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東雲華の日記帳と消えた日常  作者: 如月 楸
出会い
3/6

再開

第3話です。謎が深まり、解決した時の爽快感を読者にも体験していただけたらなと思います。


それから間もなくリビングにいる妹の奈緒に朝飯がいらない旨を伝えると、あきれた顔をされたが、昼の弁当に追加されただけで特に何も起こらなかった。

妹が作ってくれた弁当を受け取り、玄関を出るとそこには意外な...いや、いるはずのない友人がいた。


「ハル君、おはよう。今日はいつもより5分遅れての登校だね」

「おはようって、なんで実希ここに居るんだよ。おまえも今日入学式だろ?」

「別にいいじゃないか、僕のきまぐれだよ」

こいつは毎度毎度こんなんで...ほんと大丈夫なのか?

実希、西原実希は小学校からの腐れ縁であって一番苦手な人物だ。無駄な干渉はしない癖に僕には無駄に干渉してくる、これはお節介を通り過ぎて理不尽に思えてくる。そんなことをもう、10年目になるが何とも憎めないのである。というか、こいつしか仲のいいやつがいないだけかもしれない。実希の短く切り揃えられた髪が風になびいている。名前からも分かるとおり実希はどちらかというと女子に近い、身長も女子並みで男子とは思えないほどの小顔に形の整った目鼻、そこにサラサラのショートの髪が女子っぽさを醸し出している。そこらの女子よりもかわいいのではないのかと思うときもなくはない。まぁ、こいつの本当の姿は腹黒女子顔負けの性格の悪さだ。それはおいおい分かっていくだろう。

「そんなことよりもハル君はこんなところで油売っていいの?もう入学式始まるよ?」

「御冗談を...それはお前も同じだろ?」

「僕はハル君とは違うからちゃんと学校には遅刻の連絡は入れてきたさ。それよりも早く学校に向かおう。いくら連絡をしたといっても遅すぎるのも問題になるからね!急ごう。それに...」

こいつが口ごもるなんて珍しいかなり言いずらいのかそれとも言葉が見つからないのか...とにかく、こいつが口ごもることにあえて突っ込むなんて野暮なことはしないでおこう。

「あぁ、そのとおりだ。急ごう」


「そういえばハル君。自転車はどんな調子?」

実希は少し小走りになりながら僕に訊ねてきた。その姿を見て身長が低いのも考え物だなと感じた。

「どんなも何も...実希のせいであぁなってるのにわざわざ聞く必要あるか?」

「ないね」笑ってる。実希は笑っている。自分に責任があること理解してるのか?こいつのことだからきっと理解してないだろうな...。

「はぁ、思えって奴は...」

「そんなあからさまにあきれた顔しないでよ。いつものことじゃん」

「自転車は普段から壊れることはないからな?」

「それはごめんって」

「でも、昨日のあれって一体何だったんだ?」

「ハル君分からなかったの?川に人がおぼれてたんだよ!あっ、ハル君土手を自転車でかけ下りようとして転んで意識失ってたから覚えてないのか、無理もないね」

「それは、実希が人が死んでるって大声でこっちだって動揺して慌ててたから仕方ないだろ。それで、そのおぼれてた人は助かったのか?」

「うん。ハル君が転落した時に自転車のハンドル部分がとれてて、それで助けられたよ」

「...実希」

「なに、ハル君?」

「取れてたんじゃなくて実希がとったんだろ」

「あれ、気付いてた?気付かれないようにやったつもりだけど。まぁ、人命優先ってことで!」

「そういう理由ならしかたないな。でも、その、おぼれてた人って誰だろうな?実希分かるか?」

「ハル君、その人に弁償させようとしてないよね?そういうことならおしえないよ」

「そんなわけないだろ、単純に誰なのか気になっただけだよ」

「悪いね、ハル君僕にも分からないんだ。助けたのはいいけど、軽く会釈して帰っちゃった」

「帰っちゃったって、なかなか無礼な奴だな。なんで呼び留めなかったんだよ」

「なんか、面倒で...でも凄く可愛い人だったよ。年もたぶんあんまり変わらないと思うよ」

「ははは...見とれてたのか...それで、今日の入学式にその人がいたら運命だな」

「見とれてなんていないよ!それに運命なんてあり得ないよ。運命だとしても咲良がそれを許してくれない」

「あいつか...そういえば咲良も紫桜だったよな?」

「僕についてきたみたい...」

「実希も大変だな...頑張れ」


そんな話をしているうちに目の前には紫桜高校があった。

道路を挟んで向かい側に正門がありその奥に本校舎が見える。ここからでは見ることはできないが、その奥に特別校舎(特別棟)とグラウンド、記念館、体育館があるらしい。詳しくは実際に見てみないとどうにも分からない。

正門には入学式と書かれた大きな看板が立てかけられていた。それを見て、僕は後悔の念が生まれた。その一瞬の顔の変化に実希が気付いたのか食いついてきた。

「不安なの?ハル君」

「そんな、女子見たく言ったって実希は男子だ、揺らぐことはない」

「ちぇ、つまんないの」

「だけど、緊張はしている」

「あ、あの、ハル君が緊張!不動のハルと呼ばれたこのハル君が緊張だって、これは明日は嵐だな」

「実希、おまえは僕は何だと思ってるんだ...」

「ご、ごめんよ。ハル君、そんなに怒らないでよ。軽い冗談だってば」

「まぁ、いいさ。緊張はほぐれたし、今回だけは許してあげよう」

実希の冗談で緊張は本当にほぐれていた。


正門をくぐり、本校舎を左に見ながら、裏に回ると、右側にグラウンドその向かい側に特別棟、それの奥に体育館があるようだ。遠目からでも体育館の周りには人が常に行き来している様に見える。

憂鬱になるが、諦めて体育館に向かった。

グラウンドには先輩だろうか、サッカー部と野球部がせっせと部活動をしていた。僕は絶対に運動には入らないだろう。運動は苦手だ。

そんな無駄な思考をしていると目の前には体育館の入り口が見えていたが隣を歩いてた実希の姿が無かった。後ろを振り返ると実希が真っ青な顔をして立ちすくんでいた。

「どうした?なにか見えてはいけないものが見えたか?」

これは思ったよりも上手いジョークがいえたものだ。だが、実希は一向に返答しない。もう一度振り返ると実希の口がかすかに動いてるように見えた。

「.......のめ...」

「え?何だって?」

「東雲...華...」

東雲華?誰だそれ?

「東雲って誰だよ」

「昨日の、昨日の人」

実希の顔がどんどん青ざめていく。死ぬんじゃないか?大丈夫か?と聞こうとしたとき誰かに声をかけられた。


「久しぶり。西原くんもこの学校だったのね。昨日はありがとう」

感情のあまりこもっていない話口調と特徴的な釣り目がとても印象的だった。

「ど、どうも」

実希はたじたじだ。もう、今にも倒れそうなほどの汗を噴き出している。なんだか、汗をかいた首筋が艶めかしかった。失敬。

急に参上した彼女は僕の方を向きこういった。

「先輩っ!お久しぶりです!私です!東雲華です!ずっと、ずっと、愛焦がれてました...何年この再開を待ったか。私本当にうれしいです...」

彼女はそう言い嘘か真実か涙を流した。

実希の動揺ぶりと東雲と名乗った少女の登場により周りが見えてなかったのか、僕たちの周りには入学式終わりの生徒達に囲まれている。

時計を見ると時刻は9時を回ったところだったがこの時間ではまだ入学式は終わってないはず......思いだした。

入学式は7時30分に変更されていたんだ。忘れていた...。

なぜか周りのヤジは増え、大騒ぎになっている。グラウンドで練習していた先輩たちも加わって、余計に盛り上がっている。

実希の安否が気になり見渡すが姿が無い。東雲華はなにかもじもじしている。

実希を探そうと、ヤジをかき分けようとしたとき、東雲華が何かをさけんだ。

「せ、先輩!わ、わたしと...付き合ってくださいっ!」





「...は?」





ここで東雲華ちゃん登場だね!いやー華ちゃんのイメージがあるから頭の中で映像が...僕も華ちゃんに...ゲホゲホ。

とにかく、ポケットの手紙、実希の行方、東雲華の正体。謎いっぱいだね!あ、忘れちゃいけない夢の謎!

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