回復
黒ずくめのみだれ筋は壊しておいた。
復元魔法 リペア
僕は先生に復元魔法をかけてから時間魔法を解いた。
気を失ってたよね?目を覚ますのかな。色々聞きたいことあるんだけどな。水魔法でぶっかけてみるか!
水魔法 ウォーター
僕は先生の顔に水をかけた。
「ぶぁばばばば」
先生が起き上がった。
「あ、起きた」
「なんだいきなり!あれ、なぜだ。マナブの幻覚が見える。俺は死んだはずなのに…」
「死んでないよ先生」
「え?」
「僕が治したから」
「体が痛くないぞ?」
「当たり前じゃん、治したもん」
「回復魔法は一気に回復できないんだ」
「とにかく、先生は生きてるんだ。服に穴が空いてるでしょ?刺された証拠だよ」
「な、なに」
先生は服に穴が空いているのを発見した。
「ほ、本当だ!ここは現実なんだな!」
「最初からそう言ってるよ?一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
「いいぞ。お前は命の恩人だからな!」
「約束って何?」
「約束?」
「先生が気を失う時に言ってたんだ」
「そうか、俺は言ってしまったか」
先生は約束に気づいた様子だ。
「約束について話そう。俺には妻と娘がいる」
「え!?」
「今は王国の研究所の中に閉じ込められっぱなしだ」
「何かされてないんですか!?」
「されてないだろうな。危害を加えられていたら俺の手綱としての役割を果たさない」
「うーん、どういうことですか?」
「つまり、俺の自由を制限するために捕まえられてるってことだ」
「かわいそう!」
「ん?約束の説明がされていませんね」
「おっと、話し忘れていた。約束は救出をする時に誰も殺さないということだ」
「へぇー」
「殺さないように救出するってことですね。作戦はあるんですか?」
「実は、計画遂行中なんだ。お前らをここに来させたのも計画の内だ」
「力不足を感じた俺は、協力者がいると考えた。同じ境遇で、なおかつおれと同じくらい強い者を」
「お前の協力が不可欠だ。協力してくれるか?」
「いいですよ。あと聞きたいんですけど、僕以外の2人は何でここに連れてきたんですか?」
「強さは足りないが、狙われていたからな。俺が倒そうとしている時に殺されたら約束が守れない」
「確かに、側にいた方が守れますもんね」
「あいつらにも苦労があると実感したよ。まだ子供なのに」
「さっそく、研究所に行くぞ」
「はい。僕が拘束した黒ずくめの人も持っていきましょう!」
「は?倒したのか?あいつを?」
「有名な人なんですか?」
「俺を監視している奴だ。俺ぐらいの強さはあったはずなんだが」
先生くらい強かったんだな。
「監視ですか。あの人は契約もしてるって言ってましたね」
「情報を売る代わりに、俺を襲わない契約だ」
「僕の情報売ったんですか!?」
「魔法が使えることは言ってないぞ」
「はぁーよかったぁ」
「これで疑問もなくなったか?」
「はい!」
「気を取り直して、いくぞ!」
僕と先生は研究所に向かった。