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僕と俺の異世界漫遊記  作者: P・W
第二部 建国と変貌編
174/285

第67話 獣人の友達の防具を作ろう


1時間でどれ程作れるか。それを試してみたかったのだ。

 一瞬で作れる【神速創造】の能力のおかげで1秒あたり2個のペースで作成する事ができる。

 具体的な生成過程は、金属を選択して魔力で創造し、武具を作成する。金属は予め鉄を選択しておく。

 【完全なる制御パーフェクトコントロール】により【特質級(ユニーク)】レベル2に指定し、魔力により鉄を作り出し瞬時に、イメージを形成、固定し、武具を作成する。

 鉄を予め選択しておけば、鉄の魔力による形成は0.01秒程度しかかからない。この武具の作成に一番時間がかかったのは、イメージの形成だ。もっとも、イメージの形成と固定に時間がかかると言っても、2万後半台にもなった知能のおかげで、2~3秒程度しかかからない。さらに一度イメージを記憶し固定してしまえばこのイメージの形成時間は限りなく零となる。

 これにより、【特質級(ユニーク)】レベル2の【日本刀】、【ロングソード】、【ショートソード】、【クレイモア】、【ブロードソード】、【スピア】、【プレートメイル】と【鉄の盾】、【鋼の盾】、【ミスリルの盾】を4000程作った。感謝セールで売るには十分な数だろう。


 部屋に充満した武具により座る場所も無くなったところで、人間族の受付のお姉さんがお茶を持って来てくれた。

 お姉さんは1時間ほどで突如出現したガルト工房の武具の山に腰を抜かしていた。彼女を落ち着かせ、隣の日本刀工房へ移動する。


 お姉さんが持って来てくれたお茶モドキを飲みながら、自らにスキル《解析》を行使する。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――


スキル

《錬金術(第8級――深淵級)》   

■説明:適切な素材を用いれば超越級レベル4までのありとあらゆる武器、防具、魔道具を作り出すことができる。

■叡智:

金属、素材から作成できる深淵級(アビス)までの武器、防具、魔道具を検索できる。

特定の性能をもつ深淵級(アビス)までの武器、防具、魔道具を作るのに必要な素材を検索可能。深淵級(アビス)までの武器、防具、魔道具のクラスとレベルを識別可能。

■【能力発現支配】解放:作成される武具、アイテムの能力は一定の限度でコントロールが可能。

■【金属素材変換】解放:いかなる金属、素材でも、魔力を通して形態・性質を自由に変化させることが可能となる。

■【金属素材創造】解放:様々な金属・素材を自らの魔力を用いて作成することができる。

※作成できる金属、素材は魔力と才能により異なる。

■【エリクサー創造】解放:【魔力】と【体力】を用いてエリクサーを創造する。魂がその場にある限り、例え死んでいても生き返らせ、ありとあらゆる病、怪我、バットステータスを全快する万能の妙薬

※ただし、死んだ場合魂がその場にある時間である10分を過ぎると使用不可となる。

※脳か心臓がなければ全快は不可能である。

■【完全なる制御パーフェクトコントロール】100%解放:武器・防具、魔道具のクラスとレベルを自在に制御可能。

※ただし、深淵級(アビス)レベル2までしか制御できない。

■【神速創造】解放:神速の武具・魔道具作成。時を支配し、一瞬で武具・魔道具を作成する。

■【魔法・スキル能力付与】解放:金属、素材に錬金術師の魔法、スキルを一つだけ付与する事が可能。

※ただし、超越クラスのスキルまでしか宿すことは出来ない。

■【賢者の石創造】解放:この金属を用いることにより12つの奇蹟を実現させる事が可能。

※ただし、全ての能力に一定の限界がある。

12つの奇蹟:時間支配、次元支配、運命操作、性質変換、反転、具現、創造、消去、反射、傀儡、進化、略奪

■【深淵創造】解放:深淵級アビスの武器・防具・アイテムを作る事ができる。

■《万物開闢(まんぶつかいびゃく)》への進化の道が開けました。

進化には《建築の神(ゴヴニュ)》と《魔法機械工学の神デウス・エクス・マキナ》と《生産業の神(アメノホヒ)》と《万能開発術》を共に生贄に捧げる必要があります。

■クラス:超越級

■必要使用回数: ――


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(《万物開闢(まんぶつかいびゃく)》ねぇ。錬金術は極めて使えるスキル。それを生贄にしてよいかは微妙だ。まあ、そのときになって考えればよいよ)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【魔法・スキル能力付与】解放

■金属、素材に錬金術師の魔法、スキルを一つだけ付与する事が可能。

※ただし、超越クラスのスキルまでしか宿すことは出来ない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(【魔法・スキル能力付与】だ。僕は魔法を使えない。だから、魔法の付与は無駄だ。だけど、スキルの付与はこの上なく使える能力だろう。少なくとも武具には使える)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【賢者の石創造】解放


■この金属を用いることにより12つの奇蹟を実現させる事が可能。

※ただし、全ての能力に一定の限界がある。

12つの奇蹟:時間支配、次元支配、運命操作、性質変換、反転、具現、創造、消去、反射、傀儡、進化、略奪

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(【賢者の石創造】は……また異常な能力だね。アイテムボックスに用いられている異空間生成、時間停止の機能などでも、素材さえそろえば《魔道具作成術》でも作成可能だった。 

 だけど、それはあくまで、一定の固定された範囲の異空間における時間を停止すると言った極めて限定された条件で成立しうる機能に過ぎない。例えば、この世界の時間を止める機能や、この世界に異空間を自在に出現させる機能などは絶対に実現が不可能なんだ。

 この【賢者の石】はこれらの奇跡を不完全ながらも実現できる機能らしいよ。まあ、作ってみないと実際の所は判断できないけどね)


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【深淵創造】解放:

深淵級アビスの武器・防具・アイテムを作る事ができる。

深淵級アビスの武器・防具・アイテムの作成には魂が必要。用いる魂の量と質に応じてその特殊能力、レベル、ステータスの上昇値等が決定する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(【深淵創造】か。やはり【超越級(トランセンデンス)】の先があったわけだ。でもこれで、ラシェルの武具も【深淵級(アビス)】で作る事ができる。結論的には上々だ)


 魔の森深域を探索する理由は今日の【金属素材創造】の能力を取得したことでなくなったと思っていたがそうでもないようだ。

 【深淵級(アビス)】の武器・防具・アイテムの創造には魂が必要らしい。この魂というのは十中八九、魔晶石の事だろう。つまり、強い魔物の魔晶石程強力な【深淵級(アビス)】を作る事ができるというわけだ。明日までに大量の強力な魔晶石を集めるべきだろう。





 さて武具の作成だ。

 まずはレイナから。

 レイナは機動性を重視した攻撃を得意とする。だから、ゴテゴテのフルアーマーなどレイナに相応しくはない。普段着ているようなラフな衣服に似せた防具でよいだろう。

 身体に密着するような上下一体型の赤と黒を基調する衣服。派手さは抑えつつ、細かいところまで装飾をこらして作成する。加えて、膝まで届く程のブーツ、そして、アクセサリー。

 この3つを作成する。

 多数の魔晶石を【金属素材変換】の能力を用いることにより混ぜ合わせる。防具の形態と能力のイメージをしつつ、魔晶石の塊と魔力によって造られる金属を融合させてやれば作成は完了する。英雄志向のレイナには自重する必要もない。寧ろ、能力を上げておかなければ、いつ無謀に強者に戦いを挑むかわからない。魔の森深域の入り口でさえ、魔王級の魔物がゴロゴロいるのだ。深部に行けばより強力な魔物もいるだろう。

 翔太の魔力で作る金属は鉄でさえ伝説の金属と同様の性質を示してしまう。もはや翔太の魔力で作る金属の名前を考えるだけ時間の無駄なのだ。作りたいものの形態と性能をイメージしながら魔力を込め、魔晶石と融合させてやればよい。要は、重要なのはイメージだけ。

 まず、上下一体型の赤と黒を基調する衣服。勿論、【魔法・スキル能力付与】スキルは付与する。付与するスキルももう決めている。《不滅の盾(イージス)》だ。スキル保持者の【体力】+800を超える【筋力】を持つ者の攻撃でない限りいかなる攻撃も無効とするスキルである。

 心情的には【賢者の石創造】の能力も使いたいが、あまりに、異常な能力であり、実験的にレイナに持たせるのは憚られる。なにせ、次元を支配する能力すらあるのだ。下手に使って、この世界から消失なんてことになるのだけ御免だ。

最後の絶対に必要な効果は、レイナのみに使用者を限定すること。今までも、【超越級(トランセンデンス)】はこの使用者限定の能力がついてあったが、完璧ではなかった。現に、フィオン以外でも能力を用いなければ、【村正】を振るう事自体は可能だったのだ。つまり、【村正】を盗まれればそれっきりという事だ。これでは困る。レイナ以外が装備不可能、装備者自動帰還の能力を付与したい。

 さて造るは【深淵級(アビス)レベル1】。材料は、今日多量に手に入れた地魔竜の魔晶石50個。これを【金属素材変換】で合体させ、一つの大きな塊とする。これで準備は万端。

 床に置かれた50個分の魔晶石の塊に右手の掌を当て、大切なレイナのための防具の形態と性能をイメージしながら魔力から金属と素材を形成し、ゆっくりと魔晶石と融合させていく。



 魔法のように呆気なく、【深淵級(アビス)レベル1】がこのアースガルズ大陸に生み落ちた。途轍もない疲労感が翔太を襲う。魔力がかなり消耗しているようだ。メリュジーヌに今日魔力を半分与える契約をしている。フィオンのも作らなければならない。レイナの防具の作成は、今日はこの辺にしておこう。

 さっそく、能力を確認する。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【ネメアウェア】

■クラス:深淵級(アビス)

■レベル:1

■説明:ギリシア神話に登場するライオン――ネメアの獅子の被毛から作られた衣服。

■性能:

【獅子の守り】:着衣者の【体力】+1500を超える【筋力】又は【魔力】を持つ者の攻撃でない限り、いかなる攻撃も無効化する。

【防具能力上昇限界突破(限定)】

【装備者限定・装備自動装着】

【才能】+400

才能以外全ステータス+4000

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(よし、成功だよ。《不滅の盾(イージス)》が進化した能力だ。着衣者の【体力】+1500にパワーアップした。しかも、物理攻撃以外の特殊攻撃も無効化できるようになったよ。

 ステータスについても+4000となるから、【フラゲルム・デイ】の+1500と合わせて、5500か。最低でもチェスさんクラスまで強くなる。つ~か、無敵だよね。これ……)


 さて、次はフィオンの防具。フィオンは剣士だ。比較的動きやすそうな【プレートメイル】でよいと思う。

 性能はレイナのときと同じでよいだろう。十中八九、ネメアの獅子の鎧ができる。形態は、翔太がよくやったファンタジー系のネットゲームでプレイヤーに装備させていたカッコいい鎧をイメージする事にした。


               ◆

               ◆

               ◆



 レイナの場合と同様に地魔竜の魔晶石50個を融合し、一つの塊とする。その魔晶石の塊に、掌を当ててイメージを形成し固定しながら魔力を込め金属と素材を作り、魔晶石と融合させていく。瞬間的にフィオンの紅の美しい装飾がなされた【プレートメイル】が出来上がる。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――


【ネメアメイル】

■クラス:深淵級(アビス)

■レベル:1

■説明:ギリシア神話に登場するライオン――ネメアの獅子の被毛から作られた鎧。

■性能:

【獅子の守り】:着衣者の【体力】+1500を超える【筋力】又は【魔力】を持つ者の攻撃でない限り、いかなる攻撃も無効化する。

【防具能力上昇限界突破(限定)】

【装備者限定・装備自動装着】

【才能】+400

才能以外全ステータス+4000

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


(くっ……。もう今日は打ち止めだ。魔力の4割強は持ってかれた。レベルアップするごとに魔力自体は回復するようなのにこのざまだ。大体、1万近くの魔力が持っていかれたらしい。メリュジーヌとの契約で1万3000近く失われる。今日は打ち止めだ)


 【ネメアウェア】と【ネメアメイル】をアイテムボックスにしまい、人間族と獣人族のカヴァデール店の店員のお姉さんに挨拶をして店を出る。

 ポーション、薬草、死回避転移の指輪と転移道具はカサンドラの所で今日中に作成しようと思っていたが、これほど、フィオン達の武具を作るのに魔力を消費するとは思わなかった。

 このまま、ポーション等を作り魔力を消費しては、メリュジーヌとの契約を果たせなくなりかねない。悪魔に仮を作るなど愚の骨頂だ。今日はテューポとの約束を果たして寝る事にしよう。

 メリュジーヌは店を出ると姿を現す。顔が興奮で赤らんでいる。


「あれほど武具を御つくりになるとは、主様は一体何者なのデス?」


「さあねぇ」


 翔太はメリュジーヌに視線さえ向けず宿屋キャメロンへ向かう。キャメロンには携帯用のマーカー――『七つの迷宮(セブンラビリンス)』の(ゲート)があるのだ。

 キャメロンの自室へ到着すると『七つの迷宮(セブンラビリンス)』のコントローラーを取り出し、第2階層に設定し、画面に表示された開門のボタンを押す。

翔太とメリュジーヌを眩い光が包込む。


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