知らない青空
「ん、んぅ」
眠いまだ寝たい。ほら、耳をすませば。チュンチュンピーヒョロローシャァァァチョンチョン。と心地よい鳥たちの鳴き声が…シャァァァ?ここでようやく目を開いた。なんだここは?平原?どうしてこんなとこに?そもそも俺は死んだんじゃなかったのか?
シャァァァ
クソネズミに噛まれたれたとこまでは覚えてる、そういえば痛みがなくなってるな。
情報量が多いな。
「頭痛くなってきた、身体もスースーするし」
シャァァァ
「あーもう、シャアシャアさっきからうるさいん…」
そこにいたのは図鑑でも見たことがない70cmくらいの、ミミズに歯をはやしたような奴が、近くのネズミを食っていた。
「うっわ、気持ち悪っっ」
反動でっ蹴ってしまったあーあ足に血みたいなのが付いた気持ち悪ぃ。ていうかこいつさっきのネズミじゃん。
「あーもうどうしたら――」
ん、あれ?地震か?地面が揺れて
「ぬわぁぁぁぁぁ、なんじゃあれはぁぁぁぁ」
そこにいたのは、さっきのミミズみたいなやつの5mくらいのやつで、こっちを見ていた。
「さ、さっきの子の親御さんですかね、よければ話し合いができないでしょうか?」
問答無用で襲い掛かってきた。
「ですよねぇぇぇ」
ヤバイヤバイヤバイなんかまた死にかけてるんですけどぉぉ。
まだ一回死んだかどうかもわからないのに!
「誰かぁ!助けてくれーー!」
必死に逃げ回っていたら、町の入り口のようなものがあった。
そこに人が立っていた、門番か?
そもそも知らないところだし、外国人っぽいぞ。
言葉が通じるのか?
いや、緊急事態だそんなこと考えてる暇はない。
「すみませぇぇん、たすけてくださーい!」
「うおっ、なんじゃありゃ。5m級だぞ!」
「今助ける、ちょっと待ってて。それにしても大きいな、あれで行こう!」
「おう!」
良かった助けてくれるみたいだ。
「「ウィンドカッターー!」」
その時、信じられないものを見た。
二人の手から風の刃が飛んでいくのをこの目で見たのだ。
しかも、あのでかいのを瞬殺しやがった。
「大丈夫か?俺はラノス見ての通りパラディン王国の門番だ。えっと…」
「僕はガイト、よろしく!」
やっぱ日本人じゃないのな、でも言葉は通じるようだ。
良かった英語だけは苦手だからな。
「助けてくれてありがとうございます。それで、さっきの手から風がバーンでなった奴は何なんですか?超かっこよかったです。もしかして気みたいなやつですか?しびれました!」
「ありゃただの中級魔法だな、知らないのか?あと、その、なんだ」
ガストがこの言葉に続くように言った。
「僕の上着かしてあげるよ。うん、今よりはさいいと思うよ、下見てみな」
した?
訳も分からず見てみると――
スッポンポンじゃないですか、ヤダーー。
「あ、ありが…とう…ございます。」
だからスースーしてたのかよ!
ちくしょー
「えっと、うん、何があったのか聞かせてくれるか?良かったら相談に乗るぞ?大変そうだし」
「いや、露出狂じゃありませんから!自分も何が何だか」
とは言え言っていいのだろうか。
うすうす気付いていたが、たぶんおそらく異世界なんじゃないだろうか。
さっきのも多分サンドワームだし、魔法がっつり使ってたし、王道タイプだ。
ラノベでめっちゃ読んでたが、ガチであるとは。
おっほ!なんか興奮してきた。
だが今は隠しておいたほうがいいだろうな。
「少し、服を溶かしてくる生き物がいたもんで」
いけるか?こんな分かりやすい嘘。
「ああ、察していた。ちょっとからかっただけだ、ごめんな」
「あんまいじめないでよラノス。かわいそうじゃんか。あのワイルドサンドワーム酸性の唾吐くからね。下手したら死んでたもんね君」
え?怖ぁ。もうちょっとで死んでたのかよ。
「そういや、お前さん何て名前なんだ?」
「確かに、聞いてなかったね」
「あぁ、俺、青空曇です。」
「アオゾラクモル?珍しい名前だね。」
うん、俺も名前つけた親これだけは頭おかしいと思う。
「あの、この町始めてくるのでいろいろ教えてくれると嬉しいんですが、大丈夫ですか?」
「いや、この町のギルドに行ったほうがいいだろう。しゃーない、少し大きいだろうがこの予備用の着替えを着ていくといい。かわいそうだからな、これやるよ。」
「いいんですか?本当ありがとうございます!こんなにいい思いさせてもらって」
「いいってことよ。あ、そこの角を曲がって少し歩いたらでかい建物がある。そこがギルドだ」
「僕たちは大体ここにいるから気軽に話しかけてくれていいよ」
「ありがとうございます、最初に会った人たちがあなたたちでよかったです」
「「達者でな」」
「行ってきます」
鼻歌まじりに歌いながら行ったら前住んでた家の20倍くらいのデカい建物があった。
「でっか!やっぱ異世界は違うな」
そういえば、あっちの家族は元気だろうか。
もし俺が死体で見つかったなら、悲しむかな。
悲しむだろうなぁ、親不孝者でごめんよ母ちゃん。
あ、pcのデータ消してねぇ。
考えても仕方ないか。
おっちゃんやってるかーい?違うなどうやって入るんだ?
超怖いんだけど。
「え、えっと、こんにちは?」
これでいいのだろうか。
「あ、どうも。受け付けはこちらです」
よかったみたいだ。
というか、受付嬢さん超かわいいな。
銀髪で、アクアマリンのような美しい目、整った顔、おっぱいが大きい。
え、女神?女神なの?この人。
「どうしました?」
「え?いや、なんでも、ありましぇん」
どうしよう、俺のチキンなハートにはちょっと荷が重いぜ。
「あの、ここは何をするところなんでしょう?この町に来たばっかでなのも知らなくて。」
「あ、そうなんですね。じゃあ1から説明しますのでしっかり聞いてくださいね」
「はい」
「ここはギルドですね。食事や仕事など様々なことができる場所ですよ。仕事とは言ってもほとんど冒険者業ですけどね。あと、冒ライという、まあいわゆる冒険者ライセンスというのを作れるとこです。簡単に言うと冒険者のレベルアップカードです。これは敵を倒したり、レベルが高いモンスターの肉を食べたりして上がりますね。まあ食べるほうは、モンスターの見た目がちょっとアレなのでやる人は少ないですが。そっちのほうがレベルは上がりやすいんですけれどね」
うん、最後以外は普通だな、俺でも知ってる、いっぱい読んでるもんラノベ。
でも最後のなんだよ食うの?あのなんとかサンドワームを?
「そりゃ拒むわ!」
「え?」
「いや、なんでもないです。すみません取り乱しました」
「あ、はい。そうだ、冒険者についての説明はしますか?」
「……お願いします」
なんとなく分かってるけど一応さっきみたいな例外があったら困るし。
「はい、わかりました。そうですね簡単に言うと冒険者は10万ユラで冒ライを登録してもらいます。素材が素材なんで高価なんですよね。それで…」
説明を聞いていたが、要は掲示板から仕事を見つけて魔物討伐とか色々行ってきて!
給料はその仕事ぶりで判断するね!ってことだ。
「なるほど、じゃあ俺も今から冒ライ作れば冒険者ってわけですね」
「はい、そうなりますがやりますか?」
「お願いしまー」
いやちょっとまて、10万?10万つってた?
「あのー、10万ユラって、この国ではどのくらいの金額になるんでしょうか?」
「え?あぁ、そうですね。あそこにある鎧一式買えるくらいですかね。…もしかして
ないんですか?ユラ」
まじか!あの超高そうなやつとこのちっぽけなカードにそんなかかるのか。
日本円で何円になるだろう。
「すみません、お金じゃなくて、ユラがかかるって知らなくて。ええと、そう!交通費でちょうど消えてしまって」
「そうですか。こんな事例は始めてなんですよね。あ、そうだ。2つ、手がないわけではないんですが聞きますか?」
「一応聞かせてください」
「わかりました。一つはここでバイトをしてコツコツためることです。こっちはここも人手不足なのでありがたいですね」
日本だけじゃなくこっちも人手足りないのか、大変だなどっちも。
「そしてもう一つは、このギルドに借金することです。返す額は1.5倍になりますが、すぐ冒険者に慣れてそこで働いた分で返してもらう。というものです」
なるほどねぇ。
まて、じゃあ前者はこの人と同じところで働けるってことか?
最高じゃんか。
「あ、ちなみにどのくらい働くんですか?」
「ざっと1時間で100ユラなので、1000時間、6時間働いて7か月くらいですね」
……マジかそれプラス生活費考えると1年くらいじゃね?
最低賃金死んでね?
「これでも高いほうなんですよ?」
なるほど。
しょうがない、こっちでの生活のためそう、別に冒険者なんてならなくても…
いやいやせっかくこっちに来たからなりたい。
でも1年か。
ほらこの人も俺がずっと戸惑ってるから困ってるよ。
しょうがない男を見せる時だ。
「ここで働かせてください」
ここから、俺の異世界生活の幕が開けたのだった。
貯金0円




