変わる日常
一時間目のチャイムが鳴る。それと同時に先生が入ってきた。
「はい!皆さんおはようございます。今年度の二年生の生物を担当する【浅沼明美】です。よろしくお願いいたします」
ザワついていたクラスに高音で可愛い声が響く。そしてクラスメイトは先生に注目する。
「静かになりましたね。改めまして浅沼です!よろしくね!」
その人は浅沼といった。とても綺麗でスタイルもいい。そして白衣に眼鏡だ。
この科目を愛しているのだろう。すごく似合っている。
「じゃあ今日は皆とは今日は初めてなので、自己紹介をしてもらいたいと思います。」
クラスがまた少しざわつき出した。そして何人かは俺の方を見ている。
だが今までと違って嫌な視線ではない。
「はい!じゃあ出席番号順で行きましょう!まずは、1番の方!」
とこんな風に始まっていき。直ぐに俺の番になった。
「えーと、九条涼雅です。趣味とかは特にありませんが、料理なら得意ですし、好きですね。よろしくお願いします。」
ふぅー、何とか挨拶できた。拍手はあるけど、大半の女子が顔を赤らめて拍手している。それに先生も顔を真っ赤にしてるし。そして、おいそこの陽キャ二人衆まで見てきやがって。なんだその乙女みたいな顔は。俺に言ったことは忘れてないぞ。
それに男の方は俺を睨みつけてくる。なんで?
その後も進んでいき御坂の番になった。
「はい、次は御坂さん!お願いします!」
「…………」
「み、御坂さーん?」
「ハッ!は、はいっ!み、御坂鈴音です!す、好きな物は、と、と言うか好きな人は……あぅ」
ここでまたもや御坂は暴走し始めた。一瞬こちらの方を見てまた顔を赤らめながら今度はうずくまった。その様子に陽キャ二人衆は口を開けている。どうやら彼女の素を知らなかったようだな。
ところでほんとに御坂はどうしたんだろ?大丈夫かな?
「は、はい。もう大丈夫ですよ。これ以上見てたら胸焼けしそうなので。」
いや先生も辛辣ぅー!もうちょっと優しい声掛けしろよ!
そんなこんなで自己紹介という名の一時間目が終わった。
★☆
そしてその後は何事も無く昼休みになった。
「お腹空いたなー。弁当どこで食べようかなー」
俺は今まであの格好をしていたので当然友達もいない。従姉妹や妹とも関わらないようにしていた。なので、俺はいつも通りどこで弁当を食べるか迷っていたのだ。
考え込んでいるとまたもや教室が騒がしい。
「お、おい!あれは!あの方は!」
「音羽様!音羽様だ!!五大美女が一人音羽様!だが何故ここに?」
何事とかと俺も少しだけ騒がしい方を向く。
するとある人と目が合った。
「あっ!居ました!発見です!私の王子様♡」
そんな事を言いながらこちらに近づいて来た。
ん?待てよ?この子は昨日の……
「あ、あの……王子様……い、一緒にお昼ご飯を食べませんか?」
「君は昨日の!え?でもいいの?俺なんかと?」
「何言ってるんですか!昨日私を助けてくれたじゃないですか!そ、それに私がそうしたいからいいんです!」
「そうか!なら一緒に食べよう!」
「はぅん♡ふぁい♡」
そうか!この子はお礼のつもりで、俺なんかと一緒にご飯を食べてくれるんだな!
それにしても急に静かになってどうしたんだろう?クラスの皆は。
それに御坂も口をあんぐり開けている。
するとクラスメイト全員による悲鳴がまた響いた。
「「「「「「え、ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」」」」
「あ、アイツまた美女を侍らせやがって!」
「や、やっぱり顔なのか?男は顔なのか?」
「さっきは御坂さん。次は音羽様だと?チクショー!」
「私一緒にって誘おうとしたのに。」
「私も誘おうとしたのに」
「ていうかまだ九条君と一回も話してなーい」
「あの容姿を見てたら素顔を隠したくなるのもわかるわね」
クラス中からそんな言葉が聞こえてきた。チラッと御坂の方を向くと一瞬目が合ったが、俺はこれ以上視線を浴びたくないので、彼女の背中を押し教室を出たのであった。
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