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白の王弟と水の姫君2  作者: ユイカ
5.菫色の少女
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 ワルツを踊るすみれ色の少女が、ちょっと手を震わせた。

 ステップが遅れる。

「どうしました?」

 ディーンはそう少女に声を掛けた。

 少女はどこか深刻そうな、青ざめた表情をしていた。

 足が止まる。

「どうしたのです?」

 すると、少女はディーンを突き放すように離れた。

「ごめん、なさい。」

「え?」

 少女はドレスを翻し、駆け出した。

 呆然とした人混みをかき分け、ホールを出ていく。

「ちょっと待って!」

 ディーンは少女の後を追った。

 廊下に出る。

 しかし少女は、ヒールを履いているとは思えない速さで廊下を走り抜けて行った。

 追いつけないまま外が近づく。

 庭先から、天馬の馬車が一台、空に舞い上がろうとしている光景が見えた。

 少女は入り口の階段を駆け下りていく。その全身が、一瞬階下に消えた。

 ディーンが階段上に着いたときには、そこにはガラスの靴すら残っていなかった。

 宙に浮いた馬車を見上げる。ディーンの目を盗むように、小さな水たまりが地面に吸い込まれるようにして消えた。


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