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ティル・ナ・ノーグの最強騎士〜「生ける理不尽」と呼ばれる少年が挑む理不尽なミッション  作者: 風庭悠
第6部:「白人の娘は成長が早いなぁ巨乳眼鏡っ子になってるし」―大統領選挙編ー
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第61話:ひわいすぎる、テングサ。

そろそろ梅雨時期ですね。

[新地球暦1841年11月1日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月16日]


「やばいな、恐らく、残された時間はあまりない。」

凜が苛立ちを見せる。ケビンが呑気そうに言った。

「そりゃそうだ、お前さんが偉そうに大統領選挙投票日までにリーナを取り返すとか、つけてもいないのにリーナには高性能の発信機がつけられている、とか言って奴らを煽ったからじゃないか。」


「いや、あながちはったりでもないんだよね。」

発信機などつけてはいないが、「奥の手」は打ってある。その「奥の手」の存在から目を逸らすためのハッタリなのだ。ただ、こればかりは「奥の手」次第だが。

「そう言えば、やつらはリーナのことを『ダート』と呼んでいたのだろう?それが何か関係が有るのか? 「泥んこ(ダート)」?ってなんだろうなぁ。」


思わぬ発言に、凜もゼルもボケなのか天然なのか測りかねていた。

「ケビン、まさか本気で言っているのではないでしょうね?あなたは『セフィロトの樹』もご存知ないのでしょうか?」

ゼルが呆れたように聞く。

「もちろん、知っているさ。あいつらの『中二設定』の話だろう。あいつらはセフィロトの樹の十個のセフィラとそれを繋ぐ22の(パス)を互いのコードネームにしているんだ。その中でも知識ダァトだけ、中央のラインにありながら表立ったつながりのない、特殊なセフィラなんだぜ。」


それくらいは知っている、とややドヤ顔のケビンに凜はさらに尋ねた。

「それで、知識(ダァト)は、何についての『知識』だと考えているんだ、ケビン?」


「あ⋯⋯。」

ケビンが腑に落ちた、と言った顔をした。

「いや、今ごろ気がつきました、って演技は要らないよ。」

凜が言うと

「いや、本当に初めて気がついた。そうか、どことも表立ったつながりのない「知識」、つまり、『銀河系宇宙航路図』。」

凜は苦笑しながら続けた。

「御名答、って今頃かい。やつらも中二なんだからこれくらい徹底してないとね。つまり、やつらはリーナのことを重視しているが、それはティンカーベルの『器』程度にしか考えていない、ということでもある。もし、ティンクが抽出手術に抵抗でもしたら、間違いなく奴らは、リーナを容赦なく壊して取り出すだろう。しかも、こちらは大統領選挙の投票日までにリーナを取り返す、と時期を明確に切った。やつらは自分たちに時間がないことを知っているはずだ。」


「くくくくく。」

突然ゼルが笑ったので凜は訝しそうに聞いた。

「どうした? ゼル。」

「リーナが『器』ということは、つまり『女体盛り』ですね。まさに男のロマンです。特に、『ワカメ酒』……。」

いきなり下ネタにスイッチが入ったようだ。

「わかめ……?こいつは何を言ってるんだ?」

ケビンが訝しげに尋ねる。


「いや、ただの下ネタだ。無視してくれ。」

凜がそう言ったもののゼルは止まらない。

「でも、リーナは赤毛だから、下の方の『海藻』はもしかすると『ワカメ』じゃないかもしれません。あの海藻サラダに入っているあの赤いやつ、何て海藻でしたっけ?」

凜はあきれながら答える。

「テングサだ。寒天の材料のな。ゼル。いい加減に妄想はそこまでにしておけ。恐らく、仕込んでおいた『奥の手』が動きだす頃合いだろうから。そろそろね。」

「くくくくく⋯⋯『テングサ酒』⋯⋯。」

ゼルはまだ止まらないようだった。


[新地球暦1841年11月2日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月17日]


リーナは手足を拘束され、手術台に寝かされていた。

「鍵の乙女アブリルのピンチと一緒だわ。」

リーナは自らの危機にかかわらず、のんきにそう思っていた。

「幻月」のヒロイン、アブリルは地球と月を結ぶ「(ゲート)」を開く「鍵の乙女」だったのだ。その、魔法の術式が彼女の中に存在しているのだ。おそらく死んだ母親から受け継がれていたのだろう。母の故郷はこの惑星スフィアで、その出自は貴族の娘だったのだ。アブリルは彼女の秘密を知ったワイバーンに捕らえられ、満月の夜、神殿の祭壇の上でその門を開く儀式に供されようととしていたのである。


(ゲート)」が開けば、地球と月を自由に行き来出来るようになるだろう。しかし、それは月の宝を狙っている悪い人間にその扉を開くことに他ならない。そんな人たちの欲望のために、この美しい惑星ほしを危険に晒してはいけないのだ。


[新地球暦1841年11月1日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月16日]


「やはり、データを提供してはいただけませんか? 知識(ダァト)。」

(ティファレト)」がかぶりを振る。

「宇宙航路図なんて、私、知りません。」

リーナは必死に否定するが、誰も聞いてくれなかった。実際、あるのは知っているが見たことは本当に一度も無いのだ。見る必要もないものだったからでもある。


「そうですか。それでは、ティンカーベルごとあなたの脳から抽出するしかありませんね。」

こうして、リーナからの抽出が決まったのである。手術には(ティファレト)があたることになっており、警備のためにルイもそこに待機することになっていたのだ。


[新地球暦1841年11月2日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月17日]


「お兄ちゃん、助けて。」

リーナは叫びたかったが声が出せなかった。

「リーナ、少し気分が悪くなるかもしれません。その代わり、この手術が済めば頭の中の『雑音(ノイズ)』は聞こえなくなり、スッキリとした目醒めになると思いますよ。」

(ティファレト)はリーナの頭に電極をつけ始める。

(ティンクの声は『雑音(ノイズ)』なんかじゃない。)

リーナはいやいやをするように首を振った。


「徐々に眠くなりますよ。知識(ダァト)。」

脳波を刺激して睡眠に関係するホルモンの分泌を促す。

「ダメ⋯⋯眠ってしまっては⋯⋯ダメ。」

リーナは必死に抵抗するが、徐々に眠りの淵へと引きずり込まれていく。


「C3領域特定しました。ティンカーベル、抽出を開始します。」

ティンカーベルの住まいであるC3(大脳皮質コンピュータ)の領域が特定される。それは大脳皮質のそこかしこに点在していた。

「意外にまとまってはいないものなのですね。」

(ティファレト)は興味深かそうにいう。

「では、始めてくれ。」


「お願い、やめて。私を抜いたら、リーナがダメになっちゃう。」

ティンカーベルは必死になって抵抗する。C3領域からティンカーベルを抜けば、大脳皮質は再びシナプスの再接合を始めるだろう。それは記憶の大幅な改変が始まることをいみする。そして下手をすると、リーナが植物人間のような容体に陥る可能性だってある。

しかし、その抵抗も虚しく、ティンカーベルは強い力で首根っこを掴まれ、リーナの中から引きずり出されるかのような感覚に絶望を覚えていた。ティンカーベルとしてはもし自分が抽出されたなら、その瞬間に自己消去しようと決めていた。しかし、その最後の抵抗すら許されないかのような圧力であった。

「リーナ⋯⋯ごめん⋯なさい。」

ティンカーベルはリーナから引き剥がされそうな感覚に必死に抵抗していたが、その力もだんだん弱まっていく。


その時だった。

「ああっ、もう。あともう少しだったのに。」

少年の声が聞こえる。すると、ティンカーベルを抽出しようとしていた機械の電源が突如落とされた。

ティンカーベルは急に身体が軽くなるのを感じた。


「どうした? 何があった?」

手術室のロックが突如解除される。すると、壁面のコンピュータのモニターにキャップを被った少年の姿が映し出された。

「何者だ?」


「ああ?俺か?」

少年はモニターからゆっくり出てきた。みんな唖然とした表情でその光景を見ている。

「おいおい、俺は『貞子』じゃねーよ。俺はソロモン七十二柱、序列第26位、ブーネだ。『mr.B』、そう呼んでくれても構わないよ。」


 読者は覚えているだろうか? 凜が誘拐されたリーナの居場所を特定するために生臭坊主のニコラウス師に忍ばせて放った有人格アプリである。彼は引き続き短剣党(シカリオン)の調査のために潜伏を続けていたのだ。


 見張りのルイがいきなり銃を撃った。弾丸はブーネの身体に撃ち込まれると、その傷跡はすぐにふさがり、弾丸はその手のひらの上に現れた。

「僕に物質の身体はないよ。テロリスト諸君。やれやれ、こういう狭くて硬いものの多いところで、こんな物騒なものをぶっ放さないでくれ。跳弾になって君たちを傷つけても知らないよ。」

ブーネはニヤリと笑った。


「落ち着け、奴は『有人格アプリ』だ。実体はない。物理攻撃は無効だ。」

(ティファレト)」が低い声で言う。

「おや、良くご存知で。そう、アンタの言う通り僕の身体は実体ではない。⋯⋯おや? そういうアンタも『中身』が空っぽじゃないか。」

ブーネはキャップのつばを弾き上げた。テロリストたちはすごむ。

「外に助けは呼べないぞ、小僧。ここは電波を通さない構造になっているからな。」


「こいつを捕まえろ。ルイ!」

ルイが右手を横に上げるとアリィが現れた。

「こんにちは。あなたが天井裏で走りまわるネズミさんだね?」

アリィはにやりと笑った。


「おやおや、こんなところで有人格アプリと出くわすとはね。まあ、あんたが現れてからあまり目立たないようにはしていたんだけど。やっぱり気づかれていたようだね。」

ブーネは再びモニター画面に戻ろうとする。『拠点制圧』のアプリであるブーネにとって、直接戦闘は分が悪いのだ。

「逃がすかよ。」

アリィはブーネの頭をつかむとモニターから引きずりだす。

「くそ。」


アリィがローキックを見舞うとブーネの身体は壁にたたきつけられた。

「く……。乱暴な女の子は苦手だね。」

ブーネは立ち上がる。アリィが再び間合いをつめ、キックとパンチを織り交ぜた攻撃を繰り出す。ブーネは格闘では分が悪く、簡単に攻撃を受けると再び床に沈んだ。

「ああ、かっこ悪いな。⋯⋯俺。」

ブーネがアリィを見上げた。


「あきらめて降参しな。助けを呼びたくても、ここにネットにつなげる要素はないよ。」

アリィが腰に手をあて、ブーネを上から見下ろした。


しかし、ブーネは不敵な笑みを浮かべる。

「それはどうかな? あんたら、本当に凜の能力を知らないの? そうだね。ほら、このように。」

ブーネが指を鳴らすとそこに転送陣(ゲート)が開いた。

ゆっくりとそこに現れたのは凜とゼルであった。


「なぜだ? ここは電波が届くような場所ではない。」

皆が驚く。凜は説明してやろうかどうか、迷っていた。

「バカなのですか? 我々、眷属(ハイエンダー)が用いるアクセスゲートは重力子界(アストラル)を通っています。よって物理的に遮断することは不可能なのです。そうでもなければ凜が隣の惑星でキング・アーサーシステムを使役することなど出来るはずがないでしょう。」

ゼルが不思議そうに説明した。


「ありがと、ブーネ。おかげで助かったよ。」

凜が礼を言うとブーネはやれやれと言った表情で返した。

「もう少しでここを完全に制圧できそうだったのに。おじゃんになってしまったじゃないか。どうしてくれんだよ。しかも、女の子相手に苦戦中、と来たもんだ。」

ブーネが文句を言う。ゼルがにやっとしてブーネに言った。

「苦戦どころか、すでに敗北間近じゃないですか?」

「うるせー。あんたと違って俺は肉体労働者(ブルーカラー)じゃないんでね。」

ブーネはバツが悪そうに吐き捨てた。


「すまんな。ブーネ。2年近くも放っておいて。」

凜は頭をかくと「天衣無縫(ドレッドノート)」を取り出した。ブーネは首をすくめた。

「まあ、仕事だからな。」


「放置プレイ、興奮しましたか? ブーちゃん。」

ゼルがにやにやしながら尋ねる。

「俺を『ブーちゃん』と呼ぶな。」

ブーネが怒る。


「どこ見てんだよ!」

アリィが再びブーネをめがけてとびかかる。しかし、すらりとした脚でその攻撃を止めたのはゼルであった。脚を高く上げたため、スカートの中身があらわになる。緑と白の縞パンである。

「どこを見てるのですか? 残念でした。見せパンですから、見られても恥ずかしくないのです。」

今度はゼルが回し蹴りでアリィを蹴り飛ばした。

「あんた、戦闘用アプリだね?」

アリィがうれしそうに言って身構えた。

「いいえ、私は歌姫アプリです。『見せパン』はアイドルのたしなみですから。」

ゼルは澄ました顔で言い放つと、再びアリィに攻撃を始めた。戦闘アプリ同士とはいえ、今回ばかりは孵化したばかりのアリィの方が分が悪かった。

「ちなみに、パンツに浮かぶ『め●スジ』はフェイクです。あしからず。」

ゼルが再び身構えた。


「トリスタン!」

ルイがガンソードをぬくと凜に切りかかった。凜はその斬撃を受け止める。しかし、今度は看護師を務めていた医療用マリオネットが後ろからいきなりルイを押さえつけたのだ。

「なに?」

驚くルイに

「どう、この動き? この基地のシステムは全て、僕の支配下にあるんだよ、すでにね。」

ブーネは得意そうだ。

「悪くないね。」

凜が褒めると「天衣無縫(ドレッドノート)」を一閃させ、リーナの拘束を解いた。凜は手術台からリーナを解放した。

眠ったままのリーナを凜は抱き上げる。まもなく基地のアラートが鳴り響いた。基地を制圧したいのは山々だったが、リーナの危機を救うことが優先だったため、周到な準備はできなかったのだ。


「ブーネ、長居は無用だ。退くよ。」

了解(ラジャー)。」

凜たちの足元に転送陣(ゲート)が再び開くと、そこへ消えて行った。


「トリスタン!」

血相を変えたルイが銃を彼らに撃ち込んだが、すでに凜たちは姿を消していた。

「くそ、追いかけてやる。飛空艇を出せ。」


気炎を上げるルイにティファレトは言った。

「落ち着け、ルイ。もう遅い。そして、しばらくすれば軍や警察が大挙してここに押し寄せて来るだろう。基地(ここ)は廃棄するんだ。⋯⋯ただし、タダではくれてやらんがな。」


[新地球暦1841年11月3日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月18日]


大統領府ホワイトパレスはマスコミ向けに、凜によって、副大統領候補ロナルド・アシュリーの娘であるリーナの奪還に成功したことを発表した。そして、画像も公開される。

さらに、凜が知らせた座標に基づいて軍と警察が短剣党シカリオンの基地に突入した。しかし、そこはすでにもぬけの殻であった。凜は突入に参加しないことを条件にケビンと同行することが許可された。


抵抗もなく、拠点が無人であることを知らされると、凜は突入部隊を指揮するライアン・フリッツザーンに進言する。

「ライアン、恐らく、彼らは本拠地に固執することはないでしょう。だからこそ、(トラップ)には十分気をつけてください。」

凜は警告していたのだが、一部の軍人や警官たちは残された物品をあさり始めた。彼らの多くはSOE(特殊作戦執行部)のような専門の特殊作戦部隊ではないため、そこまでプロに徹することができない者たちも混ざっていたのだ。


「きっとやつらは慌ててここを棄てていったに違いない。遺留品(おたから)が随分と多いじゃないか。」

もちろん、彼らの大半は証拠品を得るためであったが、ポッケに「ないない」するための者たちも少なくなかったのだ。そして、敵がもういない、という緊張感が解けてしまうと、彼らの自律心を抑えるたがは容易に外れてしまったのだ。


「ケビン、ひょっとすると、これは大掛かりな『ゴキブ●ホイホイ』なのではありませんか?」

ゼルの忠告にケビンの顔から血の気が退いた。


「ダメだ。これは罠だ。全員すぐに引きあげろ!」

ケビンが無線で絶叫する。しかし、目先の欲にくらんだ者たちの耳に、その指示は届かなかった。

その時だった。爆発が起き、その建物が崩壊を始めたのだ。脱出できた者も多かったが、数十名の軍人や警官が建物の下敷きになってしまった。

「くそ、こんなしょうもないブービートラップに引っかかるとは。」

ケビンは無線のマイクを地面に叩きつけた。

「ケビン、無線を壊す前に、救助を要請してください。」

ゼルは悪魔のように冷静であった。


「凜、組織の方は放っておいてもいいのか? リーナ一人の命と引き換えにこれからも大勢の人が危険にさらされるわけなんだが。」

ケビンが尋ねる。

「今回はリーナの救出が最優先だった。それが騎士道だからね。みんなのために一人の貴婦人(レイディ)の命を危険にさらすのは騎士道じゃない。一人の貴婦人(レイディ)のためにみんなが危険に立ち向かうのが騎士道だからね。

組織の方はブーネが回収したデータの詳細を解析してからでも遅くはないだろう。でも今は、やつらの本部と思われる拠点を潰したんだ。これは君の手柄であり、ザック・ブラッドフォードの手柄でもある。」

そんな理不尽な、ケビンはそう抗議したかったが、『文化の差』としてあきらめることにした。


 やがて、報道陣も現場に近づくことを許され、テロリストの拠点が壊滅したことが報道された。

その日は、大統領選挙の投票日でもあったのである。ザック・ブラッドフォードは予定されていた最後の演説を諦め、事件現場、そして救出現場に駆けつけた。


基地は派手に崩壊しており、組織を潰したわけではないものの、その光景は国民の安心を抱かせるに十分なものであった。

そして、その中で陣頭指揮するブラッドフォードのその姿は、国民に好意的に受け入れられたのだろう。思いの外僅差ではあったが、ブラッドフォードの再選が決まったのである。


[新地球暦1841年11月8日 惑星ガイア]

[スフィア時間:星暦1553年1月23日]


「我々は厳しい選挙戦に勝った。そして、次の戦いが始まった。それは我々人類が存続するための戦いだ。それはこれまでの戦いなど問題にならないほどタフで、ハードなものだ。そのために今度は全国民、そして惑星の全ての民、そして公転軌道を共にするスフィアの民と一致団結しなければならない。


騎士の試合の終わりは「ノーサイド」という。戦いが終わったら、もうどちらの陣営サイドであるかは問題ではないのだ。双方の闘志、勇気をたたえあう時だ。そして、その結果に従い、勝者は驕らず敗者に手を差し伸べ、敗者は卑屈にならず勝者の手を取って立ち上がるべき時なのだ。


 もう、我々は敵味方ではない。志を同じくする一つの陣営なのだ。我々は一つの家族、一つの民、そして我々の惑星(ほし)を守るための一つの騎士団なのだ。(we are the one family,the one people,and the one order to protect our planet)」


「ありがとう、凜。」

ザックの勝利宣言を聴きながらロナルドは凜に握手を求める。

「では、これで、私の提案が受け入れられる、ということですね。」

凜もようやく訪れた交渉のめどに安どの笑みを浮かべた。







次回、ガイア編ラストです。「第62話:天然すぎる、小悪魔。」。大統領就任式に迫る魔の手とは?

新章の紹介もあるよ!


投稿は6/11(日)予定です。

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