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Q音

作者: HORA
掲載日:2026/07/10

2026年日本時間での7月10日未明に世界中から音が消えた。

試しに声を張ってみる、TVの音量を上げる、鳥は嘴を動かし(さえず)っている。

しかし一切の音が鳴っていない。


当初は世界中の人々がその状況を面白がり聞こえる音の高さや種類は無いものかと検証を行う。

更に音が聞こえなくなっているのか、そもそも鳴っていないのかの論争が起こる。

これに関しては機械で波形を見てみると一切の振幅が存在しなくなっていたので鳴っていないということで決着を見せた。

NEWSでは世界中が混乱しているという内容を字幕で流している一方で、

多くの人はこれは一時的なもので元の世界に戻るのではないかと楽観的に考えていた。


当然学校や仕事における日常生活でのトラブルが表面化してくる。

一日二日であればただ不便だな程度で済んでいた。

しかし、意思疎通の手段や業務で声や音が機能しなくなることは不便であり、危険であり、

さらに一部の職種、例えば歌手やアナウンサー、声優など声を生業とする人物にとっては死活問題であった。


しかし三日四日が経つ頃に想像だにしなかったトラブルが起こり始めた。

一部の人間が完全な無音によって狂い始めた。

ぶつぶつと声を出しているのであろうが、それは周りにも自身にも聞こえない。

彼らの脳は混乱により脳内で大音量で耳鳴りが発生。

それは老若男女問わずに一定の確率で起こった。


一方で無音という症状などものともしないタイプの人間もいた。

この大災害を機にと学校や会社に行かずにゲームや漫画、映画の字幕などのコンテンツを楽しむ人。

また、この無音の原因究明を図ろうとする人達は競って研究に打ち込んだ。




一年が経過したものの地球から音は消失したままだ。

無音適応障害にかかる人は一定の割合で増え続け、

世界中で精神科のベッドと薬が足りていないという社会問題を抱えている。

銃声も悲鳴も無い世界で犯罪の発生件数は増加の一途をたどる。

動物の縄張り、求愛といった鳴き声が消え、生態系にも影響があるばかりか、

人里に降りて来る動物が激増し人的被害も拡大している。

【神が愚かな人から声を奪ったのだ!】

などの金稼ぎのための人集めなのだか、

人類滅亡を企てているのか、

過激な宗教が世界中に乱立し、

尋常ならざる程の武器や兵器の製造と販売があるのだとか。


この一年で新たに地球上で生まれた赤ちゃんにとってこの世界はどのようなものなのであろうか?

親は我が子の泣いている声が聞けず不幸だろうが、

そもそも安全面からして親の負担は増していることだろう。


その一方で音の無い世界に慣れた人々は今日も字幕のついたコンテンツを楽しんでいる。

TVや動画内で人は口を動かしていないもののもう違和感を感じない。

口は呼吸と食料を摂取するためのものであり、声を出す器官では無くなっていた。


そして会話や通話ができなくなったことにより、声に変わる人に喚起する体制が整いつつある。

声に変わるスマホの機能として近距離の相手に振動とメッセージを送信できる機能が標準搭載された。

距離は1m~50mまで、送る相手先は知り合いのみや、特定の数人など選ぶことができる。

支払いプランによっては50m内の全員にも送信することができた。


そんな中で研究者達はある仮説に行きつく。

全ての音はエネルギーとしてどこか(・・・)にある。

検証で声を出し続けた人…、、これは当然周りには聴こえてはいないし、

機械で測定した波形としてもフラットである。

しかしこの声を出し続けた人はcal(カロリー)を間違いなく消費したのだ。

ここから質量保存の法則を考慮して音エネルギーの行き先を考えた…




まず宇宙にある95%の物質は観測できないことから分かっていない。

それらの物質を暗黒物質(ダークマター)と称して蓋をされているのだが、

重力を持つ程高密度の4次元(高次元)にある音なのでは無いかという仮説が出てきた。

観測できないのもそう考えれば辻褄が合う。


では2026年7月10日に地球に起こった事は何だったのか…?

仮説の域を出ないが、我々人間よりも知能の高い、もしくは次元の高い宇宙人に、

地球の音エネルギーを奪われたのだろう。

生命を多く抱える地球はただの刈り取られる資源であったのかもしれない。


もしかすると水力・火力・風力・原子力などのエネルギーを活用する、

そのずっと先に音エネルギーの有効活用法があったのか?

しかし地球の人類がそれを活用できる未来はもう来ない。

それらを構築する事がこれからできたとしても、

そのすべては奪われることが目に見えているからだ。

・便宜的にダークエネルギーも含めて、ダークマターと一括りにしております

・3次元の世界ではダークマター(エネルギー)は音ではないと決着をみせています

・30年程前に流行った電子辞書にもメッセージを20mぐらいなら送受信できる機能ありましたね。双方が所有していないとできない制約はありましたが、辞書にゲームなどもついていて友人と結構遊んだ記憶があります。

ニンテンドーDSのピクトチャットは(2004年発売)ですが、もう当時チャットで楽しめる年齢帯では…

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