8話:クラス会での話3
すると西藤君が「大丈夫なのかと心配そうに聞くので、虎穴入らずんば
虎子を得ずと言うじゃないか」と吉川君が言い、
「挑戦しなければ、何も得られない」と強気に言った。ちょっと考えてみるよ
と西藤君が言い、考えてから吉川君のところへ電話すると話すと吉川君が、
ご自由にどうぞと言った。
その後、クラスのもう1人の秀才、池内淳之介が吉川君の所へ来て元気かと
声をかけた。池内淳之介は父親が橫浜市の自民党の代議士でかなり大きな会社
を持ち、金持ちで、彼は中学、高校、大学と慶應という生粋の慶応ボーイだ。
しかし久保も吉川君も嫌っていた。いわゆる鼻持ちならないという感じで
偉そうな話し方や君たちとか僕とか、どうしてもそりが合わないので、むしろ
避けたかった。
ところがどういう風の吹き回しか話しかけて来た。その後、池内が吉川君に
、君、僕の投資を手伝ってくれないかと言った。すると吉川君が十分、お金を
持っていて、もう必要ないだろと切り返すと、お金というものは決して邪魔な
ものではなく、あればあるほどもっと欲しくなるものなんですよと笑い
ながら言った。すると、吉川君が、君の所なら投資顧問契約をしている連中も
いるはずだから、それで十分だろと言うとN証券の吉川君の実力を見てみたい
とクールに言った。
久保が、こりゃまずいと思ったときには、既に遅く、吉川君の眉間にしわが
寄って池内君の胸ぐらを掴んで、
「てめー、俺を試すだと、ふざけんじゃない、俺は、てめえみたいな奴だ
大嫌いだ、おととい来やがれと、押し返した」。すると、池内君が、
「相変わらず、気が短い野蛮人は変わらないねと言い、東京大学卒業したエリート
だから、少しは丸くなったかと思ったけど、昔と同じじゃん」と言い放った。
それを聞いて吉川君が、怪我しないうちに俺の前から消えな、そうしないと、
本当に痛い目に遭うぞと、鋭い眼光と、上気した顔で、大声を上げると、驚いて
去って行った。すると、数人が吉川君のところへ来て、ビールをついで、
よく言った。さすが、我らの吉川君だと、お調子者の泉田幸夫が言うと、
お前らには関係ない、これは俺、個人の問題だとクールに語った。
そうして1次会が終わり2次会へくり出し、店を出るとすぐに、いくつかの
クループに別れた。今晩は吉川君が急に機嫌を直して飲みに行こうと声を
かけると男女12人が同行して行き、歩いて10分ほどのビアホールに入
り大きな部屋に案内されて2次会は俺がおごるから楽しく行こうぜと、
吉川君が気勢を上げた。お調子者の泉田幸夫が吉川君に最近の経済情勢は
どうですかねと聞くと、そんな、つまんない話を聞きたい奴はいるのかと
聞き、聞きたいと思う奴は手を上げろというと10人が手を上げた。
そこで、わかった、話そうと言い、1999年初めから急激にソフトバンク
と関連企業のヤフー、ソフトバンクテクノロジーと楽天、光通信、いわゆる
IT関連企業が急上昇し、買い遅れた連中が買いついて、かつてないほどの
急上昇したが2000年を過ぎた頃から下げ初め2001年には急激に
下げてしまった。
そのため、田舎の大きな農家や中小企業の社長など経済の知識のない連中が
、一部、悪徳証券マンの口車に乗って、上昇しきったIT関連株に飛びついて
、下げはじめた時には、売りが売りを呼んで、値つかずのストップ安が
連続20日間続き、2000年3月30日の気配値78800円が4月28日
に15800円、約5分の1になってしまった。それでも現物株で買った
人達は損しただけで助かったが、信用取引という持ち金の3倍まで証券会社
に借りて株を買った連中は追い証と言って自分の口座残金だけでは
足らなくなり大金を請求されるはめになったと語った。