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運命を操るのは  作者: 安藤真司
本編 運命を操るのは
4/41

不器用

 火曜日。

 今日も今日とて詩織と一緒に登校したみもりはしかし、自分のことを考えていた。

 自分の、とは言うものの、およそ内容は千晶についてだ。

 詩織も弥々も、おかしいのではないか。

 まずは認めましょう、とみもりは内心で呟く。

 確かに自分はどうやら、自分に怒っている、かもしれない。

 まだほんの一日話しただけの千晶ではあるが、その姿勢は明らかに拒絶のそれだった。

 そんな経験がないかと聞かれれば、なくはない、とみもりは答える。

 例えば幼い頃詩織と喧嘩して、絶交を言い渡しあった後などはご飯は喉を通らず、家族とも友達とも話す気がしなかった。

 だがそれは、なんというか、幼いが故の、初めて経験する事態に自分がどう振る舞えばいいのかがわからない状態だ。

 決して高校一年生という段階に到達した自分たちが大人であるとは思っていないが、小学校低学年の頃と比べれば、この場面でどうすればいいのかは理解できるようになっているのではないか。もしくは仮面を被って、本心はどうあれ、自分を偽ることができるようになっていたりするものではないか。

 だが、それが出来ないとは、どんな状況なのだろう。

 どんな心境なのだろう。

 だから例えば、一体どんな事が今の自分に起きれば、誰とも話したくないなんて自分が出来上がるのだろう。

 詩織と喧嘩する?

 家族と喧嘩する?

 きっとそのくらいでは、他の友人に愚痴を零すだろう。

 なら、その愚痴を零す友人がいない転入生の状況だったら?

 確かにそんな状況なら話しづらいかもしれない。

 誰かと喧嘩していらいらしているんだ、などと出会って初日の異性には話さないだろう。

 けれど。

(違う、のでしょうね)

 千晶の反応を思い出す。

 それこそたった一日の付き合いなので絶対、などとは言えないが、そうではないだろうと思う。

 少なくとも苛ついていたのは話しかけてくるみもりに対してであったし、自己紹介はおろか大石教諭に対してもそっけない態度をとっていた。

 あれは、そう。

 きっと、もっと大きな理由があるはずなのだ。

 だから大石教諭も何かを言いあぐねていたのだ。

 けれど、ならば。

 そんなことに、首を突っ込むべきではない。

 赤の他人である自分が、出会ってまだ名前くらいしか知らない自分が知っていいことではない。

 例えその大きな理由を知らなければ心を開いてくれることがないと、わかりきっていたって。

 プライベートは、人に言いたくないことは、その内で守られるべきだ。

(結局、私は普通に振る舞うことしかできませんものね)

 一高校生にできることなんて、そんなものなのだろう。

 理解はして、しかしみもりは納得できない。

「まだそんなこと考えてるの? みもり」

「自分の至らなさに心底うんざりしてるんですの」

「面倒くさいなぁ」

「失礼ですわね」

 詩織の言う通り、面倒なのは自覚しているのだが。

 一度気になってしまえばどうも考え込んでしまうのはみもりの癖であり、癖というものはなかなか直るものではない。

「でもそれ妄想なんでしょ?」

「妄想……ですわね」

 理路整然としている風ではあるが、論理は穴だらけだ。

 千晶の反応だけから類推することを、妄想している、とは言いえて妙だが、確かにそうなのだろう。

 過度に裏を読みすぎる、ということは、そうであって欲しいという願望が混じっている証拠になる。

「まぁそれはそれとして、仕事はちゃんとやらなきゃね」

「当たり前ですわ。っていうかそれを詩織に言われるのは心外なのですけど」

「あはは、文化祭までまだ結構あるんだし、一つのことに縛られすぎないようにね」

 そんなことはだから言われなくてもわかってる、とみもりは詩織に突っ込みながら気持ちを少し落ち着かせる。

 まったくもってその通り。

 やらねばならないことは山積みなのだ。



 文化祭前の授業ほどつまらないものはない。

 と、まぁ、誰しもそんなことを考えているのだが。

 年度初め、四月はまだクラスに慣れていないと言い、五月病にかかったと言い、六月は梅雨でじめじめしていると言いさらに体育祭でそれどころではないと言い、七月はもうすぐ夏休みだと言い、八月は夏休みであり、九月は夏休み明けでやる気がでないと言い、十月は文化祭が中心だと言い、十一月は文化祭の燃え尽き症候群だと言い、十二月はクリスマスと冬休みがあるからと言い、一月は正月が抜けきらないと言い、二月は入試休みやバレンタインで忙しいと言い、三月は年度終わりの思い出作りに勤しんでいると言う。

 ついでに特別な行事として修学旅行がある場合にはその準備が必要なのだと言う。

 いやはや、一体いつ勉学へのやる気が出るのだと問いたいところである。

 しかしながら、その中でも文化祭前という時期は学校の教員ですら、学生にやる気がないことを仕方ないと考えている節がある。

 進学校である幸魂(さきみたま)高校においてもそれは同じで、どこか浮つく生徒達にあれこれ詰め込ませても仕方がない、ということなのかまた別の思惑があってのことなのかは不明だが、十月に入ってからは課題の量がどの教科も少ない様子だ。

 真面目で勉強熱心な学生は多いが、しかし彼らもまだ十代の後半、勉強が重要であることを理解していても、遊べるときには遊んでおきたい年頃である。

 そんなわけで、文化祭前はやや落ち着いた授業を繰り広げる教師陣の対応は生徒からの評価が非常に高い。


「ですから! どうして勝手に持っていくんですの!?」

「うるせぇな勝手だろ付いてくんな」

「私の仕事でもあるんですので! ご希望には添えませんわ」

「なら黙って付いてきてくれるか?」

「それもお断りします!」

 さて、いかに文化祭前でゆっくりとしたペースを見せる授業であっても、一切宿題が出ないかと言えばそんなことはなく。多少は出る教科もある。

 数学の課題提出が本日だったため、授業後先生の指示で課題ノートを教卓へと集めていく。そして随分な束になったノートの数をおおよそチェックした数学教師はみもりと、そして千晶にこのノートを職員室まで持ってきて欲しいと頼んできた。

 大きな定規やコンパスなどの授業用の用具を持つ数学教師の姿をよく見ているため、ノートくらい生徒が持って行って然るべきであろう。

 早速ノートを束の半分だけ持っていこうとしたみもりであったが、その前に千晶が全て持って廊下へ出てしまった。

 それを追って文句を言ったみもりへの対応が、「うるせぇ」なのだから怒るのも無理はないだろう。

 千晶の転校二日目。

 大きく変わったことがあるとすれば、昨日はほとんど喋ることのなかった千晶が喋るようになったことだろう。

 相変わらず、新しいクラスメイトに興味津々な有象無象が質問地獄へと千晶を誘っていたが、それに対して口数が少ないものの受け答えはしていた。

 例によって耳をそばだてていたみもりはそこから幾つかの情報を得た。

 両親の転勤で随分と遠方からこちらへ引っ越してきたらしいこと。

 その際、勉学が得意であった千晶はほとんどチャレンジの意味で幸魂高校の転入試験を受けてみたらしいこと。

 元々自分は喋るのがそんなに得意ではないので、あんまりあれこれ話しかけられると困るらしいこと。

 身長は百八十ぎりぎりないくらいらしいこと。

 小学校時代は野球を、中学時代はサッカーをやっていたらしいこと。

 彼女はいたことがないらしいこと。

 それら、沢山の質問にきちんと応えているのを聞いて、みもりはふむ、と思ったものだ。

 どうやら会話を一切したくないらしいわけではないらしい。

 しかしながら、どうも自分への態度に比べて、他のクラスメイトへの態度の方が柔らかい気がする。

 そう思っていた矢先、課題ノートを勝手に持っていくわうるせぇと言ってくるわでみもりは単純な怒りを千晶にぶつけていた。

「大体なんなんですの昨日も教科書一人で持っていましたし。荷物運びたがり屋なんですの?」

「なんだ荷物運びたがり屋って知らん」

「それに、昨日は黙っていたのに今日はまた親しげに話してらっしゃいましたね?」

「あぁ? てめぇ盗み聞きしてんじゃねぇよ」

「隣の席なので聞こえてくるんですわよ。昨日の態度はなんだったんですの?」

「お前がうるさくていらいらしてたんだよ言ったろ」

「そうでしたわね、思い出しました!」

 二人並んでいがみ合う姿は、実は結構な仲良しに見えており。

 行き交う生徒達は、生徒会会計のみもりが転入生と早速楽しそうに歩いている、などといったあながち間違ってはいないが正しくもない感想を抱いていた。

 それからも楽しそう、もとい、大変元気良く顔を突き合わせて職員室へと向かったみもりと千晶は、結局千晶がノートを持ったままだったが。

 二人の姿を見た数学教諭は手招きして自分の机にノートを置いてもらい。

 そして。

「なんだ、仲良くやっているみたいで良かった」

 と、みもりに一つ打撃を入れて。

「女子に荷物を持たせない心意気は大事だが、ノートくらい頼ってやれ秋山」

 と、千晶に致命傷を負わせて。

 二人を帰らした。


 その、職員室から教室までの帰り道。

 先ほどまではがみがみと声を荒げていた二人だったが、逆に二人からは会話がなくなっていた。

 しばらくの無言の後、先に口を開いたのは千晶だ。

「……なぁ、俺たち、仲良く見えたのか?」

 その表情は、心外だ、というよりは、どうしてこうなった、という困惑のそれである。

 特に悪気はないらしい。

 そのためみもりも素直に答えることにする。

「……見えた、みたいですわね」

 ただ、みもりはそちらよりも、もう一つの事実に気がいってしまって、あまり深く考えることができていない。

 心なしか、顔が熱い、気がする。

「……あの」

「ん?」

「……秋山くんが、ノートと、昨日の教科書持ったのって」

 それだけでみもりの言いたいことは全部伝わったらしい。

 と、いうかこの変な空気の原因はどう考えてもそれだろう。

「私に持たせないため、ですの?」

「なわけあるか馬鹿」

 言葉は乱暴だが、いまいち覇気がない。

 千晶は顔を背けて、難しい表情をしている。横目に見るみもりから微妙に隠しきれていないのが面白い。

「なら、最初からそう言ってくれたらいいのに」

「言えるわけねーだろ」

 言えるわけがない。

 どうしてだろう。

 単純に、恥ずかしいから、という理由だろうか。

 それとも、言えない理由が、まだどこかにあるのだろうか。

 そこまではわからないし、聞けるはずもない。

「ごめんなさい。私、少し秋山くんのこと勘違いしていたみたいですわ」

「……あのな」

「ごめんなさい」

 みもりは頭を下げる。

 秋山千晶が、どういった人間なのか、それはいまだわからないし、わかるはずもない。

 だって、たったの二日しか経っていないのだから、当たり前だ。

 けれど、その当たり前を、みもりは気にしてしまう。

 当たり前だから相手に偏見を持っていていいだとか、当たり前だから相手の事情を知らなくていいだとか、当たり前だから相手をわからなくていいだとか。

 そんな風に考える人には、なりたくない。

 結果なってしまっていたならば、謝りたい。

 そうでなければ、また、戻ってしまう。

 詩織に助けられるだけの、自分に嘘をついたままの、かつての森崎みもりに。

 そんなのは、嫌だ。

「いい、謝るな」

「いいえ。謝らせてください。私、何か事情があるんだと思っていたんです。秋山くんが何も話したくない理由が。誰とも会話をしたくないって思う理由があるんだって」

「それが、なんだって」

「そう考えてしまったこと自体が、おこがましかったです。ごめんなさい」

「あーうるせぇな! 別に気にしてねぇよ! 今のほうがうぜぇ!」

 千晶が先ほどのテンションを思い出したかのように、大きな声を出した。

 ただそれが、無理矢理、頑張ってのことだというのはみもりにもすぐにわかった。

 本当に簡単に言うのならば、不器用、なんだろう。

 千晶も、みもりも。

「あのな! 一応言っておくが、理由くらいある!」

「……え、と」

「確かに、俺がこっちに来た理由はじゃねぇよ! 転勤じゃない理由が別にある! それで誰とも話す気がなかったんだよ! お前がぎゃーぎゃー話しかけてきた所為で無駄だったがな!」

 思いのほか多くのことをいっぺんに話されて面食らうみもりだったが、大事な部分だけしっかりと言葉をなぞる。

 転勤ではない、理由が、ある。

 そのために、誰とも話す気がなかった。

「……」

 これ以上は、踏み込んではいけない。

 みもりはそう判断する。

 なぜなら、それはもう答えを言っているようなものだ。

 具体的になにかはわからないが、そこに何かがある、というだけでみもりに伝えるには十分すぎる。

「だから別に、何かあると思って気を遣ったんなら別に間違っちゃいねぇが、それが嫌で喋らなかった俺に対しても気を遣えよ」

「……」

 そんな千晶に対して使える言葉なんて。

 それこそ一つしかない。

「ごめん、なさい……」

 けれど、今度は、何に謝ったのかがわからない。

 謝っていないのかもしれない。

「だから! さっきみたいにうざいままでいろよお前は!」

「そう……そう、ですの」

 なるほど、何があったのかはわからないが、誰とも喋りたくない気分のときに無理に話しかけられればそれはストレスも溜まるだろう。

 そして、仕方なくそれに合わせて喋ったというのに今度は気を遣われれば、それこそ自分が惨めに感じるかもしれない。

 ならばいっそ煩いくらいに話しかけられているほうが楽なのかもしれない。

 人は、誰かに憐れに思われるのが一番苦しい。

 人は、誰かに可哀想だと思われるのが一番辛い。

 なら、今の自分がどうするべきか。

(やっぱり、私はどこまでいっても私ですわね)

 みもりは思い、恐る恐る言葉を繰る。

「その、ずっと思ってたんですけれど、お前って呼ぶのやめてもらっていいかしら。私、森崎みもりって名前があるんですの」

「そうか、ちょうど良かった俺も『くん』付けされるのが嫌だと思ってたとこなんだ。呼び捨てにしろ」

「む……」

 よく考えると、意外と男子のことを呼び捨てにしたことがない。

 改めて言われると少しむずがゆい、と思いながらも、言われた通りにきちんと呼び捨てるように頭の中で数回繰り返す。

 繰り返し、その途中であることに気が付く。

 詳しいことはわからないものの、転勤に別な理由があるということは、つまり仕事以外に私的な理由があったのだろうと考えるべきだ。

 つまり、苗字で呼んでもいいものなのだろうか。

 もしかすると、苗字が変わってしまうようなことが、あったのではないか。

 そう考えたみもりは、呼び捨てにする名を、変える。

「じゃあ、私のことは森崎って呼んでくださいな。千晶」

「んなっ!?」

 突然下の名前で呼ばれた千晶は驚きから気の抜けた声を出した。

 その様子を見て、みもりはしてやったり、としたり顔をする。気を遣ったこともあるが、それ以上に悪戯が成功したような嬉しさを覗かせる。

「てめ、人のこと」

「ええ、だって呼び捨てにしろと言われたので」

「誰が千晶って呼べっつった!?」

「もう、静かにしてください千晶」

「……あーわかったよ! 森崎の好きにすりゃいい!」

「ええ。そうさせてもらいますわ」

 結局互いに互いのことをよく知りもしない二人は、なんだかんだと呼び捨てにしあう仲になっていくのであった。

 そこでようやく、みもりは普段通りの笑顔を見せることに成功した。



 放課後に入ると、まずは今後の予定についての話し合いがクラスでされた。

 大きな議題は、千晶にどんな役割を振るか、だ。

「いや、だから俺は別に、雑用とか……当日の受付とかよ」

「駄目だよーせっかくこうして一緒のクラスになったんだから文化祭は準備から楽しまないと」

「そうだよ! なんなら役者でもオールオッケーだよ! まだ本番まで時間はある!」

「いやいや、本番までもう二週間もないだろ台詞とか覚えらんねぇって」

 議論の中心にいる千晶が一番困ってそうで、周りは楽しそうに話をしている。

 なお、千晶の困っている様子が楽しかったのでみもりはひとまずノーコメントの姿勢を貫いている。

 が、みもりが楽しく傍観していられたのはほんの二分程度であった。

 きっかけはやはりというか当然というか、このクラスの女子の発言にはなにか爆弾を投下する能力でもあるのか、ともかく一つの発言だ。

「いっそ王子様役をやったらいいんじゃない?」

「……あ?」

 誰の言葉であっても、高校生とは、とにかく刺激や目新しいものを面白がる傾向にある。

 また、特徴的なのは、一度石を投げ込めば、波紋が広がるように、その勢いや熱というものは拡散されていく。

「いいんじゃない! それ面白そう!」

「待て待てそんな重要な役無理だ! さっきも言ったろ!」

「確かに、裏方とかはもうやれること少ないしそのほうが楽しいよね!」

「それにまだ二日目だけど秋山くんみもりと仲良いし!」

「それあるー! っていうか回数厳しいならいっそみもりちゃんと同じ回だけ王子様やればいいんじゃない?」

「確かに! みもりちゃんの相手役ぴったりじゃない!?」

「だからどうしてそうなる!? 森崎と仲良くもねぇし、っつーか役とか無理だ!」

 なおも抗議の声を続ける千晶にみもりも加わる。

 千晶が役者をやること自体は悪いことではないと思う。

 クラスに馴染む意味では、これ以上ない選択ではあると思うが。

 勝手に森崎みもりと秋山千晶の仲良し説が広まるのは御免だ。

 ただ担任の大石教諭から、世話を多少見てくれと言われただけなのに、そこまで盛り上がられるのは不本意だ。

 なので自分と同じ回というのも変えたいところであり、ついでに自分は生徒会の業務で忙しく、あまりクラスには来れないため、どうせならしっかりとクラスの皆と話せるように他の回に参加して欲しい。

 そんな思惑を伝えるためにみもりはまず呼びかける。

「私も千晶と同意見ですわ。私たち別に仲良くなんか――」

 ところで。

 高校生というものは。

 噂や流行といったものに敏感なものである。

 男女の仲に関しては、特に。

 そう例えば。

 普段男子のことを苗字で呼ぶような女の子が、ある男子のことを名前で呼んだとすれば。


「ちあ……き……?」

「みもりが、秋山くんを、名前で、呼び捨て……」

「お、おい。あの森崎が……まじか……」


 大声で騒ぐことがなくなった代わりに、妙に小声で喋る者が増えた教室。

 その中心にいる、みもりと千晶。

「……ひょっとして、私、何か間違えたかしら」

「森崎、やっぱ馬鹿だろ」

 その後の展開は話すまでもなく。

 千晶はみもりと同じ回の王子役として抜擢され。

 ついでに二人が付き合い始めたという噂が広まることとなった。

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