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アステリオス--転送遊戯--  作者: 士丞 知
プロローグ
3/13

古の旅立ち-1

三話一度に投稿!!

ちょっと短いです。


ーー現在ーー


「そんで、結局ジョーカーも倒したんだっけ?」


「そうだな。弱かったのは覚えてる」


肩を竦め、呆れる仕草をするノトキア。

この会話は呆れるほどにおかしい会話だということを、二人は自覚している。

しているが故に、肩を竦めるしかないということだった。


「さて……もうすぐでサービス終了だな」


悲しみを一切含まず、ありのままを受け入れるかのように……あるいは、諦めきってしまったのか、あまり感情がでないノトキア。

フォクセイも、少しだけ寂しそうな表情をしたが直ぐにへらへらした表情になる。


「そうだねー。それじゃあ、お疲れ様」


「ああ。またあえることを……」


ーーーーシステム、起動。展開。

ーーーー『アステリオス』昇華。アップグレーティッド。

ーーーー『エイステリオウス』イグニッション。



ーーーー

……。

他の世界の、力持つ『竜帝』に頼みたい。

私の世界を救ってほしい。

私の……『刻の女神』の力で、貴方と血よりも濃い絆を持ち、貴方の愛情を注がれた従者達と此の世界へ。

お願いします。世界を、『主神』の遊びから守ってください。


ーーーー


ーーーー……error。

ーーーーGoddess Shi wish, do ………… the dragon emperor.

ーーーーIs now than when , it does connect the world and the world of "Eisuteriousu".

ーーーーIgnition overdrive "Terisutoria-Eisuteriousu"


ーーーー


ーーーーテリストリア・エイステリオウスーーーー


深く腰かけていた椅子の感触を、"鎧越し"に感じる。

おかしい。俺の目の前に広がる光景が、夢の詰まるPCではないということが、俺を困惑させた。

そして、心臓の動きを知覚して、違和感を感じる。一定の動きを保っているのは良いのだが、"一定過ぎる"のだ。

疑念は確信へと至る途中で、俺はまた疑念を持った。


ーーーー気配が感じられる。


基本的にVRの世界では、人間の持つ動物的察知能力……つまるところ、気配や第六感等と言われる科学的根拠が薄いものはない。


そして、複数の気配を感じるが、そのどれもが自らよりも弱いことが、平常心でいられる理由だろうか。


ーーーー答えは否だろう。


俺は薄々感づいていた。認めたい心と違った場合の羞恥心がせめぎあった結果の確認だろう。

俺は横に立つ従者二人の息遣いと、円卓の奥にある相当な数の気配を感じながらも、目を閉じる。


ーーーーメニュー閲覧。


心の中で告げる。すると脳裏に『アステリオス』時代のメニューが現れた。


ーーーーステータスーーーー

ステータスを改変されました。

これを是とし、刻かけて死なぬ身になりました。


名称ーー『ノトキア・フェル・アルバート』

種族ーー『アンデッド・ドラゴン/不死竜』

種族ランクーー

ーー『ロード・オブ・アンデッド・ドラグニクス/不死龍帝』

種族レベルーー『 』

職業ーー『エアンペルテア・メイスタル/全能なる覇帝』

職業レベルーー『 』


常時発動スキルーー


ーー《覇帝の威光》ーー

人間種に対し、敵ならば《恐怖》、味方ならば《魅了》付与。

ーーーー


ーー《不死龍帝の鎧》ーー

全てのステータス変化を受け付けない。

物理ダメージを無効。魔法ダメージを半減。

ーーーー


ーー《不死竜の呪い》ーー

あらゆるHPの回復を受け付けない。

一定時間毎に、自身の体力の5%を回復。

この効果は適用される。

ーーーー


ーー《多重なる形成の身体》ーー

己が意のままに身体を構築することができる。

ーーーー


…………etc。


ーーーー


種族が変更されている。アンデッド。ゲームの世界では無かった名称だ。

他のゲームでは、ゾンビをアンデッドというが、『アステリオス』ではリビングデッドという名称だった。

アン……否定系の後にデッドだから不死……か。

まぁ、俺としちゃどうでもいい。


それよりも、フォクセイの気配がない。

ということは、俺だけがこの世界へと跳んだということか。


「ノトキア様」


鈴の音のような声が、俺の名前を呼んだ。

ゲーム時代、ありとあらゆる時間を共に過ごした従者の一人。

『アリサ・ファルリア・アルバート』

あのクエストにて従者となった、『龍の聖女』だ。


「ご用意が整いましたと、クロース執事長から報せが」


「用意……だと?」


「はい、ですが私には……」


歯切れ悪く、申し訳なさそうに顔を伏せるアリサ。

無論、俺は答えられないことは気にしてはいない。


「気にするな。執事長が用意した事、悪いことではあるまい」


「わかりました。ではそのように伝えてきます」


一礼して、円卓の間から静かに退出するアリサ。

俺とヴァネッサだけが残された部屋に静寂が訪れる。

俺は今一度ヴァネッサの全身を眺め、横顔に視線を送る。


「美しく可愛らしいな。ヴァネッサ」


ボンッと音が聞こえる程に、一瞬で顔が紅くなるヴァネッサ。

あわわわと口にだし、慌てる姿が凛とした彼女とギャップがあり、それがまた可愛らしい。


「あ、主様……ぅう。も、勿体なきお言葉です」


「くははは。ああ、まったく。可愛いなぁヴァネッサは」


そういう設定であるものが現実となっているんだ。

これだけの反応を見せるのが、俺は嬉しく思った。


ーーだが。そう思えるのは、どうやらここまでだったようだ。


「ノトキア様。どうやら何者による大規模抗争のようです」


「すぐに向かおう。シーズン・フォー達に伝えてくれ」


俺は、ゲーム時代での事を思い出す。

特殊発生型クエスト『大規模抗争』。


ーー『大規模抗争』ーー

自身のギルドに対して、一定数以上の敵が交戦意思を表明。

これらを撤退させるか、殲滅せよ。

ーーーー


何故、"現実"となった瞬間にクエストとおぼしきものが発生したか判らない。しかし、言えることは一つ。


「俺の国の近くで戦争たぁ……どうなるか判らんぞ(笑)」


ーーーーside out dragon emperor.


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