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恋する乙女

私の名前は【御坂鈴音(みさかすずね)】いきなりなんだけど、私恋をしてしまったみたいなの。


事の発端は今日彼に悪口を聞こえる声で言ってしまったから、それについて謝ろうと思って勇気を振り絞って校舎裏に呼び出した。そもそも私は人の容姿について悪口を言える奴じゃないのに。


そして私は誠心誠意彼に頭を下げた。すると彼はすごく優しい声で許してくれた。それどころか、私の事を話すと努力して高校デビューした事をカッコイイと尊敬すると言ってくれた。


あぁ!と、その時私は初めて努力してよかったと私は思った。報われたと思った。一番言って欲しい言葉を言って貰えた。そのことだけでも嬉しかった。だからこそわたしは彼の素顔を知りたかった。


そして私が素顔を見せてくださいと言うと急にオドオドし始めて最終的には観念して見せてくれるのとになった。


それに驚いたことにこの格好を十年近くに渡りしていたのだと言う。しかも妹達の言いつけだそうだ。それについて私は全く意味がわからなかった。なぜそんなことが出来るのか。でも彼にも色々あるのだろう。だから深くは聞かないようにした。ただ、この人はドMなんだと思う。


そしてようやく素顔が見れると思い少し緊張しながら彼を見ていると、そこにはとんでもないイケメンのいや魔性の魔顔と言ったらいいのでしょうか、こんなかっこいい人芸能人でもモデルさんでも見たことありません。とりあえず私は彼の素顔を直視出来ずそのままその場を立ち去ってしまいました。


自分から聞いておいて挨拶もなしに逃げるなんて私嫌われたかな?トホホ……


でもでもあんな神みたいなイケメンさんなのだからそれは仕方のない事だと思い私は明日にでも今日の事を謝ろうと決意しました。


それしても、


「なに?あの美の美あれはもう意味わからないわ!今思い出しただけでも鼻血でそう。それに体が熱い、それに下腹部も……あっ!やだ濡れてきた……これはもう運命と言ってもいいんじゃないかしら?だって私もう九条君の事しか考えられないわ!」


女ってなんて単純なんだろう。それに単純なのは私だと思うけどね。でもいつか九条君とお付き合いすることが出来れば!!


よし!頑張ろう!これからは心を入れ替えて頑張ります!


「あ、でも急に呼び出したから、九条君私の名前知らないかも。明日一応名前伝えよ。」


少し抜けてる鈴音さんだった。



★☆★☆★


私の名前は【鳴坂音羽(なるさかおとは)】高校二年生。私はいつも通り学校から下校していた。少し寄り道したけど。と言っても飲み物を買いにコンビニに寄っただけだけどね。


私は昔から容姿だけは良かった胸も大きいし食べても太らないし顔もお母さんに似てすごく可愛いと言われる。なので男の子からの告白も何度もされたしそれについては別に嫌ではなかった。


だけどそれは中学校まで、高校に入るとしつこい人は居るし、やや暴力的な人もいるし、今はそれが怖くて仕方ない。別に告白されたくてされているんじゃないし、私も今の所はそういうつもりもない。だから高校に入り男の人の目を見るのがすごく怖くなってしまった。


そんな中今日の下校中に最悪のことが起きた。一人のいかにも下衆そうな笑みを浮かべて私に迫ってくる男の人。その人が私と気持ちいい事をしようと言ってきた。

その時私は物凄い吐き気がした。と同時に泣きそうになりながら必死に抵抗していると、横から声がかかった。


ふと横を見るといかにも暗そうな()がいたのだ。

そんな、二人からなんてほんと無理だからと思いつつ私は半分諦めかけていたその時。


彼は男の人に確認をしていた。ん?これは…


「はぁ、だーかーら!この子が嫌がってるから離せって言ってんの!」

「は?何言ってんの?俺達は今から用があるんだよ。」


この人助けようとしてくれてる!

と少し安心して私はすぐさま否定した。


「ありません!!!はなしてください!」

「っち!暴れんじゃねーよこのクソアマッ!!」


ヒッ!何よホントのこと言っただけなのになんで殴られないといけないの?私はその時そう思い咄嗟に目をつぶりました。けれども一向に何も起きません。そしてゆっくり目を開けると()が私を助けてくれていました。


するとすぐさま彼は私を解放し私の前に立ちます。あぁなんてかっこいいんだろう。こんな男の子も居るんだ。


そこからはあっという間でした。彼は逆上した男の人の拳をわざと躱さず攻撃を受けていました。するとその殴られた拍子で彼から何かが落ちました。


そこからです私の記憶が飛んだのは。そこからのことは全く覚えていません。気付いたら終わっていました。


彼がそれは心配してくれていたのにも関わらず私の意識はは終始有り得ないぐらい飛んで言ってしまっていました。


それぐらいに【美】だったのです。彼の全てが。

性格、声、顔、気遣い、全てが私の中にストンと入ってきました。


そしてそんな彼は家まで送ってくれると言ってくれたのですが、さすがに私は耐えることが出来ないであろうと思い断りました。あの時のことを考えるとナイスと褒めてあげたいぐらいです。もし送って貰っていたら、今度は私があの男の人のようになってしまいそうだったからです。


お断りをして彼に挨拶をして帰ろうと思い少しだけ振り向くと、それはもうあれえないぐらいの美しい微笑みで私を見送ってくださいました。

あぁきっとここが天国なんだろうな。

さっきまで襲われていた人のセリフじゃないですが。ていうかさっきの事なんてほんの些細なことです。むしろ感謝します。私と彼を出会わさせてくれたことに。


そしてフラフラになりながら家にたどり着き自分の部屋にもたどり着いた私は今日の事を思い出し無我夢中で乙女の嗜みをしました。


そして少しすると我に返ることが出来ました。

シーツを変えないといけませんね。はぁ。

ですがそんなのは些細なこと!名前を聞くのは忘れましたが、幸いな事に同じ学校という事だけは分かりました!明日から私の王子様を探したいと思います。そして行く行くは……キャー!


「待っていてね!私の王子様♡」

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