MITTEI
NINNJAには付き物のMITTEIです。
密偵というものではありません。※表記は途中から変わります。
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この世界に、ノトキア達が『刻の女神』に呼ばれて半年。
当初の目標通り、では無いものの目標達成した。その祝いの日。
王座の間にて、『オルガナ帝国』、『法廷国家 アガルテ』、そして『シーズン・アルバート王国』の幹部達が一同に会し、王座に座るノトキアを見る。
あるものは立て膝をつき、あるものは敵のように睨み付け、あるものは友人が戻ってきたかのように微笑んでいる。それらすべてを受け止め、悠然と座っているノトキア。しかし、その表情は困惑の一つ。
「どうして、こうなった……」
頭を抱え、今まで起きたことを思い出そうとするノトキア。
あの後、アルル達をレベルアップさせるため、魔物狩りに出掛けようとして、ルーバーから提案された。ノトキアの能力、龍力法《度重刻渦》を使用すれば良いじゃないか?と。効果としては、時を重ね続けるというもの。そこで、戦闘を行い、経験値取得の時を重ね続けるのはどうか。
ノトキアは、確かにと言ったものの、デメリットがあることも判っている。それは、実際の戦闘経験が不足してしまうことと。時を重ねれば重ねるほど、弱体化してしまうことだ。一度やってみたことがある(ナヴェルで実験してみたことがある)ノトキア。弱体化は目に見えて……というか、二桁近く落ちるのだ。さすがに使えないと思い封印している。
そのため、ノトキアとアルル、メル、はるちゃ、アルキス、マリアーヌのみでレベル上げ。そして、アルル達がレベル200に到達したとき。ギルドホームに戻ってくれば……。
「何故だ。何故こうなった……」
「ノトキア様。皆、ノトキア様のお言葉をお待ちですよ?」
いつの間にか、城が出来上がっていた。しかも、三国が合併して『アルバート帝国』を名乗っている。おいおい、俺の意思はどこいった?そして、話が飛躍しすぎだ。どうでも良いが。
ノトキアはなんとも言えない表情をする。しかし、そこはノトキア。冷静さを売りにしているのは伊達じゃあない。すぐに表情を引き締め、王座から立ち上がる。そして、城下町が見下ろせるテラスへと。
「『あー……。俺のことが好きな奴も、嫌いな奴も……いると思う。そうだな、この国は俺だけの国じゃあない。ミルタも、ルーバーもいる。ここにいる全員の国だ。皆で造り上げたこの国。ここに、土台ができたことを、祝おうじゃないか!』」
『おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!』
----side out world
----side in dragon emperor
さて。立国宣言してから一年。すっかり皇帝の位置に収まっている。正直、これでいいのか?と思うほど、何もない。何故だ。ここらでいっちょ、『主神』が動くか?と思ったが、特になし。はて……。
「ノトキア様」
「おう、何だ」
執政室にて、共に仕事をしていたアリサが口を開く。声音から察するに、嫌なことを思い出したようだな。
「ユルータニア民主国についてです」
「無視。以上。と言いたいが……」
「そうもいきませんよ、もちろん」
「だよなぁ……」
『ユルータニア民主国』。総兵数ウン万。"数は力"を体現してくれる軍団と言える。ゲームの時代は。今はどうなっているかも判らない。が、最近になり我が国へと、ちょっかいをかけている。
「シーズンを呼んでくれ」
「畏まりました、王」
俺の影にいたクロースに、シーズンを呼びにいかせる。何とも言えない、この状況。正直、この世界がなんなのか、速く知りたい。ゲームに近く、ゲームではないこの世界。
フォクセイよ。お前は相も変わらず、時間にルーズ過ぎるぞ?
「準備が整いました、王よ」
「判った。アリサ、行くぞ」
「はい」
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シーズン。俺が名付けた、『シーズン・アルバート王国』の管理者たち。スプリング、サマー、オータム、ウィンターの四人。彼女らは基本的に、ギルド……国の運営に携わってきていた。まぁ、仕事はそれだけではないのだが……。
さて。円卓の間で、シーズンたちが静かに座っていた。俺も、いつも座っている席につくと、頭のなかで状況を整理しながら話し始める。
「さて、気付いていると思うが……」
「うん。共和国のやつらでしょー?」
スプリングが頷き、
「まったく。殿の言葉も理解できん獣どもが」
サマーが呆れ、
「ふふ、旦那様が優しすぎるのですよ。もっとこう……」
オータムが提案し、
「そ、それは不味いよぉ……ほら、もっと穏便に……」
ウィンターが宥める。
「おう。いつもの光景だな」
俺は満足しつつ、少しだけ疑問を心のなかで浮かべる。が、どうでもいいか。竜帝の時ほど違和感はないからな。
さて、共和国についての話か。もし、空羽がこちらの世界に存在しているのなら……厄介だが。
「居るとしてもさー、なにもしてこないのわオカシイねー」
スプリングがぐったりと、机へ上半身を寝そべらせる。
「確かにな。もしやもすると、忘れるほどの事があったとも言えるが?」
アリサ……『竜の聖女』に執着を見せていた空羽。ギルドホームを潰した俺に、復讐の怨念に取り付かれていた空羽。そんな奴が忘却するほど執着する何か。興味は尽きないが、何かあったら面倒くさい。
「ふふ、アルルさん達のような方と……お会いしたのでは?」
「アリサに似ている奴でも見つけたか?」
「強ち、間違いでは無さそうです。王よ、この世界の聖女が居るのではありませんか?」
「そういうことか……だったら、クロースやシーズンも居るかもしれないのか……」
「殿。彼女らの話を聞いた限りでは……。この場に居る筈では。愚考しますが、この国とは別の、この国があるのではと」
……確かに、設定上では。だが、不確定要素である俺が出現した時点で、この世界の『|シーズン・アルバート王国《現在ではアルバート帝国》』が別世界……設定の範囲外の存在になっているのなら。
サマーが言った、この国以外にもこの国があることになる。ややこしいが、つまりはそう言うことだ。
「ぱぱが悩むのは、め、珍しいね……」
「んーまぁなぁ。今回は《粉砕☆玉砕☆大喝采》じゃぁ終わらんしな」
「おとーさんは、この世界のおかーさんが変態にとられてもいいのー?変態の国なんて消し飛ばしちゃえばいーじゃん」
「んー?この世界にアリサは一人だけだが……ああ、お前達は知らなかったな。これは、まぁ俺がそんなに焦っていない理由になるが」
そも、アリサとヴァネッサはなんなのか。
アリサは『竜の聖女』という一般NPC。ヴァネッサは『ドラゴンアッシュ』から作られたホムンクルスという使い魔だった。元の世界で、俺があのイベントをクリアした時、アリサは『竜の伴侶』というユニークキャラクターになり、ヴァネッサは『竜の騎士』というユニークキャラクターになった。
ユニークキャラクターとは、唯一無二のNPCである為、扱いがPC……プレイヤーキャラクターとなる。さて、ここまでは良いとして……プレイヤーキャラクターの扱いならば、俺と同じ状況になる筈である。
「つまり、アリサ達はあの時の『竜帝』と共に……のはず」
「あれー?でも、この世界の国は、ここだよねー?」
「……あ?……ん?いや、待て。そもそもの前提が違うのか」
『竜の聖女』は代替わりする。つまり、アリサとは別の『竜の聖女』が存在する。そして、『竜の聖女』は基本的に容姿が変わらない。空羽は容姿に惹かれていたとすると。
「だから、アリサに固執してたわけではなく……『竜の聖女』に固執していたとすれば」
「ふふ……旦那様、あの綺羅びやかな方はどう説明を?」
「綺羅びやか……?誰だ?」
「あーいたねー。あのー……誰だっけ?」
「忘れてしまうほどの、薄い者なのだろう?良いのではないか、気に留めずにも」
うむ。思い出せん。
まぁ、良いだろう。不確定要素である空羽に比べれば、些末な問題だ。
「ともかく。空羽への対策として、密偵を送り込んで情報を収集したい」
「うぃー」
「承知」
「わかりましたわ」
「う……うん」
まぁ、ぶっちゃけて。どーでもいいんだけどな。




