表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/36

002「めっちゃ本を読んだようです」

 新作です。

 毎日12時更新です。よろしくお願いします。


※初回は3話更新(14時、18時、22時)となります




 どうも、リオです。


 異世界に転生して早々、孤児院スタートというまあまあしんどいスタートとなりましたリオです。


 さて、そんなわけで孤児院スタートとなった俺だが、まずは8年間の人生を軽く説明させていただこう。



<リオ(山田三郎)/0〜3歳>


 異世界転生すると孤児院の入口で捨てられていた赤ん坊の俺。そんな俺はシスター・マリー院長先生に拾われ、その後、孤児院で生活することとなる。シスター・マリー院長先生にはマジ感謝である。


 あ、ちなみに俺の名前『リオ』⋯⋯の名付け親はシスター・マリー院長先生だ。


 孤児院に捨てられた赤ちゃんの俺だったが、しかし意識はすでに前世の山田三郎の意識があった。つまり、意識的には今と変わらない。なので、寝ているだけなので非常に暇で暇で仕方なかった。あ、いや、すぐに眠くなる体だったのでそこまで暇でもなかったかな。


 それから約1年くらい立つと首が座りいろいろと動けるようになっていた。とはいえ、何をするわけでもないので赤ちゃん用のベッドで「暇だな〜」と手足をぶらぶら動かしていると、シスター・マリーが俺が暇そうにしているというのを察してくれたのか、本を持ってきてこの世界のおとぎ話を読み聞かせてくれた。


 それを見た俺は「あ、本! そうか、ここには本があるのか! 読みてー!」とシスター・マリーに目と「あうあうあー」で訴えてみた。すると、またもやこのシスター・マリーは察してくれて、俺を抱き上げると孤児院の中にある本の保管庫へと向かった。


 孤児院にある本の保管庫は⋯⋯「図書館かな?」と思うほどかなりの数の本があった。しかも、そこにある本は子供が読むようなおとぎ話の本もあるが、それ以上に、なぜだかこの世界の歴史の本とか神話の本、他にも経営書や領地運営の本といった大人が読む⋯⋯いや「大人でもこれ読む?」といった本がいっぱいあった。


 この世界のことを知りたかったのと暇を持て余していた俺は「ここにある本を全部読みたい!」と再度シスター・マリーに目と「あうあうあー」で訴えた。すると、シスター・マリーはこれもなぜだかちゃんと察してくれて俺が指差した本をすべて与えてくれた。


 俺が指差した本には、この世界で使う文字の読み書きの本から歴史や神話、経営書といった大人が読むような本も混じっていたが、シスター・マリーはそれでも特に気にすることなく全部与えてくれた。


 おそらく、子供の俺⋯⋯というか赤ちゃんの俺が読めるわけないとわかっていて、それで好奇心で指差した本もとりあえず与えてくれたんだと思う。実際、俺が逆の立場でも赤ちゃんが本を読むなんてあり得ないと思うだろう。


 しかし、当時の赤ちゃんの俺は今と同じ前世の山田三郎の意識だったので、もちろん本の内容は理解できたので手にした本を片っ端から読みまくった。


 赤ちゃんの俺が実際に本を読んでいるのを見て、シスター・マリーは一瞬驚いた顔をした。しかし、でも、それだけで、その後も俺が欲しがった本はすべて与えてくれた。


 それにしても、俺は当時も今も気になっているんだが、シスター・マリーはなぜ赤ちゃんの俺が本を⋯⋯しかも大人が読むような本を読んでいても気味悪がったりしなかったのだろうか⋯⋯と。普通、そんな子供がいたら気味悪がるかと思うんだが⋯⋯。


 とはいえ、そのことをシスター・マリーに聞いたことはない。聞けるわけがない。


 だって、もしもシスター・マリーの口から「本当は気味の悪い子供だと思っていた」なんて言われたら、正直、ショック過ぎて二度と立ち直れないだろう。⋯⋯そんな怖いこと聞けるか!


 え? へたれ? 何とでも言いやがれ!


 そのくらい、俺の中でシスター・マリーに嫌われることは『死』を意味するのだ。誰だって死にたくないだろ? そういうことだ。



********************



 3歳になった頃、ちょうどその頃に、俺は『魔法』と『スキル』に関する本を見つけた。


「魔法っ!?」


 その頃には言葉を喋れるようになった俺は、そのタイトルを見つけ、興奮のあまり叫んだ。


「ふふ⋯⋯魔法とスキルに興味があるの? いいわよ、持ってきてあげる」


 そう言って、シスター・マリーが魔法とスキルに関する本を持ってきてくれた。


 その後、俺はこの魔法とスキルの本をかなり集中して読むこんだ。


 それで、わかったことだが、どうやらこの世界も『異世界転生あるある』のような世界で魔法が使えるらしい。しかも、魔法だけでなくスキルというのもあるとか。


 ただ、魔法は魔力がある者は全員使えるのに対して、スキルに関しては限られた人しか使えないらしい⋯⋯というよりも、スキル自体持っている人間がほとんどいないそうだ。


 なので、スキルについてはあまりよくわかっていない⋯⋯というのが現状らしい。


 とりあえず、スキルのことは置いておいて、俺はまずは魔法の習得に向けて勉強を始めた。本によると、魔法の習得には『魔法書』が必要らしいとのことだった。


 仕組みはこうだ。


 まず、欲しい魔法のタイトルが書かれた魔法書を用意します。


 次に、その魔法書を読みます。すると、あら不思議。魔法が自然に習得できます⋯⋯とのことだった。


 え? 何、簡単じゃーん!


 とテンション上がった俺は早速、その魔法書⋯⋯あ、実は孤児院に偶然にも(・・・・)『初級魔法書』が置いてあったんだ。それで、早速、魔法習得を試してみた。


「え? 魔法書読んでみたけど変化⋯⋯ないんだけど?」


 本では、魔法書を読めば頭の中にその魔法書で得られる魔法名が出てくるとのことだった。そして、もし、それが出てこない場合は「あなたは魔法習得できません」という意味となるらしい。


 ちなみに、魔法を習得できない理由は「魔力が無いから」だとか。


「ええぇぇぇ⋯⋯俺、魔力無いのぉぉ〜〜!?」


 ショック! リオショック! 山田三郎ショック!


 だって、俺的には魔力はあるのが当たり前だと思っていたから。


 異世界転生者よ? そんな転生者な俺なら魔力あるの常識っしょ? 俺の読む作品(ラノベ)では常識だったよ?「言わせんな!」って怒られるくらい常識だったよ?


 なのに魔力無いとか、魔法使えない体とか、異世界転生した意味なくね?


 と、このようにさんざん愚痴った俺だったが、いかんせん、こればかりはどうしようもないということを愚痴り始めて3時間後に何とか理解し、現実を飲み込んだ。


 魔法が習得できないのは事実。もう、それはどうしようもないくらいの事実なのだ。



「⋯⋯寝る」



 そうして、3歳の俺はふて寝した。


 こちらも、よろしくお願いします。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵ギフトというぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404


「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」

https://ncode.syosetu.com/n6900id/


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ