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彼女は森の中で目が覚めた。

はじめまして。

興味を持っていただき、ありがとうございます。

 そこは深い森の中だった。

 どの木も大人が両手を広げたとしても直径にすら届かないくらい太い。

 その太いみき辿たどって見上げても青い空を見る事はできない。

 頭上、十メートルくらい離れたあたりから白いきりが空一面に広がり、木々の上部をおおい隠しているからだ。

 幹は枝を伸ばす前に、その霧の中に溶け込んで緑の葉っぱを見ることすらできない。

 あたりは薄暗うすぐらい。

 でも濃いくもりの日ぐらいの明るさはあるので、周囲を見渡すことは出来る。

 だからそこまで厚い霧ではないのかも知れない。


 ただ、こんな所は若くかわいい女子学生が来るような場所じゃない。

 そんな場所に来てしまったウチは、私立の井之頭学園いのがしらがくえん、二年、柏川かしかわミコト。

 学園での評判は、ほぼ不登校で問題児、髪は茶髪で、全身を適度に焼いてる、世に言うギャルって感じだ。

 とりあえず、ほっぺをペチペチ叩いて頭をハッキリさせる。

 どうにもボンヤリしていて記憶が曖昧あいまいなところがあるからだ。


 「誰かいないのー!?」


 ・・・寝ていた地面から上体を起こして、大声を出した。

 けど、返事は無い。

 聞こえてくるのは、ウチの声に驚いた鳥の羽音と、違う鳥の鳴き声だけだ。

 ピーチクパーチク上が騒がしいけど彼らにはウチが見えてるんだろうか?


 さて、正直どうやってこんな森の奥に来たのか分からない。

 最後にある記憶は、たしか旧校舎から外に出たところで、地面が強く光った事。

 目を刺す様な強い光で、思わず目をつぶって、腕で顔を覆った。

 そして次に気がついたら、こんな見たこともない場所で寝ていた。


 自分で来た記憶がないんだから、誰に連れて来られたんだろう。

 その誰かは分からないけど、何で連れてこられたのかは、心当たりが有る。

 たぶん、ウチはさらわれたんだ。

読んで頂きありがとうございます。

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