ロクゥゥゥ!!!
「…さあ話しはほどほどにして本題、アバター製作のことについて話していきましょうか。
まずプレイヤーネームを入力していただきましょう。さっさと終わらせるためにテンポよく行きますよ」
あ、ついにきました名前決め。
ん?うわっなんか
「 」
空中からこんな感じの長方形のアクリル板が出てきた。
何もないとこから急に現れたんだけどこれ。
なんか近未来的なやつでクソかっこいいんだけど!
俺が目をキラキラ輝かせてこの板を調べていると、かなり不機嫌そうなAIが言葉を発した。
「…その目気持ち悪いんでやめてください」
「やっぱお前俺に対する敬意とかないよなぁ」「まだあって間もないですし、すぐに仲良くできると思ったら大間違いですよ」
「あれ俺って今なんのゲームしてるんだっけ」「Another Worldですね」「いやそういうことじゃないんだよね」
…はいはいさっさと決めますよ。……ん、あれ
「なぁこれキーボードとかないけどどうやってやんの?」
「頭の中で考えたらできますよ」
へぇーすっげえな。どうやってやってるんだろこれ、やっぱ心とか見てんのかな?
それより名前ですか。
…うーん名前かぁ、、、昨日の夜ちょっとだけ考えたけどたいして思い浮かばなかったし……
いつもやるゲームだと蓮にシュウって呼ばれてるから適当にシュウって名前にしてたけどなぁ。
ま、別に違う名前にする理由もないしめんどくさいからそれでいっか!
よしじゃあシュ…ウ…と
ん、あれ?なにも反応しない
シ…ュ…ウ………
「ぷっ、ふふふ」
…いやその仕草は信じられないほど可愛いけど何考えてるかわかるんだよね
「おい」
「ぷははははっ!いやーすみません。必死に考えてた姿、面白かったです」
「お前一体どういうキャラなの!?」
俺の属性大図鑑にいたずらっ子も追加された
「いやー本当にすみません。つい面白くて。
ではこちらで入力してください」
笑って出た涙を片手でぬぐいながら言った。どこがそんなにおもろいねん。どんな楽しみ方だよ頭ぶっ壊れてんじゃねえの?
ん、今度はなんかさっきの半透明のアクリル板にアルファベットが書かれたボードが出てきた。
そうだよこんな奴を求めてたんだよ!
じゃあ今度こそシ…「シュウでしたら現在59人いますけど」
「本当に心読めたりします?」
「さぁ」
その言い方…謎は深まるばかりだ。
ま、別にどうでもいいんですけどね、そしてオンゲあるある名前かぶって目当ての名前にできないやつ。
えっ?あっそういえばこれって名前被ってもいいの?
「はい、AWは第二の世界なので、現実で同じ名前の人がいてもおかしくはないでしょう?」
心読むなよお前
まっ、どうせ遊ぶならできるなら名前被らないようにしたいよなぁ
昨日蓮達が考えてたのは苗字を英語にして、名前の後ろにくっつけるやつだった。
…確かブラックなんちゃらとか言う名前だった気が、、、、
いや今は人のネーミングセンスについて話すんじゃなくて、自分のことを考えなきゃだ
……………うーん、わからん。
蓮達と同じ考え方で行こう。じゃあ俺の苗字の加藤を英語にすると………
いや全くわからんわ英語の定期テスト60点なめんなよ
藤ってなんだよわかんねえよ
…いや加藤より秋冬からとったほうがわかりやすいか?
となると、、、、、フォルウィンター?いやウィンターフォルの方が語呂がいいか?
ウィンターフォル………
おお!!ウィンターフォルめちゃくちゃかっこいいじゃん!!(?)
いやー俺センスあるわ〜!!じゃそううっとくか
シュ…ウ…ウィンター…フォルっと……
「はー。そういう名前にしましたか」
「え、なにダメ?」
「いや、わけではないですが珍しいなと」
「え、少ないの?結構いると思ってた」
「たくさんいるにはいるんですがまぁ被っても別にいいかなーって人が多いんじゃないんでしょうか。ゲームですしそんなのつけても…って人もいると思いますし」
「あーなるほど」
「それよりウィンターフォルって…センスなさすぎでは?」
「いちいちうるさいわ!」
もうええわお前次行け!
「はいはい、次はアバター製作です。人によってはここで一時間ぐらいかける人もいたそうです」
あ、さっきよりちょっとでかい板が現れた、って種類多くね!?うっわ髪型の欄とか色々あるけど、どれもスクロールしても終わる気がねぇ。……どうせ顔知ってる人なんてレンとか以外にいないし、現実の顔でいい?待ち合わせしやすいからそっちでもいいでしょう。決してめんどくさいからというわけではありません
「なぁこれって現実の顔でプレイすることってできるのか?」
「…?あー現実の顔をベースにして変えることでしたか、それなら沢山やってる人もいらっしゃいますしできますよ。すみません最初に言うの忘れてて」
「え、いや普通にそのままで」
「あーやっぱりそういうkってマジで言ってます?」
「ん?そうだけど?」
「個人情報って言葉知ってますか?」
「え、なにダメ?」
「…はぁ、別にだめじゃないですけど絶対にやめたほうがいいです。何があるかわかりませんし一切責任を取れませんので。…やるならちょっとだけ髪切ってみるとか髪の色変えてみるとか」
「ならお任せでお願いします」
「いや自分でやってくださいよ」
「ほら、全知全能のAI(仮)さんならきっといいの出来ると思いますし」
「…本当に変なやつですね。じゃあ髪の色赤とかにしときましょうか?」
「いやそこは普通の黒で頼む」
「注文多いなお前」
「本音出てますよ(ボソッ)」
「…マスターがそういうならもう適当にやります」
AI(仮)さんがなんかいじって俺に見せてくる
あ、髪切った俺だ
「それでいいよ」
「ちょっとは考えないんですか、結構使いますよそのアバター。
…はぁもういいです次は種族を選んでください。」
投げやり気味でいわれた
えぇそんな怒る?
あと結構チョr
「早く選んでください」
考える時間すら与えさせてくれない
あ、また板が出てきた。
人間
エルフ
ドワーフ
小人
亜人 (詳細)
魔族 (詳細)
ランダム
と書かれている。
「ここに書かれている種族についての説明をしましょう。
種族とは簡単に言うと、人間のような知性を持った生物のことを指します。
どのような知性を指すのかは言えませんが、動物や後に出てくる『魔物』と呼ばれるものは基本除きます。
ここが一番肝心なのですが種族は無数に存在しており、その一つ一つが別々の『能力』を持っています。
能力とは………そうですね。
エルフは弓などを上手く扱えるようになったり、暗い場所でも明るく見える能力、
ドワーフは鍛治をするとき、重たい武器などを扱うときに補正がかかる能力を持っています。
他の種族にもこのような能力がついています。
そして唯一例外なのが人間で、何も能力がない代わりに他の種族より組み合わせなど自由度が高いです。困った方は人間でいいでしょう
理解できましたか?」
「ん?あ、ああもちろん理解できたよ」
「…まだまだ続きますよ。そして亜人と魔族の詳細ですが、亜人は獣人や鳥人などがあり、
魔族は有名な魔物などががあり、他の種族類よりも癖のあるものが多いです。街に入れない種族もいたりいなかったりしますけど。
で、ランダムはその名の通りです。最初で選べる全ての種族が入っていて基本何を選ぶか悩んだ人用ですが…………本当に極稀にですが強い種族が入っているかもしれません」
「あ、説明ありがとう」
つまりめっちゃ種族あるのはわかった。
でもこれは聴く前に事前に調べてたから決めてたんだよね
なんかランダムで吸血鬼かなんか種族当てた人がいて、その人がマジで強いってネットで言ってたんだよね。
ほら、やっぱやるからには強くなりたいじゃん?
つまり男のロマンじゃん。
だから私はランダムで
「…なんかいい種族出ること前提の決め方しませんでした?これマジで後悔しますよ。膝から崩れ落ちた人が何人も…」
「そういう怖くなるのやめて。絶対これに決めてたから」
「…絶対に、、、後悔しないでくださいね」
いや怖い怖い怖い!!なんでそんなに脅すんだよお前。
全てを見通したかのような目で俺を諭しながら、異空間からルーレットを出した
え?ここ草原なんですけど。え、そんなでかくてカラフルなやつ出しても似合わなくね?後当たり前のように異空間からモノ出すなよ
「ほらはやくこのダーツで当ててください」
え、あ、ありがとう。ダーツもらった。
あ、ルーレット回った。いやそうじゃなくて古典的な方法すぎない?
えぇ…ファンタジーはどこ?
「早くっ!」
あ、はいすいません
えっじゃあこのダーツで、回ってるルーレットに当てればいいんだな?
俺は気合いを入れるために顔を両手で叩いた。
ッスーーーーー。よっしじゃあ…いいの当ててやるぜぇ!
せーのっ!おぅらっ!!
投げたポーズのまま固まる。
…よし当たった、ルーレットが止まり始める。
いいのこい…いいのこいっ…!
「あ、でましたねって、、、おお、これまたすごいの当てましたねあなた…」
「え、なになに?」
えーっとダーツが刺さったのは……ダークエルフ?
…なんか普通そうだな
「言いますけど全然普通じゃありませんよ。この世界の種族の立ち位置だと結構重要なんですよ…あ、こっからは言えないんで自分で調べてください」
「最後まで言えよ気になるだろ…でレアいの?この種族」
「たぶんそのレアいとやらであると思いますが、、、、ちょっと待っててください。こんなの出ると思ってなかったので詳細調べてきます」
そう言い残して消えた。
…そう消えたのだ。えぇ……チュートリアルのキャラが途中で消えていいんすか………
…もうその辺は「ゲームだから」と割り切ってほっとこう。で、これがレアな種族なのか?
んーダークエルフ…ダークエルフ……
他のゲームでダークエルフといえば…弓を使うエルフと反対のパワー系……
ゴリゴリのゴリラみたいなエルフも見てみたい気がする。
「調べ終わりましたー。なんか結構やばい能力でした」
「うわっでた。で、なんだったんだ?」
「何が出たんですか。…ダークエルフについて説明する前に、しなきゃいけない説明が増えました。
シュウ・ウィンターフォルさん…ふふっ!長いからシュウさんかマスターって呼ばせてもらいます…ふっ」
「人の名前で笑ってはいけません」
「そうでしたマスター、ステータスって知ってますか?」
「あーそりゃあれだろHPとか攻撃力とかだろ?」
「そうそうそれです。それがこの世界にはあります。
ですが攻撃力をストロング略してSTRと表記しますね」
「あーそれは知ってるわ、よくネトゲとかである奴でしょ?知力はINTとか防御はVITとか…」
「はい、あってます。そっちの世界の皆さんがわかりやすいようにこんな表記になりました。
はいこれが一覧です」
HP 体力
MP 魔力
STR 物理攻撃力
DEX 器用さ
VIT 物理防御力
AGI 素早さ
INT 魔法攻撃力
MND 魔法防御力
「だいたいこんな感じです」
「おぉだいたいイメージ通りだな。んで、これが関係あると?」
「はいそうです。そのダークエルフの能力ですが他の種族の能力とはちょっと違います。
さっき例に出したようにほとんどの能力が『何かが得意になる』ものがほとんどです。
ですが、ダークエルフはステータスを直接あげる能力を持っています」
「というと?」
「例えば何かのステータスが1.1倍になる能力を持っていたとしましょう。
もしそのステータスが10だったら11になるわけです。
この手の能力はレベルが上がるにつれてだんだんその力を発揮していきそのうちすごい数になります。100が110になったりとか」
「おぉ強そうだな。そしたらダークエルフの能力はなんなんだ?」
「ダークエルフの能力はですね…ズバリ『DEXが1.3倍、AGIが1.1倍になる』能力を持っています」
「へーそうなnってそれ結構やばくない?そのDEXが他の人よりすごい上がるってことでしょ?」
「そのまま返したなんの捻りもない質問ありがとうございます」「やかまし」
「で、その能力の強さゆえにデメリットがあります」
「デメリットねぇ…」
「はい、それは『STRとINTが0.8倍になる』デメリットです」
「……ん?それってどっちも攻撃に関わることじゃね?」「そうですね。あまり攻撃が得意な種族ではありません」
「ふーん、ダークエルフってバリバリ殴ってそうなイメージあるけど」
「さっき言った通りいろいろ設定があります。その辺はご自分で」
これについて簡単にいうと「人よりも器用になって足が速くなるけど、攻撃がめっちゃ弱いよ!」
ってことらしい。
こういうのってAI(仮)も言ってたけど後々強くなるよな。
あれ?じゃあめっちゃいいの引いたんじゃね?
さすが俺。略して俺。まあ日頃運ないから、ここで使ったと考えると妥当だと思いたい。
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