第74話 レベルアップとスキル等級上げ(7)
地魔竜の草原を抜けると灼熱の大地だった。
火柱が幾つも大地から地上へ吹き上がり、蒼炎が大地を踏みにじる。翔太は試しにスキル《解析》を灼熱の大地にかけてみる。
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【灼熱の大地】
■説明:蒼炎と炎柱が常に存在する大地。
■クラス:希少級
■効果:【体力】300以下の者は炎系の耐性を持つ者以外、有無を言わせず消滅する。
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(うへぇ。例のごとく出鱈目な場所だ。【体力】300以上なんて、人間種ではほんの数人しかいない。ニュクスで現在5割くらいだろうさ。もっとも、テューポのスパルタ修練のせいで、ほぼ全員が500は超えると思うけどね。
それにしても、クラスが希少級か……大地にも武具やアイテムと同様のクラスがあるらしい)
この灼熱の大地も翔太達にとっては少し熱い程度にすぎない。ここでレベルアップと等級上げをして問題はない。そして今日は直ぐに次の場所へ移動しよう。
魔物は数種いたが実際に翔太達の相手になりそうなのは、3種類の魔物だけだ。詳しく見るために、スキル《解析》をかける。
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○炎猿
■種族:魔猿(魔物)
■クラス:炎猿
■称号:【炎神官】
■スキル:
《炎耐性》、《炎操作》、《炎化》、
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ステータス エンエン
レベル 70
才能 350
体力 705
筋力 741
反射神経 722
魔力 719
魔力の強さ 790
知能 700
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(ステータスは雑魚だ。まず《炎耐性》をラーニングしてから、レベル、スキル等級上げの際に《炎操作》、《炎化》をラーニングしよう)
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○爆発球
■種族:爆発球(魔物)
■クラス:中位爆発球
■称号:【爆弾魔】
■スキル:
《炎耐性》、《大爆発》
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ステータス ボマー
レベル 80
才能 400
体力 103
筋力 108
反射神経 105
魔力 2900
魔力の強さ 2920
知能 100
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(偉く偏ったステータスだよ。だけど、3000程度なら全くダメージは負わない。これも、《大爆発》をラーニングするべきだ)
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○冥府の番犬
■種族:冥府犬(魔物)
■クラス:冥府の獄卒
■称号:【炎帝】
■スキル:
《炎耐性》、《分解》、《爆発操作》
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ステータス ヘルハウンド
レベル 70
才能 550
体力 1502
筋力 1506
反射神経 1504
魔力 1514
魔力の強さ 1520
知能 1500
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(この魔物がこのフィールドにおける最強の魔物。だけど、雑魚なのは変わらない。《分解》、《爆発操作》をラーニングしよう)
「今日は手始めにここでレベル上げ。炎の猿は雑魚だから気にしなくていいよ。炎の球体は《大爆発》というスキルだけ気を付けて。
一番手ごわいのは、炎の犬。《分解》、《爆発操作》のスキルを使ってくるから絶対にくらっちゃだめだよ」
「前から気になってたんだが、ショウタは敵の強さがわかるのか?」
「うん。僕、解析スキル持っているから、スキルの所持からステータスまで丸裸さ。
フィオンとレイナは自己申告のあるステータスしか解析していないから見ていないよ」
「スキル《解析》……冒険者ギルド創始者のみが使えたとされる伝説のスキルか……伝説に神話、お伽話……ははっ、際限なくなってきたな」
フィオンは力なく笑いながら頭を抱えてしまった。
「そ、そういう事で、十分注意してね。じゃあ、また1時間後くらいに落ち合おう!」
力なく頷くフィオン、玩具を与えられワクワクを抑えても、抑えても微笑がこみ上げてくるレイナ。そんな二人を溜息まじりに眺めるディートという三者三様の姿を示し、今日の翔太達の冒険が開始される。
お読みいただきありがとうございます。
ここから翔太がモリモリ強くなります。最強系スキルもその存在がしたいに顔をのぞかせます。