BL短歌
くどいぐらいBL短歌。夏のはじめに詠んだ麦茶ックスを含みます!
甘やかに香ったはずの翌朝は枕カバーに顔をしかめて
おはようとベッドのなかで囁いた甘さなくしたカラダを抱いて
好きというたびに震えるのどぼとけごくり飲み込む君のもおなじ
意味もなく胸を飾った尖りさえちょっと待ってと恥ずかしくなる
臍にまで伸びた茂みをかき分けて然りと見たい僕への恋を
不用意に延ばした先は硬いうでこんなに馴染む肌と知らずに
恋なんて呼ぶほど甘い仲じゃなく酔った拍子といいわけをして
ああやはり男なのかと気づく朝きのうの夜も知ってたくせに
重い身をゆする時間はテーブルのぬるい麦茶と結露にとけて
のどぼとけつたった雫舐め取って渇きうるおす間すらも惜しい
空っぽのグラスを置いたその音が飽きぬ僕らの二度目の合図
雨音も聞こえぬほどに響くのはおもさに耐えるベッドの嘆き
蒸し暑い夜こそ匂うその肌にさして違わぬ己をつけて
熱帯夜ないしょで下げた室温は広い背中に抱きつく理由
借りるねとおなじサイズのシャツを着て君と一緒に出社の気分
えりもとの汗のシミには君と僕シーツとおなじ二人の匂い
指輪でも苗字でもなくほしいのは決して変わらぬあなたのかくご
あごひげに白髪みつけて嘆くひと今も夜には可愛いくせに
おじさんと互いに言えるほど長く暮らしたけれど恋人のまま
むつみあうかわりに繋ぐ手は老いて労りあってかぞえた季節




