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見出された運命の先に  作者: イミティ
第3章 迷宮国家ヴァルンバ
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第13話

 お久しぶりです。執筆速度が相変わらずなイミティです。

 そう言えばこの前「イミティさんって何故前書きの時にたまに『〜〜イミティです』って言うんですか?」と聞かれたことがあるのですが、それは作者の名前を覚えていただくためです。


 私がまだなろうで読み専だった頃、余程好きな作品じゃない限り作者の名前なんて覚えてませんでしたので(おい)


 後ですね、もう少しで戦闘要素が入る予定とはいえ、随分戦闘要素が少ないことに変わりはないので、私の活動報告の方で特にこの作品とは関わりのない適当な戦闘シーンを書いてみました。

 暇な方はぜひ。十分どころか五分クオリティなので派手さとか戦闘の長さとか求めないでね!


 あ、どうでもいい話失礼いたしました。




 ───そのまま馬車移動と野宿を経ること二日。


 無事に国境に辿り着き、あまり人の行き来はないのか閑散とした検問所と、国境沿いに並ぶ柵が見えてきていた。


 そこに居る門番に冒険者カード───なお、ハルマンさんは商人の証である証明書を出していた───を提示して、問題なく通過。出入国を管理されているとはいえ、恐らく犯罪者を取り締まるぐらいのものなのだろう。


 ちなみにルナとミレディは奴隷という扱いのため、特にそういった証明書は必要ないらしい。どうやら書類上では奴隷は物品、商品系統として扱われているようだ。


 こんな、近くの街まで二日近くかかる程何も無い場所で門番をやってるのも大変だろうなと勝手に思いながら、国境を越えた先を見る。


 ───まぁ、国境を跨いだからといってそんな変化があるわけなく、普通に平原が続いている。強いていえば左、恐らく南西側に山が聳えていることぐらいだろうか。

 それ以外は特に変わった所などなく、見飽きた平原が続いている。


 ハルマンさんによれば、ここから更に街を二つほど経由してヴァルンバの王都に向かうらしい。凡そ三日の距離とのことで、まだまだ馬車の旅は続きそうだ。




 そしてサラッと更に二日が経つ。早いような遅いような、そんな曖昧な気分なのは、体感時間に差が生じているからだろう。

 ただ退屈凌ぎも幾らかはあったが。ルナとミレディの二人はどうやらルリと仲良くなりたいようで、馬車の中でもずっと話しかけている。


 そのルリと言えば、相変わらず少し困り顔だ。ただ鬱陶しいと思っているような感じは無く、これは良い兆候なのかもしれないと兄のようなことを思ってみる。


 しかし───こうして見ていると、やはりルリは容姿が非常に幼いなと思うわけで。


 明らかに子供とわかるルナとミレディよりも、更に幼く見えるのだ。特にあのふっくらとした頬や小さな手、そしてダボッとしたローブ。

 少し低めのトーンの声と舌っ足らずな喋り方は大人しめの子供そのもので、誰がどう見ても幼い少女であるのは疑いようもない。それがルナとミレディの二人がいる事で更に拍車がかかっている。


 内面的にはルリの方が大人に思えないことも無いのだが、この光景を見ているとそんな思いも薄れてくるのは仕方ないだろう。姉か、もしくは歳上の知り合いに撫で回され困っている無口系妹感が強すぎる。


 俺もルリのことを撫で回したい気はするが、流石に今の雰囲気ではどちらかというと反抗されてしまうだろう。いや、今の状況でなくともやりはしないが。


 「───ねぇ、()()()()()何時(いつ)から旅をしてるの?」


 ふと、そうやって眺めていれば、脈絡もなくルナから質問が飛んでくる。ちなみにお兄ちゃんというのは俺で、どうやらルリの兄───とルナ達は認識している───からそう呼ぶことにしたそうだ。

 その呼び方は正直妹を思い出してしまうのであまり宜しくはないが、わざわざ指摘するほどのものでもないのでそのままにしている。この程度で不安定になる精神ならそれこそダメで、少しずつ慣れていかなきゃいけないのだ。


 それはそうと、最初こそ少し態度に違和感のあったルナだが、この数日でルリからの繋がりもあり意外と懐かれてしまった。馬車の座席に手を付きながら俺の事を上目遣いで見てくる。その上目遣いは、意識してのことではないだろう。


 ミレディは人見知りな部分が強いのか中々話せはしないが、ルリ相手には幼い容姿もあってか問題なさそうなので、必然的にルナとの方が話すことが多くなる。

 結果として、兄のように慕われているのだろう。正確には俺は兄妹的な意味での兄というよりは、近所のお兄さん的接し方をしているとは思うが。


 「今日で大体一週間かな」

 「一週間!?」

 「そっ。俺もまだまだ初心者だ」


 ルリの方は以前に旅をしたことあるとか言っていたが、具体的な詳細については聞いてないので知らない。ルナはその意外だという反応から察するに、俺たちが旅慣れしていると思っていたのだろうか。

 実際はそんなことはなく、まだ始めて一週間の新米である。少なくとも俺は、という注釈付きではあるが。


 「えぇ、冒険者なんでしょ? もっと旅してるのかと思ってた」

 「そもそも冒険者も一週間前になったばかりだからな」

 「じゃあじゃあ、私達と会ったのは凄い偶然なんだ」


 それはつまり、初めての旅で私達と会ったのは、ということだろう。確かに最初の旅でこれは、ハプニング遭遇率的に高い。俺が会わなかったら全員もれなく危険な目に遭っていただろうし。

 凄い偶然という表現も間違ってはいない。


 「確かに、運命と言いたいぐらいには凄い偶然かもしれないな」


 その偶然に少し惹かれるところがあったのか、ルナは先程よりもこちらと距離を詰める。別にルナぐらいの子に近寄られたところでドキリとすることないが、何故かその奥に座りミレディから話しかけられているルリは、こちらを横目でジッと見ていた。


 デレデレするなよとでも言われているのだろうか。もちろんする気はないのでそれは杞憂だと言ってやりたい。


 しかしルリは杞憂では済まないと思ったのか、ミレディからの話が一区切りしたと見るや、わざわざ俺とルナの間に座る。


 「……ダメ」

 「えっ? わ、私また何か悪いことした?」


 どうやら最初にルリを質問攻めで疲弊させたことをルナは気にしていたらしい。そんなことを言うが、多分今回はルリの意識の問題だ。

 一言ルナと俺に対してそんなことを言ったルリは、抱きついてこそこないが、俺の腕をそっと掴む。


 つまるところ───あぁ、単なる嫉妬だったのかと。


 それに気づくのは子供でも簡単だ。いや、ルナは分からなかったようだが、それを第三者として見ていたミレディは「あぁ!」と合点がいったような声を上げた。


 「そっか、お兄さんがお姉ちゃんに盗られるかと思ったんだねぇ」

 「そ、そんなことしようとしてないわよ!」

 「わ、分かってるよ。そう見えたってだけで……」

 

 声を出して反応したのはルナだったが、ルリもしっかりと反応を示している。具体的には、ビクッと肩を震わせた。くっついているので分かりやすい。


 とはいえまぁ、変な空気になっていないのは幸いだろう。ミレディは微笑ましそうにルリを見ている。彼女こそルリのことを妹のように思っているようで、もしかしたら妹が欲しかったのかもしれないと思うような面倒見の良さだ。

 しかし、ルナが少し近づいただけでこれとは少し過剰ではないかとも思う訳だが。心外だと言わんばかりのルナに、俺は仕方なくフォローを入れた。


 「ルナちゃんは可愛いからね、それでルリも危なく感じたんだろう」

 「か、かわっ!? ……そ、そう? お兄ちゃんから見て、私、可愛い?」

 「あぁ、可愛いよ。将来は飛び切りの美人になるな」

 「……ふ、ふーん。まぁ、そういうことなら仕方ないかも、ね……うん」


 まだ男からの褒め言葉を気持ち悪いとか感じる年頃では無いと思い敢えて飾らぬ言葉を使ってみたが、効果は抜群の様子。ルナはそれだけで機嫌をよくし、先程のことも仕方ないことだと簡単に割り切れた様子。

 

 これがもう少し経つと『気があるの?』とか『ウケるw』とか『は? キモイんですけど』とか……いや、実際言われたことがある訳では無いが、そういう反応をする女子も出てくるのだ。恐らく。

 誰も彼もが、男からの褒め言葉を純粋に受け取る者ではない……それは言う側の普段のコミュニケーション能力や友好関係などが問われる。


 その点でいえば、俺はコミュニケーション能力に関しては自信があった。まぁ、歳上の俺から言われたということがルナにとって受け入れやすいものだったのかもしれないが。


 ただそれはルリにとってはあまり面白くなかったようで、俺の腕を服の上から少しだけ抓るようにしてきた。

 今この場で優先すべきはルナやミレディだ。ルリとはいくらでも関係構築ができるし、時間からしてもうそろそろ()()()に着く予定だ。そうなったらまた二人に戻る。


 ただまぁ、応急処置としてこのくらいするのはいいだろう。


 「……わかった。ルリも可愛いよ……これでいいか?」

 「……ん」


 先程言った手前、ルナ達には聞こえないよう俺はルリの耳元でボソリと告げた。ルリは褒め言葉をそのまま受け止められる部類というか、むしろ言ってもらいたい部類らしい。


 もちろん、嘘偽りない表現ではある。ルリは可愛い。それはもう、撫で回したいぐらいに。

 しかしそれをわざわざ口にしたのはルリのご機嫌取りに過ぎず、流石の俺も理由がない限りそんな簡単には可愛いなどと口にはできない。


 恥ずかしいとかそういう前に、節操が無い。以前そこら辺を美咲なんかに注意されたことがある身としては、余計に注意したい。

 つまり以前は節操が無かったということなのか……そういうことは思考の奥深くにしまっておいて。


 そんな馬車内のやり取りを聞いていたのかどうかは分からないが、バルマンさんがこちらに顔を覗かせてくる。話を区切るのに丁度いい所だ。

 

 俺もその意図を察して馬車から顔を出す。つまるところ、そろそろ着くのだろう。


 視界の先、この世界特有の巨大な城郭都市が既に見え始めており、距離的にあと数十分と言ったところか。


 目的地である迷宮国家ヴァルンバの首都は、もう目と鼻の先だ。

 次回は明後日辺り。ようやくね、王都に来れたので、あと少しで迷宮要素に入れるぅ!!

 もし私が書籍化したら、多分第三章の初め辺りは大幅に添削することになると思います( ̄▽ ̄;)

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