6 楽して生きたいなら、社会全体が豊かにならねばならない、でないと分け前が減る
成果は上々である。
新知識や技術の導入で、村は発展していった。
収穫は安定し、更に増産されていく。
水路など必要な設備もととのっていく。
各村でどうしても余る労働力を集めてやらせた。
これまで冷や飯食いと呼ばれてた三男坊や四男坊が活躍していく。
こういった者達がそれぞれの村で数人はいる。
集めればそれなりの人数になる。
これを用いれば設備の建設・設置に修繕なども出来るようになる。
もちろん、必要な知識や情報、技術を脳に植え付けた。
作業は滞りなく進むようになる。
更に道具の改善もしていく。
さすがにトラクターのような機械までは作れないが。
この世界の科学水準で出来る物はどんどん作り出していく。
おかげでマコトの生活水準も上がる。
搾取も収奪も、奪えるものがなければ実行出来ない。
金を蓄えてる奴がいるから、強奪が出来る。
民衆が稼いでるから、政府は税金を理由に収奪が出来る。
これと同じだ。
快適な生活に必要なものは、他の誰かに作らせねばならない。
マコト一人で全てを作り出せるわけではないのだから。
だから、周りにいる労働力を使う。
組織化して効率的に。
知識と技術を与えて、一人当たりの生産性をあげて。
そうして快適な生活に必要なものを作らせる。
それをマコトの所に集める。
そうすれば、贅沢な生活が出来る。
たとえば家。
快適な住居を作るには、建築するための材料が必要だ。
材料を作るための技術が必要だ。
技術を持った職人が必要だ。
家を設計する者も必要だ。
設計のための知識が必要だ。
これらをまずは用意しなくてはならない。
その為にマコトは時間を費やした。
材料も職人もすぐには出来ないのだから。
自分一人が良ければ他は切り捨てて良い、というわけでもない。
快適な環境があるからこそ、知識や技術を用いる事が出来る。
よりよい道具があれば、作業も楽になる。
設計などの頭を使う作業ならば、快適な空間が必要になる。
頭をまともに働かせるなら、熱すぎず、寒すぎずの丁度良い温度が必要。
場合によっては甘い物やお茶などもだ。
こういったものを用意して、頭が働きやすい場所を作らねばならない。
なによりも、日々の生活がまともに出来る。
食い物があり、飢える事がない。
最低でもこれだけは成し遂げねばならない。
明日を迎えられるかどうかという状況で、まともに仕事が出来るわけがない。
それ以前の話だ。
なので、マコトは自分以外の者達の生活も成り立たせていく。
それが出来て、初めて労働力となるのだから。
おかげでマコトの支配地域は全体的に豊かになっていく。
マコトはその中で最も快適な家に住んでいる。
全ては周りの労働力によりよい環境を与えた結果だ。
「これからも頑張らないと」
生まれてから7年目。
更なる収奪と搾取のために。
今よりも更に快適な生活のために。
マコトは洗脳支配の範囲をひろげる事にした。
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