仲間
あっそうだ。僕魔法使えるじゃん。先生使っちゃいけないって言ってたけど、バレなきゃ問題ないよね。僕は無詠唱で魔法を使った。
復元魔法 リペア
体の指示に従って筋肉を治す。体が治したいところはわかるからね。
僕が全部治してあげてもいいけどそれだと筋肉が大きくならないんだ。よし、これで筋肉痛なくなった!
それから僕は筋肉痛が来る度に治していった。ムキムキになると思っていたけど、見た目はあんまり変わらなかった。これは実力を隠したい僕の意志が表れたのかな?
あ、ヨックとヨアが見えてきた。
「おーい!!」
「え?追いついてきたの!?すごいじゃない!」
「えへへ。頑張ったよ」
「マナブの成長が早くて、僕はすぐに追い越されそうだよ」
「そんな謙遜しないでよ」
今の僕にはこの速度も歩いているくらいなんだけどね。
「中間地点が見えてきたよ!みんな頑張ろう!」
ヨックが鼓舞した。中間地点の丸太は他の丸太より10倍ぐらい大きいからわかりやすいんだ。
僕達は中間地点に到達した。
「とうちゃーく!」
「やったねみんな!ハイタッチだ!」
みんなでハイタッチをした。うぅう、みんなで仲良く何かを成し遂げることなんて久しぶりだ。
ニートだったから友達もいなくて、こういうのが恋しかった。仲間と一緒に頑張るのが。
「うえぇぇええん!」
「どうしたのヨック?痛いところでもあった?」
「みんなに置いていかれずに済んだことが嬉しくて、うぅう」
「僕達はマナブを見捨てないよ」
ああ、暖かい。僕はヨックに抱きしめてもらった。
「あ!私も!」
ヨアにも抱きしめられた。みんな仲良しだ!
「落ち着いた?」
「うん。ヨック、ヨア、ありがとう」
「そんな気にしないで。助け合うのが仲間でしょう?」
「んふふ」
「何がおかしいのよ」
「いや、なんでもないよ」
「さぁ、先生のところへ行こう!」
「そうだね」「わかったわ!」
僕達は奈落に飛び込んで、先生のいる入り口に戻ってきた。
「随分早いですね。俺は今日目標を達成できないと思ってました」
「ありがとうございます。みんなが僕を引っ張ってくれました」
「よかったですね。皆さん、今からは自由時間です。アスレチックダンジョンに行くのもよし、この学校の外に行くのもいいですよ。夜には学校の寮に帰ってきてくださいね」
「「「はーい」」」
僕達は教室に戻ってきた。先生はどこかに行っちゃった。
「僕はアスレチックダンジョンに行こうかな」
「わかった。僕とヨアは街を観光してくるよ」
あれ、やけにあっさりしてるな。
「なんで誘わないんだろうって思った?理由はね、君の目が期待に燃えていたからだ。このアスレチックダンジョンはどこまで続いているんだろう?ってね」
「え?ヨックすごいね。僕の考えてることがわかるんだ!」
「ふふふ。君はわかりやすいからね」
「ん?それってバカにしてる?」
「してないよ」
「そっか」
「じゃあ、また夜に寮で会おうね」
「うん!」
僕とヨア達は別れる。一応魔法をかけておこうか。
追跡魔法 マーク
これでヨア達に何かあっても安心だね!
僕はアスレチックダンジョンにもう一度潜っていった。