洞窟
山を越えて森の中に入った。頂上だけ木がなかったからこの表現で合ってると思う。
「ついたぞ」
先生は言った。え、ここが研究所?
「落とし穴みたいですよ?機械的なところはないですし間違いじゃないですか?」
「研究所はな、王国が兵器とか魔法を開発する場所だ。他の国に知られたら困るだろう?」
確かに。
「山の中腹ですし、木がいっぱいあるから見つけにくいですね」
「空から見ても気づかれないようになってる」
「へぇー。空を飛ぶ機械ってあるんですか?」
「ああ、あるぞ。ひこ…」
先生が言いかけて言葉を止めた。なんだろう?
「誰かの気配がする。森に隠れるぞ」
僕達は森に隠れた。洞窟の中から白衣を着た人が登り出てきた。
「誰だ!」
き、気づかれた?
「僕達気づかれましたか?」
「それはない。洞窟の入り口には結界がはってある。結界で侵入者を感知するはずだ」
白衣の人が言った。
「誰だと言っている!」
僕はこそこそ話しかけた。
「本当にバレてないんですか?」
「大丈夫だ」
大丈夫と言ってくれても不安になるなぁ。
「出てこないなら攻撃するぞ!」
「これバレてますよぉ」
「大丈夫だ」
絶対バレてるよこれ!
「警告はした!火魔法 ファイア」
火の玉が僕達に向かって放たれた。まずい!
「手撃 貫き」
先生が木に隠れながら空気の塊を放って火の玉を消した。
「大丈夫じゃなかったじゃないですか!」
「俺の推測違いだ。すまん」
「戦いますか?」
「ここで待ってろ。俺が片付けてくる」
先生が姿を見せた。
「お、お前は」
「知ってるだろう?」
「武豪リーゴ!?なにをするつもりだ!」
「妻と娘を救いにきた」
「監視役は、監視役はどこだ!」
「倒してきたぞ」
「くそ!戻って伝えなければ!」
白衣の人は走り出す。
「させん。手撃 貫き」
先生は空気の塊を白衣の人の首に当てて気絶させた。
「もう出てきていいぞマナブ」
「はーい」
僕も隠れることをやめた。
「先生って有名だったんですね」
「そうだな」
先生は白衣の人を担いだ。
「その人どうするんですか?」
「尋問する」
え、尋問!?痛いやつ!?残酷だぁ。