中学3年編⑤
うん…_(._.)_
酒の力借りて書いちゃダメだな(;´д`)
そして予約投稿を忘れるという失態!
すみませんでした!!orz
俺の問いに里津は答えない。こいつがこう言う時は既に答えに至るピースが全て揃っている場合だけだ。
考えだし始めてすぐに1つの仮説が思い浮かんだ。そして早朝からの一連の場面がフラッシュバックした。
(まさか……まさか………それでも……いや、そう仮定すると全ての辻褄があう。)
この時の俺は恐怖とも絶望ともつかない感情に支配され顔が蒼白に染まり震えていた。
たどり着いた答えを否定したいのにたどり着いてしまったが故に否定しきれない。
俺は一縷の望みに賭けて里津に答えを求めるべく話しかけた。
「里津……お前友里と繋がっているのか?」
「良くできました。」
返ってきた言葉を聞き目だけを動かし里津の顔を見る愉悦の笑みを溢しながら俺を見下ろしていた。
「今の圭の顔最高よ♪」
黒い部分が溢れだしていた。里津は俺を困難や修羅場に放り込むことになぜか喜びを感じているらしい。
「いつから……というかどこからお前が絡んでんだ?」
「聞いたのは昨日の夜ね。」
「クソッ!」
今にして思えば最初からおかしかったんだ。いくらなんでもこんな早朝に友里が玄関先にいた時点で異常事態なのだ。
普通に考えて日中ならわかるがまだ皆が寝ていてもおかしくない時間にいたら誰だってストーカーか強盗の類いを疑うのが真っ当な人間の思考だ。
「玄関先にいた友里もお前の入れ知恵か?」
「そうよ。『始発の電車で出掛けるかも知れないから5時くらいに行けば会えるわよ』って教えてあげたの。優しいでょ?」
「俺には全く優しさがないんだが?」
「それでね。『おかしいこと言ってくると思うから脅……説得して』って伝えたの。」
「今、脅すって言おうとしてなかった!?」
「そうしたら圭の事だから裏口から出てきてくれるって思ったの。これって運命だと思わない?」
「誰が思うか!全部テメーの掌の上じゃねぇか!」
「そうね。獲物が自分の思い描いた通りに動いてくれるなんて猟の醍醐味じゃない?」
「散々ムシしといて今さら素直に答えんなよ!それに獲物って何!?もう恐怖しかないんですけど!」
「あら、わたし狙った獲物は絶対に手に入れる主義よ。今宵あなたの心を頂きに参上……みたいな?」
「どこの大泥棒だよ!」
「今宵……ではないわね。もう朝ですものね。」
「もうヤダ……こんだけツッコミスルーされたら心が折れたよ。」
「あら、わたしは楽しいわよ。二人きりで愛しの人と語り合えたのだから。」
「これがお前の言う愛しの人と語り合うシチュエーションか!?」
里津は頬を高揚させ目を細めてまるで女神のように微笑んでいる。
これが日常の風景の中にあるワンシーンならばまだ成立したかもしれない。しかし今は里津に左腕を極められ馬乗りにされている状態である。
だから断言できる………そんなわけあるか!!
昂る感情を抑えて俺は努めて冷静に語りかける。
「里津……お前と語り合うならもっと落ち着いた時にしたい。」
「そんな……」
急にモジモジしだした里津を見てこのまま押しきろうとしたが次の言葉を聞いて俺は後悔した。
「………まだお付き合いもしてないのにいきなりプロポーズなんて……さすがに困るわ。」
(何言ってんのこの子!?どんな曲解したらそんな答えになるんだよ!!)
妄想の世界に旅立っているのか口元が緩み不気味に笑っている。
「あの…里津さん?どうしてプロポーズになってんの?」
「…………ごめんなさい。少し未来にいってたわ。」
(よかった。無事に帰ってこれたみたいだ。)
「だって今後のことについて語り合うのでしょ?」
「おお…もちろんそうだぞ。」
今回は普通に答えてくれるということに少し感慨深くなった。
「子供は3人いたわ。もちろんあなたのこどもよ。」
「…………………」
「嫁入りするものとばかり思っていたのだけれど婿養子も悪くないわね。」
「…………………」
「たまに喧嘩もしてたけどわたしが全戦全勝してたわ。」
「…………………」
「そして一緒のお墓に入ったわ。」
「………ちょっと待て。何を言ってんのか理解できん。」
バカと天才は紙一重というがきっと今までの俺の認識が間違えていたのだろう。
この子バカだわ!
「どうして?二人の生涯設計を語り合うんでしょ?」
はい!理解できました!
俺は仮定の話をしているのに対してこいつは俺との生涯の話をしようとしているだ。
確かに捉えようにとってはそうとも捉えることはできるが……
「飛躍しすぎだ。俺が語り合うと言ったのはそういう意味じゃない!」
「………どういうこと?」
里津が怒気を含む言葉を発した途端得体の知れない寒気が来た。
「お、おい里津。ちょっとおちつけ。」
里津の雰囲気が変わったことを察して狼狽えることしか出来ない。
「まだわたしの愛が圭には理解できないのね。」
「そんな重い愛はノーサンキューだ。今どきヤンデレなんて流行らんわ!」
「でもそんな圭も愛してる。」
「お願いだから会話のキャッチボールして……」
「そんな圭にもチャンスをあげる。」
それと同時に俺の左腕がギリギリと締め上げられていく。
「今すぐわたしと駆け落ちしてくれるならわたしの寛大な心に免じて許してあげるわよ。」
「痛い!痛い!!こんなのチャンスでもなんでもねぇよ!ただの脅しだろ!?」
「返事は?」
はい!また会話が成立してません!
「したとしても生活はどうすんだよ!?俺らまだ中坊だぞ!」
「そんな心配は要らないわよ。株とFXで貯金は十分あるから。」
確かにこの天才様なら金を稼ぐだけなら簡単にこなしていまうだろう。
唯一思い付いた逃げ道も塞がれてさらにしびれを切らしたのかさらに左腕を締め上げ本気で折りにきた。
味会えば分かるが痛みというのはある程度までは暴れたり叫ぶこともできるがそのある程度を越えると声さえもでなくなる。
それでも俺は痛みに耐えながら意を決して口を開いた。
「し…な…い……!」
仮に里津のことを駆け落ちしたいほどすきだったとしてもこんな脅しのような形で同意してもきっと二人とも幸せにはなれないと思ったからだ。
俺の拒否の意思を受けて左腕を持っている里津の手に力が入ったのを感じた。
後悔は無かったが折られるという恐怖に目をつむり力一杯歯を食いしばった。
しかし折られることはなく代わりに「良くできました。」と耳元で囁かれ頬に今まで感じたことのない柔らかい感触がした。そして同時に左腕が解放され背中にあった圧迫感も消えた。
左腕が解放されたこと背中の圧迫が消えたこと体の自由を得たことにより体に溜まっていた痛みを次々に認識してしまったことでその場から動くことができなかった。
「少しやり過ぎたかしら?でもあなたにも罪はあるからこれくらいは許して頂戴。」
里津が何か言っているような気がしたが遠くから喋りかけられているような錯覚に陥ってうまく聞き取れなかった。
それからどれくらい時間がたったか解らないままようやくうずくまることはできるようになった。
何か重大なことを忘れていると思ったが今は体の回復を最優先させることを選んだ。
すると目の前に足が見えた。里津か?と思い目線を上げるともう標準装備だろうと思われる笑顔に青筋をたててとんでもないオーラを纏った友里が仁王立ちしていた。
「こんなとこで何してるのかな?」
(あぁ…思い出した。今日は俺の命日だった。)
これからももりもり書いていきます!
応援………してくれたら嬉しいな(*´ー`*)
次は土曜のどこかで会いましょう(^^ゞ