ぷろろーぐ
紅い月が天空に昇るとき
世界のカウントダウンが開始される
逃れる道は ただ一つ
神の血を引く子をさがしだし
そして
紅い月のモノを倒すことのみ
神の血を引くもの
一人は 白銀に金色の瞳をもつもの
名を “カイン”
一人は 紅に白銀の瞳をもつもの
名を “アベル”
―――――プロローグ
それは、太古の昔の物語。
世界の創世に近い昔のことだった。
そのころ、命ある者が住んでいたこの生界は、死界にすんでいる悪魔たちに汚され続けていた。
全ての生き物が死に耐えようとした生界に、二人の神が舞い降りた。
一人は、名を“カイン”。
一人は、名を“アベル”。
力の神であるアベルが、全ての悪魔を倒し、知の神のカインは死に耐えたこの世界に命を吹き込んだ。
永い戦いにつかれた二人の神は、その疲れをいやすために、永い眠りにつきました。
「ねぇ、かあさま」
枕元で絵本を開き、ランプの小さな灯の中、絵本を読んでいた母を、幼い子がよぶ。
「なあに?」
優しく幼いわが子の頭をなでる女性。
「ふたりのかみさまは、いまも、ねんね、してるの?」
たどたどしく聞いて来る幼いわが子に、女性は笑う。
「えぇ、そうよ。だから、あなたもおやすみなさい」
わが子を撫でていた手を、ゆっくりとわが子の瞼へと乗せ、目を閉じるように促すと、手のしたで瞼の閉じられるのが分かる。
「おやすみなさい、私の愛しい、アベル」




