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この美しくもクソったれな異世界にそろそろわからせる時が来たようです〜異世界孤児スタートとかいうデバフスタートですが何か?〜  作者: mitsuzo
第一章 能力開花編(孤児のリオ)

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034「リオのこれからについての話のようです」



「一体、どういうことですか? 何で俺が貴族になる・ならないの話が冗談ってわけでもないことになるんですか?」


 俺は3人の言っていることがどうしてもピンと来なかったので直接まんま質問した。


「いいか、リオ⋯⋯お前がこのまま(・・・・)マヨネーズを販売したらどうなると思う?」

「え? どうなるって⋯⋯そんなの⋯⋯」


 突然ウラノスが俺にマヨネーズを販売したらどうなるかという話を振ってきた。いや、このまま(・・・・)と強調して聞いてきた。


 ウラノスの『このまま』というのはどういうことだろう? とりあえず、俺はその質問に対して自分の予想を伝える。


「え、えーと⋯⋯正直マヨネーズは売れると思っている。しかも、予想では『ヘチウマたわし』よりも。あと、販売して結構早いうちにすぐに軌道にも乗るかと思っている⋯⋯」

「うむ。それから?」

「え? そ、それから⋯⋯っ?!」


 何だ、それからって⋯⋯? そもそもまだ販売前の段階なのに、そこまで話をするものなのか? 正直「俺は今何を試されているんだ?」と思いつつも、とりあえず考えられる範囲の答えを伝える。


「軌道に乗れば、さらに大量の注文を(さば)けるよう生産体制を強化して⋯⋯5年以内にはこのセイントファイン全体に販路が広がればいいかと思っています」

「ふむ、そうだな。そして、それはここにいる3人も同じ考えだ。さて、そこでさらに質問だが、その場合お前⋯⋯リオの立場はどうなっていると思う?」

「え? 俺⋯⋯あ、いや、私⋯⋯ですか?」


 俺の立場?⋯⋯⋯⋯あっ?!


「も、もしかして、神殿関係者に見つかるって話?」

「そうだ」

「⋯⋯なる⋯⋯ほど」

「そうなれば⋯⋯わかるだろ?」

「⋯⋯」


 確かに、このままマヨネーズ販売がうまくいくということはそれだけこのマヨネーズに関することは調べられるはず。そうなれば俺が作ったということはすぐにでもバレるだろう。


 そうなったら、神殿関係者が俺を『保護』という名目で捕らえにきて、その後は一生を神殿で過ごす⋯⋯いわゆる『飼い殺し』となる話ってわけか。


「そこで、それを防がなきゃいけないよなって話になるわけだが、それがさっき言った『リオを貴族にする』って話になるのさ」

「っ!?」


 なるほど、そういうことか。


「もし、お前が『底位貴族(ボトムノーブル)』とはいえ『貴族』となれば、神殿も簡単には手出しできなくなるし、リオが貴族という立場になれば今よりももっと立ち回りしやすくなるからな」

「⋯⋯つまり、現状のままマヨネーズを販売するのであれば、私が『底位貴族(ボトムノーブル)』になるのもセット⋯⋯ということですか」

「そういうことだ」


 確かに、ウラノスの言う通りだ。それが一番確実な対抗策ではある。しかし、


「でも、そんな簡単に『底位貴族(ボトムノーブル)』になんてなれるんですか? だって、俺は平民でもない⋯⋯平民よりも下の身分である『孤児』ですよ?」

「それは問題ない」

「! オ、オスカーさん?」


 ここで、オスカーさんが俺の質問に即座に「問題ない」と否定する。


「さっきも言ったが、リオ君が望むなら私が伝手を使って『底位貴族(ボトムノーブル)』の身分を与えることは可能だ」

「オスカーさん、どうして⋯⋯どうして、そこまで⋯⋯」

「ふふふ⋯⋯君にはそれだけの価値があるってことだよ、リオ君」

「オスカーさん⋯⋯」


 オスカーさんからの手放しの信頼感がむず痒くも、でもすごく⋯⋯嬉しい。


「ちょっといいかしら⋯⋯」

「マリー?」

「シスター・マリー?」

「私は⋯⋯リオが底位貴族(ボトムノーブル)になる程度(・・)では隠し通せないと思っているわ」

「「何っ?!」」


 シスター・マリーの発言にウラノスとオスカーさんが驚いた顔を示す。



********************



「どういうことだ、マリー?」


 ウラノスがシスター・マリーに詳しい説明を求める。


「⋯⋯仮に、オスカーが伝手を使ってリオに底位貴族(ボトムノーブル)の貴族籍を与えたとしても、その程度の身分じゃ神殿の強硬に耐えられないと思う。むしろ、かえって悪目立ちになってしまいかねないとさえ思っているわ」

「シスター・マリー⋯⋯」


 確かに、シスター・マリーの言うことも一理あると思う。いやむしろ、その可能性が非常に高い気がする。中途半端な力を持つくらいじゃ神殿の強引な手段には対抗できない⋯⋯そういうことを言いたいのだろう。


「だから、私としてはリオを貴族にするのではなく、リオの名前を表に出さないようにすることが最善だと思うわ」

「しかし、マリー⋯⋯それは難しいぞ? なぜなら、商品登録や技術登録に嘘を書くのは犯罪だからな」

「ええ、もちろん理解しているわ。だから、リオの名前を隠すためにはその間に『誰かを立たす』必要があるの」

「誰かを⋯⋯立たす?」

「それって、つまり『影武者』ってことか?」

「う〜ん、まーそれも悪くないけど、それよりもあくまでマヨネーズを使ったのは別の人で、リオはその人の下で働いているという形が自然じゃないかしら?」

「誰かの下で⋯⋯働く?」

「そうよ。そして、どう? ここまで話を聞けば察したかしら⋯⋯オスカー?」

「「「っ!!!!」」」


 シスター・マリーの言葉に俺とウラノスの視線がオスカーを捉える。


「⋯⋯ええ、さすがにね」




 そして、オスカーはシスター・マリーの期待通り、何か(・・)を察したようであった。


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