第45話:苛烈すぎる、記憶。
今日はお出かけ日和でしたね。インドア派の私にはもったいないくらいの。
テロリストの襲撃事件に巻き込まれたリーナと、有人格アプリ・ティンカーベルの出会いとは?
フェニキアの商船は大抵、星系外や惑星外で賊に襲われることを想定して、対艦兵器による武装を施している。しかし、まさか惑星内の、しかもドック内で襲われるとは思ってもみなかったのである。警備員もかなりいたが、戦闘に長けているわけでは無いため、次々に倒されていった。
「どうした?『ティンカーベル』、現況を報告せよ。」
船長は船を司る有人格アプリ、ティンカーベルに命じた。
ティンカーベルは被害状況を淡々と説明する。
「第一警備部、第二警備部、沈黙。第三警備部、交戦中の模様。現在、動力室占拠されています。パーティ会場も占拠され、人質が多数いる模様です。」
「こちらの虚をつかれた、と言うしかないな。」
船長は忌々しそうにつぶやく。短剣党はわりと少人数で行動することが多く、それなりの大きさの船しか狙わないことから、巨大な船体を持つこの船なら安心だと、油断していたことは否めない。
しかし、今回はどうやら小型艇を用いて複数の部隊が同時多発的に作戦を展開しているのだ。統率のとれたやり口は、とても素人のものには見えなかった。
「おいおい、どうなっているんだ? テロリスト風情がえらく手際が良いじゃないか。ティンク、船内の隔壁の閉鎖はできるか?」
しかし、整備中のため、それはできなかった。
「くそ、積荷を守る装置はあるんだがなあ。それに見向きもしないとは。やつらの狙いはいったいなんだ?パーティに参加した要人の中に、暗殺やら誘拐の対象でもいるのか?」
やがて、操舵室にも賊が乱入して来た。施錠はしていたものの、スフィア製の対金属重力刃でやすやすとドアを破られる。船に押し入るのにこのナイフを使うことから、彼らは『短剣党』と呼ばれているのである。銃を持った賊が乱入すると、それに対して船員はあまりにも無力であった。そこにいた船長以下全員のクルーが拘束されてしまうまで、それほど時間はかからなかった。
「貴様らの目的は何だ? いくらなんでもこんな巨大な船体、お持ち帰り(テイクアウト)は不可能だぞ。」
そう警告する船長に、テロリストのリーダーとおぼしき男は答えた。
「船長。統御コンピュータのコアを開放してもらおうか?」
「コンピュータ・コアだと?」
テロリストの要求に船長は思わず聞き返した。
コンピュータ・コアとは生体型コンピュータのユニットの中でも有人格アプリがインストールされている部分で、船の最重要部分の一つである。いわば「第二の船長室」と言っていい。
「さては、宇宙航路図が狙いか?」
宇宙航路図とは、銀河系内のすべての有人惑星への安全航路が記録されているものである。そして、ブラックホールやホワイトホール、あるいはワームホールという危険な特異点の座標や、それを利用したワープ航路の詳細が載せられているものである。
それなくしては星系外航海はできない。そして、ガイアにはないものであった。
「そんな物を奪っても、貴様ら蛮族だけでは何もできやしないぞ。」
船長の言葉に、
「それはどうかな?」
テロリストたちは余裕を見せていた。
その間、ロナルドたちは息を潜めて船長室に閉じこもっていたのである。
やがて、操舵室の床の中央部から金属製の円筒状のものが迫り上がる。それがコンピューター・コアの格納容器であった。
船長が手と網膜による認証で蓋を開けると、テロリストたちは持って来たカバンをあける。そこには小型生体型コンピュータがあった。これもガイアで普通に手に入るタイプのものでは無い。
(いったいやつらの背後には誰がいるというのだ?)
彼らは手際よく二つのコンピューターを接続すると、中のデータと、有人格アプリであるティンカーベルを抜き出そうとした。「ティンカーベル」は有人格アプリでも汎用性の高いもので、高次文明圏惑星では宇宙船、とりわけ商船の制御用に用いられているアプリである。ウインドウズやiOS のようなコンピュータのオペレーション・ソフトだと思ってもくれれば良い。
「何か御用でしょうか?」
突然、直接ハッキングされ、ティンカーベルはいかにも不快そうに尋ねた。
「心配するな、ティンカーベル。データごと、お前を引っこ抜きたいだけだ。」
テロリストはティンカーベルを書き換え、抽出しようとしていた。軍艦用の有人格アプリはフォルネウスの『ルネ』のように個別で作られるが、こうした商船用のものはたいていが汎用なのである。つまり、セキュリティに関しては一枚も二枚も落ちる。
「拒否します。どうぞ、お帰りください。」
当然ながらティンカーベルから拒絶される。
「なんて生意気なんだ。……たかがアプリのくせに。」
テロリストは毒づく。そうはいっても「人格」があるため、「彼女」にも自分の意志というものがあるのだ。
「おい、あまり時間をかけてくれるなよ。」
テロリストのリーダーがオペレーター役の兵士を急かす。ティンクは抜き出されまいと必死に抵抗しているのだ。
(貴様ら『土人』の知識ごときでティンクの防壁を破れはしない。)
船長は心の中で毒づいた。
「仕方がない。強行突破だ。」
オペレーター役のテロリストは銃を取り出した。
「何をするつもりだ?」
操舵士が叫ぶ。
「安心しろ、ただの麻酔銃だ。」
そう言うとコアに麻酔を打ち込んだ。
すると、ティンクの操る防壁の構築速度がみるみる遅くなる。
というのもこのコンピュータは「生体型」なので麻酔は効いてしまうのだ。オペレーターはティンクに脅しをかける。
「おい、ティンカーベル。お前にも人格があるというのなら尊重してやろう。このコアが眠ってしまえばお前の意志とやらは何の役にも立たない。こちらのやりたい放題だ。お前の大切な乗組員も乗客もみんな殺してやる。そして、次はお前にも麻酔ではなく、毒を打ち込んでやる。
どうする?お前がこちらに来るか、乗組員の命が無くなるか好きな方を選べ。あまり時間は無いぞ。」
(貨物区画の警備ロボットたちをこちらに回せて来れれば、あるいは。)
ティンカーベルはテロリストたちを物理的に排除する方法を取ろうとしたが、もう遅かった。自分の意思にコンピュータが全く反応しないのだ。このままではテロリストにせ宇宙航路図とそれを可能にする有人格アプリである自分を奪われてしまう。そうしたら、この星域の安全は損なわれるだろう。
オペレーター役のテロリストは、ティンクの意識を初期化するプログラムを流し始めた。もう、あまり時間も手段も残されてはいない。
(それだけはなんとしてでも避けなければ。)
ティンカーベルの脳裏を一人の少女の顔がよぎった。
(リーナといっていたかしら。あの子の助けを得られれば、最悪の事態は避けられる。しかし。)
ティンカーベルはリーナに自分を移植する、という案を思いつく。しかし、それは銀河連盟によって禁じられていた。そして、失敗すればリーナも、乗客乗員にも迷惑がかかる。しかし、リーナと初めて接触したときに、感じた自分との親和性に、かけるしかなかった。
(もし、私と航路図が奪われれば、失われる損失はもっと増えてしまう。)
そしてついに、ティンカーベルは船長と乗組員に別れを告げた。
「船長。そして皆さん、さようなら。短い間ではありましたが、これまでお世話になりました。どうぞファビュラス・トレジャー号をよろしくお願いします。」
船長にはその言葉は彼女が「自滅」を決意したように聞こえた。
「ティンク、正気か?」
船長は驚いて聞き返す。ティンカーベルはほほ笑んで言った。
「大丈夫。私の『代わり』はいるもの。」
一方、ティンカーベルの言葉を「敗北」宣言と受け取ったオペレーターはほくそ笑む。
「ではこちらへどうぞ、お嬢さん。」
彼は、有人格アプリを運搬するための『鳥籠』となるパソコンを指差した。ティンクがモニターから腕を出し、指先がそのパソコンの画面に触れると、その姿はパソコンへと移る。
かくしてティンクは『籠の鳥』になった、その瞬間であった。
「うわっ!?」
パソコンから強い放電があり、オペレーターがその手を離した。ティンクがパソコンに入った、と思った瞬間、そこからさらに、ガイアのネットワークの世界に跳んだのだ。
つまり、ガイア人のチップを通して、ガイアの電脳ネットワークに入り込んだのだ。
「なに?」
皆があっけに取られた時、今度は隣の船長室にいたリーナに異変が生じたのである。
「いや〜。」
リーナは自分の頭の中に、なにかが潜り込んだ違和感を感じ、叫び声をあげた。
「どうしたの、リーナ? ダメよ、静かにしていなくては。」
突然、頭を抱えて苦しみ出すリーナをエリザベスは抱きしめ、励ます。
リーナの頭の中に侵入したのはティンカーベルであった。
「リーナ、リーナ、お願い。私を助けて!」
リーナの脳裏にティンカーベルの姿が浮かぶ。
「ティンク?⋯⋯なの?」
リーナは自分の脳内に闖入したものがお友達になったばかりの『妖精』さんであることを悟った。
ティンクは懸命にリーナに訴える。
「お願い、リーナの脳の領域を少しだけわたしに貸してほしいの?」
幼いリーナにその意味は理解できなかった。
「お願い、私の大切な人たちの命が危ないの。それを守るには、リーナ、あなたの助けが必要なの。」
「え?わたしが?」
「そうよ。そうしてくれないと、あなたのパパとママの命も危ないわ。きっと海賊たちに殺されてしまうわ。」
パパとママの命と言われて、リーナに恐怖が走る。そう、彼女の幼少期は孤児院での記憶しかない。何も無い、白く透明な現実の世界。パパのハグも、ママのキスも、冬の夜の暖炉も、暖かいスープも本の中の物語の中にしかなかった自分の世界。そこから掬い上げてくれ、本物の居場所をくれたのは、パパとママだった。そして、この世に自分がいてもよい、そう感じさせる愛情をくれたのも。
その、パパとママの命が危ないという。
「それだけはダメ。パパとママだけはダメ。いいわ。あなたを手伝ってあげる。私があなたの『ウエンディ』になってあげる。」
(そこはピーターパンでは。)
ティンクは苦笑してそうつぶやいた。そして、それは独り言のはずであった。しかし、リーナはほほ笑んだ。
「だって、『ピーターパン』は私の王子様になる人がなるんだもの。」
リーナがその問いに答えたことにティンカーベルは驚いた。それはつまり……。
(そうか、私たち、もう、リンクしているのね、リーナ。)
それは、リーナの脳の大脳皮質を変化させ、ティンカーベルの司るスーパーコンピュータ領域が完成したことを意味していた。大脳皮質コンピュータ。C3(シーキューブ)である。
「ごめんなさい、リーナ。この船には私を受け入れられる適合者はあなたしかいなかったの。」
ティンカーベルは幼子に自分を受け入れさせたことをわびた。人体への『有人格アプリ』のインストールは原則禁止されているからである。それは、インストールされた人の命や人間性を著しく損なう危険性があるからだ。
リズの腕の中で頭を抱え、苦しんでいたリーナの身体が弛緩する。
「リーナ?」
気を失ったのかと彼女の意識を確かめるリズに、リーナはぱちりと目を開いた。
「リーナ、大丈夫なの?」
心配する母にリーナははっきりと告げる。
「ごめんなさい。ママ。私はもう大丈夫よ。」
リズが腕をほどくと、リーナは母の肩を頼って立ち上がった。
(『拒絶反応』、『人格崩壊』……なし。)
ティンカーベルはリーナの体調を確かめた。
「リーナ、無理をしなくていいんだよ。もう少し横になっていなさい。」
いたわる母にリーナは首を横に振った。
「リーナ、ほんとうに大丈夫なのかい?」
ロナルドも尋ねた。
「すこし、待っていてね。パパ。」
リーナは立ち上がると船長用のデスクの端末をいきおいよくタイピングする。ティンカーベルはあっという間に船全体への支配力を回復した。
しかし、リーナの叫び声をテロリストたちは察知していた。
「おい、船長室に誰かいるぞ。」
「兵士かもしれない。射殺しろ。」
テロリストたちは船長室に侵入を試みるが、部屋は施錠されていた。
「船長、扉を開けろ。」
テロリストたちの要求に船長は首を横に振った。
「鍵は先ほど君たちが取り逃がしたティンクが持っている。それに、中にいるのは見学中のただの一般人だ。君たちと同じガイア人だよ。」
しかし、テロリストたちは引き下がらなかった。
「いや、中にパソコンがあれば、ティンカーベルの逃亡先はそこに違いない。開けろ。」
頑として拒絶する船長を見て、テロリストたちは確信を深めたようだ。
「では、ブレードを使え。」
彼らの代名詞である短刀が登場する。その刃はドアに当たると火花を散らしながら、まるでグラインダーで削り取るように硬い金属で出来たドアのノブを切り取っていく。
「リーナ、リズ(エリザベス)。私の後ろに下がって。」
ロナルドは侵入者に備え、家族を部屋の奥へと押しやる。ティンクはリーナのデバイスを通じて、船のコントロールを取り戻していたのである。
ドアが開くと銃を向けた男が入って来た。
男は部屋を見回すと三人にすぐに気づいた。
「手を上げろ。」
命令に従って三人は手をあげる。男はパソコンに気付いた。
「それを渡せ。」
ロナルドはリーナからパソコンを受け取るとそれを渡した。
「こいつか。」
そう言って電源を落とす。このまま持ち帰るつもりなのだろう。男はにやりとした。
その時だった。
「さあ、ショーの始まりよ。(It's show time.)」
リーナが言った。
それと同時に船橋のドアから、荷物の番をしていた傀儡と呼ばれる遠隔操作式の警備ロボットがなだれこんで来たのだ。
大抵の賊は荷物を狙うため、貨物室には武装した警備ロボットが常駐しているのだ。そして旅客エリアや乗務員エリアは人間の警備員が安全を守っている。今回は貨物室にテロリストが一切手をつけなかったため、スルーされていたのだ。
「なぜだ?なぜこいつらが動ける?ティンカーベルはここにはいないのか?」
しかし、ティンクが逃げ、コンピュータ・コアが休眠状態にあるのに、誰がどのように傀儡に指示を与えているのか、ここにいる誰にも皆目見当がつかなかったのである。
しかも、占拠されているパーティ会場にも同時に警備ロボットがなだれ込む。しかも、荷役用の作業ロボットまでやって来たのだ。
「ティンクは生きている。そう、ここではないどこかで。」
船長が呟いた。まるでそれは祈りの言葉のようであった。
ロボットたちは次々にテロリストたちに襲いかかった。彼らは『天使』を起動する間も無く、手や足を潰された。今回の襲撃は武装した兵を襲うわけではないので軽装の者が多かったのだ。
「くそ、ロボット三原則はどうなっていやがる?」
自律型ロボットは人を襲わないように、活動領域外での機能を制限されているのだ。
「ようは『自律』じゃないんだ。誰かが、どこかでこいつらを操っているんだ。いったい誰だ?どこにいるんだ?」
ティンカーベルはリーナのC3領域を目一杯使って、傀儡を使い続けた。テロリストたちは徐々に追い詰められていく。
「くそ、こちらも傀儡を連れてくるべきだった。」
間違いなく操っているのは『有人格アプリ』のはずだ。ロボットたちはテロリストの関節をなんの躊躇もなくあらぬ方向へ折り曲げて言ったからである。響き渡る骨のひしゃげる音と、テロリストたちの苦悶の声に、さすがの乗員たちも同情を禁じ得なかった。
「だめです。抵抗が強すぎます。ティンクの確保はあきらめて、撤退しましょう。おそらく通報もされているはずです。」
「くそっ。」
部下に促されて、テロリストのリーダーは忌々しそうに、撤退を指示した。
しかし。
「おい、こいつ、上院議員のアシュリーじゃないのか?」
部下の一人がロナルドの正体に気付いた。
「よし、こいつは使えるぞ。俺たちが撤退を完了するまでの盾に使うぞ。いや、そのまま連れ帰って政府から身代金を頂戴するのもありだな。行きがけの駄賃だ。連れていけ。」
リーダーはそう命じると銃を突きつけている男はロナルドを無理やり勾引しようとした。
「なにをする?」
「あなた!」
抵抗するロナルドをテロリストの一人が銃のグリップで殴った。
「ダメ、パパを連れて行かないで!」
リーナが叫ぶと、テロリストたちと対峙していた作業用ロボットが反応する。そのアームが突然伸びると、ロナルドに手をかけたテロリストの頭に摑みかかった。
「がっ。なにしやがる。」
突然の状況にテロリストは銃を撃った。
銃声に驚いたのか、そのアームは男の頭部を握り潰してしまったのだ。
骨がひしゃげるいやな音と、大量の血液、そして脳漿がリーナの目の前で飛び散る。それはリーナのほほにもしぶきがかかった。
あまりにショッキングな場面を目にしたリーナはそこで失神してしまった。
「これ以上はまずい。『殺し』の段階に入っている。」
ロボットが自分たちを殺傷することに踏み切ったことで、テロリストたちは撤収し、この事件はようやく終わりを告げた。
テロリストたちは逃走し、その後ようやく警察がかけつけたのである。
「そういうわけだったのですか。」
凜は驚きを隠せなかった。凜の場合、脳の構造のC3領域への変化は緩やかなもので、数百年の時を要した。リーナのように数分でC3を脳内に構築できるとは思ってもみなかったからである。
「しかし、リーナはショックのあまり、記憶喪失になってしまってね。もう、事件のことも、それ以前のことも、ほとんど何も思い出せないんだ。そして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)なのだろうか、すっかり引っ込み思案な子になってしまったんだよ。」
(人格が一変した……。完全に、大脳皮質を弄られた後遺症だな。しかし、よく廃人にならなかったな。)
凜はそう思ったが、さすがに、それを口に出してロナルドに告げることはできなかった。
「ティンクのインストールに成功したには、恐らく、リーナが当時7歳という極めて脳が柔らかだった時であったからでしょう。凜の場合は大分おっさんでしたから。」
ゼルが解説する。
「おいおい、誰がおっさんやねん。僕だって17歳の時だよ。まだまだピッチピチやで。」
凜は思わずツッコミを入れる。
「もう一つは、リーナが極めて優秀な脳で、しかもとても優しい子であった、ということです。まあ、『推しメン』に惜しげも無くバイト代の全てを入れ上げるノータリンのドルヲタの凜とは格が違うのですよ。」
ゼルはズケズケといい、それは凜の心にグサグサと突き刺さった。
(おそらくティンクは短時間でリーナにインストールするために、宇宙航路図のほかは、傀儡の操作系のプログラムくらいしか持ち出せなかったのでしょうね。)
ロナルドはこう話を結んだ。
「それで、これは国家機密なのだよ。つまり、リーナの中に宿る存在の正体が明らかになれば、当然、テロリストや他の国に狙われることになるからね。そう、リーナの中に我らが『母なる惑星』地球への道標がある、というわけなのさ。」
話が終わった頃、リーナがリビングにやって来た。リーナはソファに座った凜のひざに座ると、その身を凜にあずけ、凜の顔を見上げる。
「お話は終わった? ねえお兄ちゃん、私の部屋に来て?」
次回は「第46話:なめらかすぎる、ワルツ。」です。凜がリーナの部屋で見たものとは?




