表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/33

01

ゆきね「さ~、今回から新しい小説が始まるわよ!」


まさと「っていうか、いきなり出てきて良いの!? オレら、別小説の登場人物だから、ここに出番ないよ」


ゆきね「仕方ないのよ。まだプロローグで、この物語の主人公が3話目まで出番ない予定なのよ。それで解説にアタシ達にお鉢が回ってきたってワケ。とりあえず、節目にだけでも解説を行おうって・・・」


まさと「解説する必要ないんじゃないの? まだ一話目なんだし」


ゆきね「見どころとか、小説に対する意気込みとか・・・」


まさと「あるの? 見どころ・・・」


ゆきね「イタイとこ突くわね。今回の小説は作者がロー○ス島戦記を読んで、思いついた正統派ファンタジーっぽい小説を目指しているのよ」


まさと「『っぽい』って言っている時点で無理じゃね?」


ゆきね「目指すのは自由なの! 諦めたら、そこで試合終了よ」


まさと「で、結局解説は?」


ゆきね「・・・何言えば良いと思う?」


まさと「はぁ~。小説の内容はあらすじを見てください。ただし、あらすじはあくまで予定のため変更の可能性があります」





 古い神殿に一人の男が立ちすくんでいた。


 だが、その神殿はすでに廃墟と化してしまっていて、元々どんな建物だったか判別できなかった。大理石と思われる巨大な柱の基礎と朽果てた壁が一部残っているのみだった。

 何十年も人の入った形跡はない。ただ、幾種かの小動物がここを住処としているのみである。


 ーーガラッ、ガタン、ゴロッ、ドタン


 男はあるものを探し、廃墟をあさった。



 インゼル大陸という小さな大陸がある。その北東に暗黒の島の二つ名で呼ばれるヂュースター島という島があった。

 島の周囲は2km程度。緑に囲まれ、様々な花が咲き乱れていた。

 しかし、全くの無人島だ。それは、この島にかつて魔王が住んでいたという伝説があったからだ。


 そんな島にこの神殿はあった。

 もしかしたら、この神殿は魔王の物だったのかもしれない。



 ーー男はちんけな盗賊であった。もちろん、この物語の主人公・・・ではない。


「本当に、こんな島に財宝があんのかよ」

 目の前の蜘蛛の巣を払いよけながら、男はつぶやいた。




 デュースター島の奥には大昔、勇者が封印した魔王が今も眠っているという伝説があった。インゼル大陸の子供たちは、小さい頃寝物語にこの伝説を必ずといっていいほど聞かされる。

 実際、この男も幼い頃、祖父に何度となく聞かされていた。


『昔々、この世界は魔物がはびこり、この世の地獄と化していた。そこへ、異世界から一人の勇者が遣わされた。勇者は各地で数々の魔物を滅ぼし、幾多の難関を乗り越え、仲間たちと強大なる魔王に立ち向かった。仲間の何人かはその戦いで帰らぬ人となったが、何とか魔王を封印することに成功した。その魔王との激戦が行われたのがこのデュースター島だ』


 そして、その話は決まって次の言葉で締めくくられていた。


『デュースター島は呪われているから、近づくな』と・・・



 ーー下らない言い伝えだ。


 男は頭を振り、その古臭い考えを振り払った。

 子供や迷信深い老人なら信じるかもしれないが、今どき信じている若者などはいなかった。

 無論、この男も信じていない。

 なぜなら、彼は魔物を見たことがない。彼に限らず、今の若者で見たことがある者は皆無に等しい。

 大昔はあちこちに出現していたらしいが、近年その目撃例は絶えて久しい。

 彼らにとって魔物とは、今日我々がネッシーを見るのと同じくらい稀なことなのだった。

 ま、近年、ネッシーはインチキだと発表されているが。


 ともかく、迷信を信じていようが、いまいが、この島に近づくものはめったになかった。

 それは、この島に漂う怪しい気配、瘴気のようなもののためだった。

 本当に化け物か何か出てきてもおかしくないほどの嫌な気配が絶えず付きまとっていた。


 当初、この男もビクビクしていたが、何時間もここにいてヘビ一匹にさえ会わなかった。

 だが、こんな辛気臭いところだからこそ財宝の隠し場所にはうってつけだった。何しろ、誰もこの島に近づかないのだから。

 必ず、何かしらの財宝があるに違いない。




 ・・・そう、あの男も言っていた。


 確か、なんていう奴だったかな。名前は忘れちまったが、

 そうだ・・・、魔道士ふうの恰好をしたうんくさい奴だったけな。


 街外れのうらびれた酒場で、男が水のように薄い安酒を飲んでいた時、不意にその魔道士ふうの奴が自分の横に座った。

 そして、そいつは何の前置きもなく、話しかけてきた。


「いつまでうだつのあがらないコソ泥家業をやっているつもりだ? ここで一発でかい山でも当てて、豪勢な暮らしでもしてみる気はないか? な~に、難しい話じゃない。簡単な仕事さ・・・」


 見たことのない顔だったが、このこいつは自分の事を知っているらしい。

「・・・どんな仕事だ?」

 興味半分で聞き返した。


 それに正直、最近この仕事にうんざりしていた。

 これほど割に合わない仕事もない。

 徒党を組んで大きな商隊を襲うような仲間もいなけりゃ、その度胸も実力もない。

 この間も、ちんけな盗みを働いて臭い飯を食っていたばかりだ。

 かといって、カタギの仕事に就く気はさらさらなかった。


 駄目元でこの魔道士の話を聞いてみる気になった。

 それが、このデュースター島に財宝が隠されているという話だった。


 ーー昔、この近海を荒らしまわっていた海賊がいた。海賊たちはその分捕った宝の隠し場所にデュースター島を選んだ。その後、海賊たちは国から派遣された正規軍によって、皆殺しにされ壊滅してしまった。

 そして、皆殺しにされてしまったゆえに、宝の正確な隠し場所は分からず仕舞いになってしまった。その海賊が隠した財宝は今も島に眠っているらしい。


 その話の信憑性はともかくとして、この魔道士の出した条件は悪くなかった。

 もし、財宝が見つかっても彼が欲しいのは財宝の中にある黒水晶だけで、その他は全て自分の物にして構わない。また、財宝があっても、なくても十分な報酬を与えるというものだった。


 実際、その魔道士はかなりの前金を提示してきた。

 財宝が見つからなくても金が入るし、万一見つかったら大儲けだ。

 もし、こいつが望む黒水晶に凄い価値がありそうならば、そのままトンズラすればいいし、価値がなさそうなら男に渡して後金をせしめればいい。


 男は二つ返事でOKした。

 魔道士は男の思惑に半ば気づいていたが、薄笑いを浮かべただけで前金を渡してきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ