のスタートだった。

 それから、第二階層の戦いが始まった。誰かのせいで全員装備は薄い。気を付けなければ。

その相手は…

「なにあれ」

そうわからなかった。ほんとに知らない。いや知ってるけど。見た目がしいて言うならブロッコリーだ。何を言っているか分からないだろうがもう一度言おうブロッコリーだ。2足歩行の。

「あれは、グロッゴリーだよ。気を付けて足技がとっても早いんだよ」

何それ。こいつ1mくらいある。こわぁい。顔いかつい。

「ファイヤートルネード」

うおっ、焼け散った。

「ちょっと待て一酸化炭素中毒は?」

「これくらいなら問題なかろう。少量ですぐ消えるようマナを抑えている」

「すげー」

そうしてる間にセツナさんがグロッゴリーとやらに飛びついた!

「ナイスだよ。エリナ!」

「なにやってんだ!?」

「こいつはね、焼くとおいしいの。さ、このナイフで切って食べちゃいましょ」

え、食べるのか?このきもいの。

「待ってさすがに抵抗が」

「食料不足はダンジョンでは危機だぞ?こういうおいしいモンスターは食べるのが常識だ」

「えぇー」

「はい切り分けられたよ」

確かにうまそうだ。だけどなぁ。元がきもいんだよな。

「ほかに食料は…」

「ダンジョンに言ってる途中誰かのせいで腹が立ったからやけ食いしちゃったけど文句は?」

「なんだ、この水だけでいいのか?じゃあわれらが遠慮なく」

「ごめんなさい。ごめんなさい。俺が悪かったです。おいしく食べさせてもらいます」

「「よろしい」」

匂いはいい。こんな細かくなると元居た世界のブロッコリーとそんな変わりはないな。

覚悟を決めろ。別にオークやサンドワームを食うわけじゃないんだ。

「い、いただきます」

はむっと口に放り込むと…

「う、うまい!」

「でしょ!」

なんだこれ。ブロッコリーの旨みが何倍にも濃縮されているこんなのがあるなんて。

「こいつ栽培できんのかな?」

「サイバイ?何それ」

「いや、ほら、畑で野菜を育てることだよ。俺も昔農家体験をしてだなぁ」

「悪いが何を言ってるかさっぱりわからん」

噓だろこの世界、無いのか?野菜栽培の技術。

「野菜モンスターとかは、そこらでとれるから育てなくてもいいの」

「でも、冬とか困るじゃん」

「何を言ってるの?野菜はいつの季節でもいるじゃん」

まじかよこの世界なんて生命力で溢れているんだ。クソッタレが。

「なーんだじゃあ、さっさとミミッ。宝箱を探しに行くぞ」

おっとちょっと本音がでかけた。

「まだこの階層終わってないのに何を言ってるんだ」

「え?」

「ほら、グロッゴリーの残党が」

視線を向けるとあらびっくり15匹以上以上もいるじゃないですか。

「ふあああ、残撃!スクレイプオブライフ!残撃」

「ギブパワー!シャインパワー!ライトニングスマッシュ!あ、これ効かない」

「ファイヤボール!トルネードアタック!プロミネンスマッシュ!」


-そこから30分後

「ぜぇ、ぜぇ、はああぁぁあ」

「はあはあ」

「マナが、マナがないよ」

試行錯誤を繰り返して全部倒した。ちょー疲れた。

「一回、休憩しよう」

「そうだね、少し疲れちゃった」

「待てい、何かしてたか?セツナ」

「やーねぇ、ちゃんとバフかけてたじゃない」

「あ、そういうこと」

俺の求めてたダンジョンと違う。なんかもっとこう、最初は雑魚で夢想ヒャッハーができると思ってたのに。二足歩行ブロッコリーに苦戦するとは。

「あー、疲れた。もう風呂入って休みたい。…いでっ」

座ろうと思って寄りかかると、またあの不思議な音が。

これはまさか!

「ミミック?」

「「宝箱を期待しなさいよ」」

「ぐうぅう」

見事なチョップが頭に決まった。痛い

「そ、そうだな」

「これは、宝箱ね!やったじゃん」

「でも、そうはいってもまだ2層期待値は高くないな」

くっそ、ミミックじゃねぇのか。

でも、これを開けるのは楽しみだな。

「何が出るかなーっと」

宝箱を開けるとそこには…

「石…?」

その言葉を聞いてセツナさんが、いやいや。と首を振りながら言ってきた。

「そんなわけないじゃん。ダンジョンだよ?多少階層が少なくともただの石ころなんてことは…石ころだね」

「エリナちゃんはどう思う?これ」

「石だな」

まじかよ。ミミックのほうが良かった。

「…え?終わり?二階層終了?」

「…終わりだね」

「ま、まあ3階層に期待だな。うん」

本当にこんなことに直面したことがないのか、冷や汗を流している。

「しょうがない。次の階層に期待だな」

「そ、そうだね。じゃあ、さっさと次ぎ行こうか」

「おう、」

一応この石記念に取っておくか。


この後からの階層は、多少は理不尽や、元の世界の常識を完全無視なことが多々あったが異常なことは起こらなかった。強いて言うならミミックを独り占めしようとしたら俺だけだと食われそうになることが分かっただけだ。


 そして、最後の8階層。

俺らは扉の前で休んでいた。

「いや、ここまで大変だったな」

実に長かった。クソミミックに嚙まれたところがまだ痛むぜ。

このことを思い出したのか、セツナさんが少しいら立ってる様子で、

「次からはもっと慎重に行こうねこのミミックバカ」

と言ってきた。

忠告を無視してずかずか進んでいったんだっけ。ぐうの音も出ない

「すみませんでした」

と、ちょっとした口論にエリナちゃんが、止まれと潜り込んで言った。

「お前ら、喧嘩をするでない。次が最後なんだ」

「そうだね、みっともないことするのはだめだね」

「そうだな。よしっ、休憩も済んだことだし最後、頑張るぞ!」

「「おー」」

疲れているのか、少し元気がなさげな声とともに、最後の階層に続く重い扉を開いた。





続きはまた今度。もうしばらくお待ちください。

あと、足りない、もう少し欲しいと感じたら気軽に感想に書いてください。頑張って付け足します

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