7 名目上は僕(しもべ)という、実質的な支配者
支配地域を広げるには、他の場所に出向いて洗脳しなくてはならない。
この為、自分の足で動けるようになると、更にあちこちの村に出向いていった。
出向いた先で洗脳を施し、配下を増やしていく。
知識や技術を与えて、生産性も上げさせていく。
必要なら出身地の人間も送り込んでいく。
経験を積んだ労働力が加わる事で、作業も格段に早く進む。
もちろん、領主も洗脳。
統治者である他の貴族に詳細が漏れないようにしている。
また、更に上位の貴族も洗脳していく。
これから先、更に支配地域を広げるには、もっと上にいる領主も従えるしかないからだ。
もちろん、簡単に出会えるわけもない。
なので、洗脳した貴族を利用していく。
貴族同士なら、まだ少しは接点もあるからだ。
更に名目上は領主の僕となる事にした。
こうしておけば、貴族についてまわる理由が出来るからだ。
他の領主や貴族と接触する機会も増える。
それに、まず地元の領主の僕となっていれば、出世の見込みもある。
才能があるから僕にしたといって上位の貴族や領主に紹介させて。
これは我が配下にしたいと上位の貴族・領主に言わせる。
そうして上位の貴族に食い込んでいく。
穏便に統治機構に食い込むならこれが一番面倒がない。
僕という立場も、隠れ蓑としては丁度良い。
いつも側にいて、なんでも命令が出来るからだ。
こうして出世をくり返し、マコトは伯爵の僕におさまっていく。
現代日本でいえば、県知事相当の立場にいる人間だ。
政治の中枢にはまだ届かないが、地方の支配には申し分ない。
この伯爵統治下の地域を洗脳すべくマコトは動いていく。
この時、マコトは10歳になっていた。
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