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こ、これが男の娘!

ブックマーク100件を超えました!皆さんありがとうございます!


これからも頑張ります!

俺はほんの少しだけ固まってしまった。女の子(・・・)がずぶ濡れなのだ。これはやばい状況なのでは?と思い、少し考える。


「なぁ、涼花家戻らない?」

「え、えぇ……そうしましょう。」


幸い家を出てすぐだったので俺達は家に帰ることにした。


「今から俺の家に行こう。びしょ濡れじゃ風邪をひくかもしれないから。」


俺はそう彼女(・・)に告げる。

すると彼女は静かにコクンと頷いた。


そして俺たちは再び家に戻り学校に連絡し欠席することにした。

まぁ、背に腹はかえられぬ。うぬ。


「とりあえずシャワー浴びてきたら?」

「コクコク……」


この子は喋るのがあまり得意ではないのか?と思いながらも、俺達は彼女がシャワーに入っている間にリビングで少し話し合った。


「あの子なんで男の制服なんてきていたんだろう?」

「りょ、りょうにぃ!?本気で言ってるの?」

「うぇ?な、何が?」

「はぁ……りょうにぃってほんとに鈍感ですね。」

「なんだよ!どういうことだよ!」

「それはもうすぐわかることですよ!」


俺の疑問は最もの筈だ。女の子なのに男の制服を着るなんて、どっかのお金持ちの生まれで、男の格好をして学校に行けとか言われてるんだろう!

そうだろうそうだろう!なんて可哀想な。

それなのに涼花ったら、お兄ちゃんに鈍感とは。一体誰に似たんだか。


だが俺がそう思っているとリビングのドアが開いた。


「あ、あ、あのシャワーあ、ありがとうございました!」


俺はその声が聞こえた方向を向くするとそこには……


「あぁ!ちゃんとから、だ、を温め……」

「はぁ、だから鈍感って言ったのに。」


うぇぇぇ!どういうことー?なんで下半身にタオルを巻いて上半身を大っぴらに、大々的に晒してるんだー!!……ん?なんだ?あの黄色いの。って!それよりも


「あ、あのー、その、僕()です……」

「ギャァァァ!ま、まえ!上半身と前隠せっ……へ?今なんて?」

「そ、その言いにくいのですが……僕はれっきとした()です。」


ギョエェェ!まじかー!!!こんなに、こんなに可愛い男がいるのかー!!!

世界は広い……。


「す、すまない!俺はてっきり女の子だと……声も聞いたら尚更。」

「い、いやいいんです。もう慣れていることなので。」


うむ。何やら俺は地雷を踏んだのか?そんなにシュンしないでよ。


てか日に日に俺の心の中の性格が変わってきてるのだが。まぁそんなことはどうでもいい。


「ほ、ほんとごめんな!えぇと……」

「七夏と言います。遊咲七夏(ゆうさきななか)と言います!高二です!」

「名前まで可愛いかよ!しかも俺と同い年!」

「あぅ!」


あぅ!じゃねー!何だこの可愛い生き物はこれが男だと誰が信じるか。


そこで涼花も挨拶をした。


「私は一年の九条涼花です。こっちは兄の九条涼雅です。よろしくお願いします。七夏(・・)先輩。」

「あぅ!ひゃ、ひゃい!よろしくです。」


うわぁ、涼花。お前、もうそれは鬼だよ。楽しそうなおもちゃを見つけた鬼だよ。鬼


「りょうにぃ?何か変なこと考えていませんか?」

「い、いや別に?」


鋭いんだよなー。俺の妹は。

そして服を乾かしているので服がなく俺のTシャツを着たタイミングで俺は質問した。


「それはそうと遊咲、なんでびしょ濡れだったんだ?」


そう。俺が一番気になっていたところはその事だ。


第一今日は早くから雨が降っていたので傘を忘れるなんてまず有り得ない。とすると他に理由があるのか?


「あ……そ、それはえーとその……」

「ん?どうした?言いづらい事なのか?それなら別に無理して聞かな……」

「い、いえ!言います!相談させてください!」

「そうか?でもあまり無理して言うことじゃないんだぞ?」

「いえ、良いんです。きっと貴方達なら言っても信じてくれる。」


そう言うと遊咲は少し深呼吸をしてまた口を開いた。


「実は僕いじめられてるんです。」

「な、何?それは本当か?」

「は、はい。主にクラスの男子から。他クラスの男子はそんな事をしないしそれどころか、気さくに話してくれます。けれどもクラスの男子からは……それはもう凄いです……」

「それで?」

「はい…それで今朝もそのいじめて来る子に傘を奪われて、それで……」


なんということだ。こんなに可愛いのにイジメだと?なんて醜いヤツらなんだ。


「七夏先輩!私達に出来ることがあれば手伝いますよ?」

「い、いや……僕は復讐とかはしたいとは思わないんだ。ただ、僕へのいじめが無くなったらそれで。」


なんて優しくて健気な子なんだろう。自然と守ってやりたい欲が湧いてくる。


「いじめとは具体的に何されてに来たんだ?」

「そ、それは……トイレで水を掛けられたり、物を盗まれたり、カバンをギタギタにされたり他にもまだ色々と。」


俺はギリッと拳を握る。

それはもはやテンプレだが過激ないじめと言ってよかった。


「他には?暴力とかも受けたんだろう?」

「な、何故それを!」

「さっき風呂から出てきた時痣の治りかけで黄色くなってたからな。」

「……はい。その通りです。」


俺は耐えられそうになかった。俺も家族には言ってないが、中学の時に似たようなことがあった。ここまで過激なことは無かったが。それでも凄く不快な気持ちになった。


なので俺はその地獄から彼を救い出してあげたいと思ったんだ。


「いじめてくる人数は?」

「三人ほどで」

「そうか……よし!俺が何とかしてみる!」

「え?そんな!悪いよ!」

「なーに言ってんだよ!もう俺達友達だろう?」

「っ!!で、でも。」

「でも、じゃねー!俺が助けてあげたいと思ったから助けるんだよ!」

「九条君……」


このままでは七夏は高校生活を楽しめないからな!


「りょうにぃ!私も!私も手伝うね!」

「おう!でも涼花もあまり無茶はするなよ?」

「うん!わかった!」


涼花も優しいな。そして可愛い。


「あ、あの!その……ありがとう!」

「いいって!そんな事より今日は欠席にしたし。のんびりしよう。」

「あっ!りょうにぃ!最初からそのつもりだったんでしょう!」

「ん?なーにーがー?」

「フッ!アハハハッ!」


それは遊咲が久しぶりに心の奥底から笑ったのではないかと思うぐらいの心地よい笑い声が家の中に響いたのだった。

いじめって本当に無くなればいいですよね。




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