表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/11

捜索

 桜が家から帰ると、その日の夕方、貴志に電話をして聞いた、柚のバイト先へと向かった。案の定、既に貴志は、柚からバイト先の店の場所を聞いていた。

 お店はそこそこ有名なメイド喫茶のようで、祐一郎も聞いた事のある名前の店だった。しかし行った事は無い為、サイトに載っている地図を頼りに店を探す。

 うろうろと地図を見ながら路地裏を歩いていると、携帯画面に気を取られ、人とぶつかってしまった。慌てて謝ろうと顔を上げると、見知った姿に少し驚く。

「あれ?ギルド・・・?」

「あぁ・・・どうも。」

 冷めた口調で挨拶をして来る雅人。ぶつかってしまった相手は、運が良いのか悪いのか、雅人だった。

「奇遇ですね。こんな所でお会いするとは。」

 相変わらず、堅苦しい喋り方で言って来る。祐一郎は一瞬戸惑うも、いつも通りのシャノンを装って話し返した。

「あぁ、そうだな。これも力も導きかもしれん。」

 すると雅人は、一瞬間を置いてから、祐一郎に尋ねる。

「シャノンはこんな所で何を?」

「え?俺は・・・。お前こそ、何をしている。」

 何て答えればいいのか分からず、取りあえず聞き返してみると、雅人は肩にぶら下げていた鞄の中身を見せて来た。

「私は塾の帰りですよ。」

 中を覗くと、確かに教科書やらノートが沢山入っている。

「あぁ・・・確かアリスのバイト先と、近いって言っていたな。」

 昨日雅人の通う塾と、アリスのバイト先の店の場所が、近いと言っていた事を思い出す。確か同じ力に導かれ、知り合ったとも言っていた。

「それで?シャノンはこんな所で何をしていたのですか?」

 再び雅人に聞かれ、祐一郎は焦りながらも、それらしい事を言う。

「あぁ。ちょっと直接アリスに頼みたい、任務が有ってな。それでアリスを尋ねにな。」

 すると雅人の口から、残念なお知らせが出て来た。

「アリスなら、今日バイトは休みで居ませんよ。昨日の疲れが残るだろうからと、今日も休みにしていると言っていましたが?」

「えっ?そうなのか?」

「えぇ、そうですが。」

 空振りに終わり、祐一郎はガックシと首を落としてしまう。それならそうと、貴志も先に教えろと、大声で叫びたい気分だ。

 しかし、アリスは空振りに終わってしまったが、今目の前には雅人が居る。貴志の話では、そこまで怪しくは無いが、一応確認するには丁度いい。本気で信じているかどうかと言う心意も、ついでに確認し、信じているのなら、目を覚まさせてやろうと思った。

「そうか。ならば変わりに、ギルドに任務を頼もうか。」

 祐一郎は、思い付きで適当に言うも、雅人は余り興味が無さそうな様子だ。

「元々アリスの任務ならば、アリスがすべきでは?私は私の任務を、全うするまでです。」

「は?お前の・・・任務とは?」

 不思議そうに祐一郎が聞くと、雅人は眼鏡をクイッと指で持ち上げ、微かに微笑んだ。

「佐久間洋助を敗北させる事に、決まっているではありませんか。間もなく対決の日が訪れます。その時、完全なる敗北を味わわせてやりますよ。」

 雅人の言葉を聞いた祐一郎は、慌て出してしまう。

「って!お前、何しようとしてるんだ!もう呪いの魔術を行ったから、直接怪我させたり、そう言うのはしないって聞いたぞ!」

 慌てて言う祐一郎を余所に、雅人はニヤリと微笑みながら、得意気な表情を浮かべ言って来る。

「それはそれ、これはこれで、また別です。これは私と佐久間洋助の、個人的な戦いでもあるので。科学者同士の、プライドを掛けた戦いです。」

「なっ!個人的な戦いって、何だよ?」

 祐一郎はガッシリと雅人の肩を掴むと、真剣な眼差しで迫りながら叫んだ。

「お前は、本気で人を傷付けようって思ってるのか?本気でそんな事しようとしてるのか?馬鹿みたいな妄想話のせいで、残りの人生どうなってもいいのかよ!」

 熱くなって叫ぶ祐一郎とは裏腹に、雅人は冷めた口調で言って来る。

「はぁ?私の言う対決は、もうすぐ有る塾の試験の事ですが?前回は負けてしまいましたからね。一年違うとは言え、能力的には同等の筈なので、今回は勝ちを譲れませんから。」

 それを聞いた祐一郎は、そっと雅人の肩から手を放すと、ゆっくりと後ろに下がって行った。そして恐る恐る、右手を翳して雅人に尋ねる。

「えっと・・・一つ確認。『闇の使者』の事を、本気で信じていますか?」

 何故か敬語になって質問すると、雅人は不思議そうな顔をして、当然の様な口調で答えて来た。

「はぁ?まさか・・・。あれは勉強の息抜きとしての、遊びですよ。と言うより、本気で信じている人等居るのですか?」

 雅人の答えに、祐一郎は先程自分が熱く叫んだセリフを思い出すと、恥ずかしくなり、顔が真っ赤になってしまう。

「だっ・・・!」

「だ?」

 首を傾げる雅人に、祐一郎は顔を真っ赤にさせながら、怒鳴り付けた。

「だったら偶々道端で会った時、んな紛らわしい素振りすんなよな!普通に話せよ!かっ勘違いするだろっ!」

「はぁー?」

 祐一郎に意味も分からず怒鳴り付けられた雅人は、それまでのポーカーフェイスを崩し、顔をムッと不機嫌そうにさせる。

「つか、そっちが先に『ギルド』とか言って来たから、合わせてやったんだろ。エージェントごっこやってんのかと思ってさー。何で俺が逆切れされなきゃいけないワケ?」

 反論をする雅人の口調は、先程までとは打って変わり、かったるそうな喋り方になり、桜同様に別人だ。

「なっ!逆切れって・・・。てかお前もキャラ変わり過ぎなんだよ!貴志がずっと難しい話し、聞かされたって言ってたから、俺はお前が本気で・・・。」

「は?何の話し?もしかして、本気で信じてるとかって、勘違いしてたワケ?つか、自分だってキャラ変わってんじゃん。」

 自分より背が高い雅人に、上から見下ろされ言われると、思いっ切り見下されている気がし、祐一郎は心の底からムカついてしまう。

「お前ギルドでも雅人でも嫌い。性格悪い。」

 不貞腐れた低い声で言うと、雅人の口元はピクリと引き攣る。

「何であんな馬鹿!設定作った奴が、佐久間さんと同じ高校なんだろうな?信じらんねー。」

「ばっ!馬鹿設定とは失礼だな!俺が何冊もノートに書きだして作り上げた、設定なんだぞ!努力の結晶だぞ!」

「つかそれって、俗に言う黒歴史ノートじゃん。何?もしかして本気で信じてたワケ?」

 馬鹿にするように言って来る雅人に、祐一郎は更にムカついてしまうも、既に自覚をしている祐一郎には、何も言い返す事が出来ない。グッと拳を握り込むと、プルプルと震わせ雅人を睨み付けた。

 雅人は祐一郎を睨み返すも、こんな奴本気で相手にしても馬鹿馬鹿しい、と思い、軽く溜息を吐く。

「ま、俺もその馬鹿設定に乗っかって遊んでたワケだけどさ。つか、流石に実際亡くなった人の名前使うのは、不味いんじゃない?昨日コッソリ言おうと思ったのに、いきなり帰えっちゃったから言いそびれたけど。」

 雅人のその言葉を聞いた祐一郎は、ハッと思い出し、ついさっきまでの怒りは吹っ飛んでしまう。

 雅人が本気で信じていない事が分かったのだから、これは柚の事を詳しく聞くチャンスだ。その上、三浦瞳の事に関しても、まともに話をする事が出来る。佐久間洋助と並んで頭がいいのならば、桜の事も、良い助けになって貰えるかもしれないと考えた。

「それっ!三浦瞳の事なんだけど!死んでからの言い出しっぺは俺じゃないんだ。俺は第一発見者で、貴志の奴が俺の中二病治す為とかで、勝手に使ったんだ!」

「え?貴志って・・・ジェイドの事?って・・・第一発見者?」

 思いもよらぬ祐一郎の突然の発言に、雅人は驚き、肩に掛けた鞄はずり落ちてしまう。

「つか、第一発見者って、どう言う事?は?意味分かんねー!」

「ちょっ・・・。取りあえず、一時休戦って事で。俺の話し聞いてよ!」


 二人は近くのファミレスに入ると、祐一郎はこれまでの事を、詳しく雅人に説明をした。三浦瞳の事は勿論、それを利用して貴志が祐一郎の中二病を治そうとした事。美雪の事。そして桜の事。桜に、七人目のエージェントバゼルフと名乗り、携帯にメールを送って来ている事を。

「成程ね・・・。つー事は、貴志さんが言ってた話を合わせてくれって言うのは、祐一郎さんの中二病を治す為だったって事。つか、祐一郎さんマジで信じてたんだ。」

 雅人はチラリと横目で祐一郎を見ると、クスッと軽く鼻で笑った。

「なっ!笑うなよ!俺だって別に、そこまで酷かった訳じゃないんだからな。ちゃんと常識はあった!」

「本物の死体見て、ビビって目が覚めたワケでしょ?」

「まっ・・・まぁ・・・そうだけど・・・。」

 雅人に痛い所を突かれてしまい、祐一郎は俯いてしまう。そんな祐一郎の姿を見て、雅人は軽く溜息を吐いた。

「別に、馬鹿にしてるワケじゃないんで。俺も一緒になって、魔術だの召喚だとか言って、騒いでたワケだし。それなりに楽しんでたし。」

「あぁ・・・勉強の息抜きって言ってたな。でもお前みたいな頭いい奴が、よくあんな馬鹿げたのに付き合ってたな。って・・・今だから馬鹿げてるって分かるんだけど・・・。何でまた?」

 半分自虐しながらも聞くと、雅人はまた溜息を吐き、注文をしたコーヒーを啜った。

「頭がいいからかな?だから逆に、馬鹿らしい事したくなるワケ。疲れるんだよ。学校でも塾でも家でも、期待されちゃってさ。家の親医者やってるから、俺も必然的に医者になる事決まっちゃってるし。変なプレッシャー掛かっちゃって。だから頭ん中空っぽにして、馬鹿やれるとこが欲しくなるワケ。実際エージェントやってる時は、現実の事忘れて楽しめたから、結構気に入ってるし。」

 淡々と語る雅人の表情は、心為しか穏やかに感じた。どこか冷めた表情が多い雅人だったが、実際は祐一郎と同じ、普通の高校生の男の子だ。

 祐一郎は、ここでもやはり注文をしたコーラを啜ると、雅人の気持ちが少し分かる様な気がした。

「俺もちょっと分かるかも、それ。別に俺そこまで頭よくないけど、そこそこ出来るから、オヤジが変な期待しちゃって、よく勉強の事ではグチグチ言われたから。そんで中二の時、色んな妄想して楽しんで、闇の使者作って。まぁ・・・俺の場合は、そこですっかりのめり込んじゃったんだけど・・・。」

 ハハハと苦笑いをし、改めて思い返すと、自分が痛々しく思えてしまう。

 雅人はクスリと小さく笑うと、遠い目をして言った。

「実際そう言う現実逃避って、俺は大事だと思うけどね。ま、祐一郎さんみたいにハマり過ぎはヤバいけど、程々ならいい息抜きだし。じゃなきゃ、潰れちゃうワケだし。」

「あぁ・・・まぁ確かに・・・。でも―――― 。」

「でも実際に、マジで信じてヤバい奴が居るって事でしょ?そいつが桜さんって人に、メール送りまくってるってワケね。」

 途中祐一郎の言葉を遮り言うと、祐一郎小さく頷いた。

「今の所一番怪しいのは、アリスなんだけど・・・。お前アリスの事、どれ位知ってるんだ?」

 祐一郎に聞かれ、雅人は困った表情を浮かべる。

「つって聞かれてもね・・・。あんまり知らないんだ。俺の普段での生活上、柚みたいなタイプと、塾の近くで話すワケにもいかなかったからさ・・・。お互いすれ違っても、知らんぷりだったワケ。ま、たまにメールはしてるけど、一方的に柚のオカルト話し聞かされてるって事が多いし。」

「何だよ?友達同士とかって訳じゃないのかよ?」

 祐一郎が不満そうに言うと、雅人も不満そうに言って来る。

「つか友達ってタイプじゃないし。同じエージェントじゃなかったら、話しすらしてねーよ。」

「てか、だったらどうやって知りあったんだよ?元々顔見知りって言ってたじゃん。」

「あー、そりゃ柚の普段の喋り方で分かったワケ。チャットの書き込みの話し方と、同じだったからさ。」

 それを聞いた祐一郎は、桜が言っていた言葉を思い出す。

「あぁ・・・あの『ニャ』とか付けるやつ?あれキャラ作りとかじゃないの?」

「さぁ?メイド服着てる時は、あの喋り方だったけど?メールでもそうだし。」

「それで、雅人がナンパって事か・・・。」

 うんうん、と祐一郎が納得する様に頷くと、「勝手に決めるな。」と雅人は怒る。

「ナンパじゃなくて、助けたんだよ。」

「助けた?」

 不思議そうに首を傾げると、雅人は例の巨漢男の名前を出す。

「ほら、柚が言ってた後を付けて来る奴てーの。あれ例の、大野浩二って言うストーカーなワケ。」

「大野浩二・・・あぁ、抹殺リストに載ってる。」

「そいつ柚が入店してから、ずっとストーカーやってるらしくてさ。塾の帰りに、柚がそいつにしつこく言い寄られてる所を見つけて、俺が助けてやったワケ。それでその時の柚の喋り方聞いて、もしかしてって思って聞いたら、アリスだって分かってさ。そんで知り合ったワケ。ついでにその時連絡先も交換したのはいいけど・・・オカルトメールばっかでさ。」

 そう言うと、雅人はうんざりとした顔で大きな溜息を吐いた。

「何かよく分かんないけど・・・お前も大変だったんだな・・・。」

 思わず雅人に同情してしまうも、祐一郎はどこか他人事には思えないような気がした。貴志も自分が酷い中二病の時は、こんな感じだったのだろうかと、考えてしまう。

「それで、雅人はどう思うんだ?アリスは犯人かな?」

 改めて本題へと移ると、雅人は少し考えてから言って来た。

「そうだな・・・。桜さんのメアドを調べるのは、同性なら結構簡単に出来ると思うけど。女子大生なら、兄が彼女の事が好きだからっ、とか健気なフリして適当に言って、友達とかから聞き出せるし。相手が年下の可愛い女の子ってなると、気も許すしさ。桜さんの友達と仲良くなって、メアド変えたら教えるように頼めば、変えられてもすぐに分かるし。」

 「成程。」祐一郎は、うんうんんと何度も頷きながら、雅人の話を聞く。

「でも問題なのは、柚は桜さんの顔を知らないって事。つーより、知る機会が無い。アレンとして始めて現れた日は、柚は店のイベントで、午前中から一日大忙しだったから。俺そのイベントに誘われたから、間違いないし。当然行くワケねーけどさ。」

「って事は、アリスじゃないのか?」

 残念そうな顔で聞くと、雅人はまた少し考えた。

「どうかな。柚はパソコン強いから、掲示板の書き込みから、メアド割り出す事は出来ると思うけど。客連中の伝手とか使えば余計にさ。」

「てかそれ犯罪じゃん!」

「だろうね。オカルトマニアなら平気じゃない?」

 軽い口調で言って来る雅人に、やはりこの男はどこか冷めていると、改めて思ってしまう。

「それより、マロンって子はどうなワケ?俺からすれば、その子も十分怪しいけどさ。」

「高野さん?あぁ・・・確かに・・・。でも高野さんは、一応ちゃんと常識あるし。」

 すると雅人は、大きな溜息を零した。

「つか、常識あるのに信じてるとかって、そう言う矛盾した奴の方がヤバいんじゃねー?三浦瞳が殺された日に、マロンと会ってるワケでしょ?それって偶然なワケ?」

 今まで気付かなかった事を雅人に指摘されると、確かにそうかもしれない、と頷けてしまう。

「確か高野さん、セール行ってたとかって言ってたな。俺が桜さんの車から降りて、ちょっとしてから会ったから、桜さんの顔を見てる可能性もあるな。」

「だったら、桜さんの友達にメアドを教えて貰う事も出来るワケだ。」

 付け加える様に雅人が言うと、祐一郎は小さく頷いた。

「確かに出来るけど・・・。高野さん、人見知りするって言ってたからな。でもそれが嘘だったらって考えると・・・。あぁーもうっ!どっちか分かんないよっ!」

 祐一郎は段々と分からなくなり、むしゃくしゃした様子で頭を掻き毟った。

 と、突然祐一郎の携帯が鳴った。慌ててポケットから携帯を取り出すと、画面にはジェイドと表示されている。

「貴志からだ。何だ?今頃アリスが休みって事、伝えに電話して来たのか?」

 溜息混じりに電話に出ると、受話器越しからは、貴志の雄叫びの様な声が聞こえて来た。

「「まっつぁ~ん!大変っ!大変だよぉ~!」

 余りの大声に、祐一郎は五月蠅そうに、携帯を少し耳元から離した。

「五月蠅いよ!何だよ!」

 怒鳴る様に祐一郎が言うと、慌てた様子で貴志は言って来る。

「「大変なんだよぉ~!真理子先生が、大変なんだよぉ~!」

「はぁ?真理子先生が?何が?」

 鬱陶しそうに聞くと、貴志はまた叫ぶ様に言って来た。

「「真理子先生が、怪我して入院したってぇ~!」

「なっ!」

 突然の知らせに、祐一郎は驚き、貴志同様慌ててしまう。

「怪我してって、どう言う事だよ?入院?そんなに大怪我なのか?」

 祐一郎の電話の会話を聞いていた雅人は、「何か有ったの?」と少し不安気に尋ねる。

「ちょっと待って。今詳しく聞く。」

 雅人にそう言うと、祐一郎は電話の向こうの貴志に、再び聞いた。

「怪我って、どうして怪我したんだよ。酷いのか?」

「「俺もそこまで詳しくしらないけど、さっきクラスの奴から電話来てさぁ~!誰かに階段から突き飛ばされて、足の骨折ったってぇ~!もう俺マジビックリだよぉ~!」

「足の骨?突き飛ばされたって、誰にだよ?」

「「知らないよぉ~!駅の階段で人がウジャウジャ居たってぇ~しぃ~!」

 祐一郎が貴志と電話で話している中、雅人の携帯に、メールが届く音がした。

 雅人はメールを開いて見ると、その内容を見て驚き、電話で話している最中の祐一郎に、慌てて声を掛ける。

「祐一郎さん!掲示板に書き込みが!」

 雅人は携帯画面を祐一郎に見せると、その内容を見た祐一郎は、更に驚いてしまう。

「なっ!ちょっ・・・ちょっと待て!貴志、一旦電話切るから。」

 祐一郎は電話を切ると、自分の携帯にもメールが届いている事を確認する。

「これって、掲示板書き込みのお知らせメール。」

 祐一郎もメールを開いて、内容を再確認した。

「『林真理子への忠告を完了。』って・・・。じゃあ、真理子先生突き飛ばしたのって・・・。」

 祐一郎の背中に、一瞬悪寒が走る。ゴクリと生唾を飲み込むと、ゆっくりと雅人の顔を見た。

「なぁ・・・。これって・・・やっぱりあれなのか?他の二人の・・・どっちかの仕業って事か?」

 恐る恐る尋ねると、流石の雅人も少し動揺した様子で言う。

「さぁ?つか、本当に怪我させるってレベルまで行くと、流石にヤバ過ぎって事。祐一郎さん、怪我はどの程度だって?」

「あぁ・・・何か、足の骨折ったとかって・・・。駅の階段で、誰かに突き飛ばされたらしいけど。」

「きっと人混みに紛れてだろうな・・・。骨折で入院って事は、結構盛大に真っ二つにいったってワケか。」

 雅人の言葉を聞いた祐一郎は、気持ち悪そうに顔を真っ青にして、両耳を塞いだ。

「止めろっ!生々しい話とかはすんなよ?俺既に本物の死体見てんだからっ!」

 軟弱な祐一郎の姿を見ると、雅人は一気に拍子抜けしてしまい、大きく溜息を吐く。

「つか、それより誰の仕業か確認しないと。多分桜さんにメールしてる奴と、同一人物かも。件名にエージェント名が書いて無いし。」

「あぁ、そう言えば・・・。」

 祐一郎は両耳から手を退かすと、再び携帯画面を見た。

 掲示板に書き込みをする時は、いつも件名にそれぞれのエージェント名を書き込むが、今回は空白になっている。

「七人目って事か?」

 不思議そうに祐一郎が首を傾げると、雅人は軽く溜息を吐きながら言った。

「七人目を装った、誰かって事じゃねーの?つか、確か林真理恵の担当は、マロンだったじゃん。つー事は、マロンが犯人って事じゃねーの?」

 すると祐一郎は、雅人の意見に反論をするように言った。

「確かにそうかもしれないけど、矛盾してても常識はあるんだから、実際に行動に出るとは思えないよ。逆に平気で犯罪起こしそうな、オカルトマニアのアリスの方がやりそうじゃないのか?」

 祐一郎に反論をされ、少し腹を立てた雅人は、更にそれを反論する。

「つかマロンなら、林真理子の家だって知ってるワケじゃん?自分の学校の教師なワケだし。それに桜さんの顔だって、知ってる可能性が高いんだし。」

「それを言うなら、アリスはパソコン強いんだから、真理恵先生の個人情報調べるのなんて、簡単なんじゃないのか?それにアリスは今日バイト休んでる。今何してんのか分かんないよ。」

「マロンだって、今何してるのか分かんないワケじゃん。バイトもしてないみたいだしさ。常に自由に行動出来るってワケじゃねー?」

 反論に反論し合っていると、今度は互いに睨み合い始めた。

 「やっぱりお前嫌い。」と祐一郎が呟くと、雅人の口元は、又してもピクリと引き攣った。

「よし!なら確認すればいいワケだ。俺は柚に、祐一郎さんはマロンに電話を掛けて、お互いにそれぞれ今どこで何をしてるのか、確認しよう。」

 雅人が提案を出すと、祐一郎は力強く頷いた。

「いいだろう。その挑戦、受けて立った!」

 二人はそれぞれ携帯を手にし、祐一郎は美雪に、雅人は柚へと電話を掛ける。

 祐一郎は貴志から教えて貰った、美雪の携帯番号へと電話を掛けると、呼び出し音を鳴らす。少し緊張をした趣で、コールを鳴らし続けていると、「はい。」と美雪の声が聞こえて来た。

 「あっ、もしもし。」と言い掛けるも、先程雅人と会った時の事を、思い出す。確か雅人は『ギルド』と呼ばれたから、ギルドとして接したと言っていた。ここで『マロン』と呼ぶべきなのか、『高野さん』と呼ぶべきなのか、どちらか迷ってしまう。

 祐一郎が何て呼べばいいのか分からず、口籠っていると、受話器からは「もしもし?」と不思議そうな声で尋ねて来る、美雪の声が聞こえ続ける。美雪は祐一郎の番号を知らない為、誰からか分からない様子だ。

「あっ・・・えーとぉ・・・。突然ごめん、誰か分かるかな?」

 祐一郎は、取りあえず向こうが気付くのを待とうと、適当に話し掛けた。これで向こうが『シャノン』と呼んで来れば、それで接すればいいと考える。

「「え?えっと・・・。ごめんなさい。知らない番号なんですが・・・。間違いじゃないですか?」

 しかし美雪は気付く様子がなく、祐一郎はどうしようかと困ってしまう。何とかいい手は無いかと考えていると、そうだ!と思い付く。

「突然すまないな。だが緊急に話さなければならない事が有ってな。この埋め合わせは、必ずしよう。」

 いつもの中二口調で話せば気付くだろうと思い、さっそく試してみると、案の定美雪はすぐに祐一郎だと気付いた。

「「あぁ!松田君?これは失礼しました!未確認の番号で、ビックリしたのであります!」

 会合前に会った時の口調で言って来る美雪に、祐一郎は少し意外に思ってしまう。自分の口調からして、『マロン』として話して来るかと少し思ったが、『松田君』と呼び、高野美雪として話して来る。

「「これは一本取られちゃったな。今度はわたくしめがビックリさせられたでありますっ!大佐!」

「あぁ・・・突然ごめん。貴志から番号教えて貰ってさ。」

「「あぁ、そうでありましたか。あっ、そう言えば突然帰っちゃったもんね?驚いたでありますよ。」

 マロンの時との喋り方のギャップに、少々戸惑いながら話していると、電話の向こうから、テレビの音が聞こえて来た。

「高野さん、今家?」

「「え?うん、自宅待機中でありますよ。夏休みスペシャル連続放送、『相棒』を鑑賞中でありますっ!」

「あぁ・・・そう言えば今日だっけ?俺録画してるや。」

「「おぉ!大佐も相棒好きでありますか!やはり同士だねー!」

 嬉しそうに言って来る美雪と、普通に会話をしていると、祐一郎は一瞬本来の目的を忘れ掛けてしまう。

「って!そうじゃなくて!えっと・・・高野さん、掲示板見た?」

 慌てて尋ねると、美雪は不思議そうに言って来る。

「「え?掲示板?見たけど・・・それがどうかしたの?」

「見たの?見たのに、何平然とテレビ見てんの?真理恵先生入院したんだよ!」

 驚いた様子で祐一郎が言うと、美雪は当たり前の様な口調で言って来た。

「「え?だって、会合での呪いが効いたからでしょ?松田君の提案じゃん。大佐こそ、何で驚いているでありますか?」

 その言葉に、祐一郎は更に驚いてしまう。

「ちょ・・・何言ってんの!高野さん自分で言ってたじゃん!身近な人だと笑えないって!去年担任だったんじゃないの?」

「「確かにそうだけど、エージェントとしては喜ばしい事でありますよ。」

 平然とした口振りで言って来る美雪に、祐一郎は一瞬寒気を感じてしまう。

 確かに雅人の言う通り、常識がある癖に信じている、矛盾した美雪の方が、危ないのかもしれない。だが実際に犯人では無いようなので、取りあえずは少し安心をした。

「「大佐の緊急とは、この事でありますか?」

 祐一郎はハッとすると、慌てて返事をする。

「あ・・・うん、まぁね。家に居たなら、それでいいや。ごめん、いきなり電話して。」

「「いえいえ。いつでも電話してよ。大佐の無線チャンネルは、登録しておくでありますよ。」

「あぁ、うん。そうしといてよ。」

 祐一郎は電話を切ると、ホッと肩を撫で下ろすも、少し美雪の事が怖く感じてしまう。

 一方の雅人は、柚とまだ話している様子だ。

「出掛けてたって、どこに?」

 雅人が柚に尋ねると、柚は相変わらずの明るいテンションで答える。

「「いつもの魔術店ニャけど?必須アイテムのロウソクがニャくニャりそうでー。」

「今はどこに居るんだ?」

「「ニャ?コンビニ寄ってプリン購入中ー!ニャんでそんな事気にしてんのー?」

 祐一郎とは違い、雅人は迷う事無く華麗に言い訳をする。

「掲示板をお前も見ただろ?近くに居たら、その事で話しでもして、盛り上がろうと思っただけだし。俺さっき塾終わったしさ、お前バイト休みって言ってたから。」

「「ニャニャー!そうだったー!でも残念。アリスちゃん、もう自宅付近のコンビニニャのだー。」

 柚がそう言うと、雅人は仕方なさそうな声で言う。

「そうか。じゃ仕方ないな。またチャットででも皆で話そう。急に誘って悪かったな。」

「「了解ニャりー!またいつでも誘ってねー!」

 と、柚が電話を切ろうとしている所を、雅人はさり気なく聞いてみた。

「そう言えば、件名空欄だったじゃん?あれ書き忘れだったりするワケ?」

 すると柚は、少し考えてから言った。

「「う~ん。アリスちゃんが思うにー。謎の人物!つまりは七人目だったりー?とか?ニャーんて思うかニャー。」

「そうか、その可能性も有るな。分かった、じゃあな。」

 そう言って雅人は電話を切ると、既に話し終えていた祐一郎の顔を見た。

「柚が怪しいかもしれない・・・。」

 掌を返したように、ボソリと言うと、祐一郎は嬉しそうに顔をニヤリとさせた。

「高野さんは、家に居る。ずっと連続放送してる、相棒見てるみたいだよ。テレビの音聞こえたし。」

 嬉しそうな祐一郎の顔を、雅人は恨めしそうな顔で見つめて言う。

「柚は愛用してる、魔術の道具とか売ってる、オカルト店に行ってたってさ。もうすぐ家だとか。去り気に件名の事聞いたら、七人目じゃないかって言ってたし。」

 件名の話しを聞いて、祐一郎はハッと思い出し、しまったと口を開けた。

「あ・・・俺も高野さんに聞いてみればよかったや・・・。」

「は?聞かなかったワケ?つか何やってんの?」

 呆れてしまう雅人に、祐一郎は申し訳なさそうに、頭を掻いた。

「あーでも、呪いの魔術が効いたんだ!とか言ってたよ。確かに雅人の言う通り、高野さんはちょっと危ないかも・・・。去年の担任が怪我して入院したってのに、全然平気そうだったから。」

「だろうね。本気で信じてるんだとしたら、平気だと思うけど?マロンにとっては、林真理子は敵なワケだし。つかそれより、柚が犯人なら次の被害者候補が危ないんじゃねー?」

「次の被害者候補?」

 首を傾げる祐一郎の姿に、雅人からは又大きな溜息が零れる。

「本当に佐久間さんと同高なのかよ・・・。祐一郎さんが指示したじゃん。大野浩二だよ。大野浩二は、柚が担当なワケでしょ?つか・・・何で林真理子が先かは分からないけど・・・。」

 雅人の言葉を聞いた祐一郎は、思い出したかのように驚いた顔をする。

「そうだっ!そうじゃんっ!俺アリスには、大野浩二って言ったっけ!って事は、もう既に大野浩二は、被害に遭ってるかも!」

 祐一郎の言葉を聞き、今度は雅人が驚いた顔をしてしまう。

「そうだよ!その可能性があった!つー事は、次は佐久間さんが危ないって事?」

「雅人!佐久間は塾からもう帰ったのか?あいつん家なら、俺分かるかけど!」

 慌しく言って来る祐一郎に、雅人は少しお互いに落ち着くよう言うと、佐久間洋助の事を話した。

「佐久間さんはまだ塾に残って勉強してるから、今は大丈夫だよ。受験生だしさ。遅くまでいつも塾に居るし。あの塾、塾生手帳見せなきゃ入れないから、柚は入れないし。つか祐一郎さん遊んでるけど・・・いいワケ?」

 雅人に又も痛い所を突かれ、祐一郎は苦笑いをしてしまう。

「俺は・・・俺なりの活動をしてるからいいの!じゃあ、佐久間は今んとこ大丈夫って事か・・・。」

「それより先に、念の為に大野浩二の安否を確認した方がいいんじゃねー?もしかしたら、まだ何もされてないかもしれないし。」

「あぁ・・・確かに。でもどうやって・・・。全くの他人だしなぁ・・・。犯人かもしれない、アリスに聞く訳にもいかないし・・・。」

 二人してその場で悩み始めると、しばらくして、祐一郎がポンッと手を叩いた。

「そうだ!アリスのバイト先に行って、聞けばいいんだ!」

「聞くって?何を?」

 不思議そうに首を傾げる雅人に、祐一郎は自信満々に言って来る。

「アリスの自宅をだよ!どうせお前、知らないだろ?アリスの家の場所。」

 雅人は当然の様な顔をして頷くと、祐一郎は更に得意気に言う。

「大野浩二がアリスのストーカーしてんなら、きっと今も、アリスの家の近辺うろついてるはずだ!アリスん家行って、大野浩二らしき人物が居ないか探すんだよ!居たら無事って事だろ?居なかったら、ついでにそのままアリスの家に上がり込み、証拠を探すんだ!」

 どうだ参ったか!と言わんばかりのどや顔をする祐一郎に、雅人は大きな溜息を、ワザとらしく吐いて見せた。

「何だよ・・・そのワザとらしい溜息は・・・。」

 ムスッと、不満そうな表情で言うと、雅人は呆れながらに言って来る。

「確かに大野浩二は、柚の家の近辺うろついてそうだけど・・・。そんな不確かな方法はどうなワケ?ま、柚の部屋の中を調べるのは、確かに一番手っ取り早いけどさ。柚なら家に上げてくれるだろうし。でもその前に、店の奴が教えるワケねーよ。」

 すると祐一郎は、また得意気な表情をした。

「そこは大丈夫!お前店の奴と、喋った事はなくても、顔位はお互いに知ってんだろ?」

 雅人は無言で頷いた。

「なら平気だよ。進学塾に通ってる奴だって知ってるんだし、過去にアリスを助けてやった事だって有るんだし。何より・・・この俺には特殊スキル!小夏の遺伝子が有る!」

 そう言って、力強く親指で自分の顔を指差した。

 余りに馬鹿げた発想だとは思ったが、その辺の怪しい客に比べれば、ひょっとしたら教えてくれる可能背も有るかもしれないと思い、雅人は渋々、祐一郎と共に柚のバイト先へと行った。そして見事に、断られて追い出されてしまう。

「つか何が小夏の遺伝子だよ。どこが特殊スキルなワケ?普通に断られたし。」

 雅人はムッと不貞腐れた顔で、祐一郎の顔を睨み付けながら言うと、二人して逃げるように店から離れて歩いて行く。祐一郎は首をガックシと落とし、雅人の後を付いて歩いた。

「しまった・・・。小夏遺伝子の発動条件は、歳上限定の事忘れてた・・・。あの店の店員は平均年齢が若過ぎる・・・。」

 トボトボと落ち込んで後ろを歩く祐一郎に、雅人は溜息混じりに言った。

「でも店に行ったのは、ちょっと正解だったかも。少なくとも、大野浩二の安否は確認出来たワケだし。」

「へ?」

 首を上げ、キョトンとした顔をすると、雅人は微かに笑顔を見せながら、言って来る。

「店の客の中に、大野浩二居たよ。俺あいつの顔知ってるし。あの巨漢は嫌でも目立つから、すぐ分かるし。多分柚が休みって、知らずに来たんじゃねー?誰かさんみたいにさ。」

「え?マジで?じゃぁ・・・取りあえずは安心って事?」

 何気に嫌味を言われた事には気付かず、嬉しそうな顔をして言うと、雅人は小さく頷いた。

「でも、明日はどうか分からねー。明日は柚バイト出るし。バイト帰りに、付けて来る大野浩二に、何かするかも。」

「そっか・・・そうだよな。じゃあ、明日店の近くで、アリスを見張ろう!アリスのバイトって、何時に終わるんだ?」

「え?大体六時位だけど・・・。遅いと七時とか八時かな。つか、見張るより直接問い質した方が、早くねー?」

「あ・・・確かに・・・。じゃあ、問い質そう!」

 意気込む祐一郎とは裏腹に、雅人はやる気の無さそうな声で言う。

「それなら、桜さんも連れて来てよ。桜さんの携帯が必要になるかもしれないしさ。」

「へ?桜さん?何で?」

 又も首を傾げる祐一郎に、いい加減雅人もイラつき、少し怒り気味に言った。

「だからあー!もし柚が犯人じゃなかった場合、柚の力借りて、送信元突止める事出来るかもしれねーじゃん!それにマロンだって、まだ完全に犯人じゃ無いって決まったワケじゃねーし!本っ当に佐久間さんと同じ高校通ってるワケ?信じらんねー!」

 確かに言われてみればそうだと納得をしてしまい、祐一郎は申し訳なさそうに、頭をポリポリと掻いた。

「あぁ・・・分かった。でも桜さん来てくれるかなぁ・・・。絶対嫌がりそうだな・・・。」

「何で?」

 不機嫌そうに雅人が聞くと、祐一郎は少し言い辛そうに話す。

「いや・・・。桜さんって、その・・・オタクとかそう言う系統の人、怖がってるみたいだから。」

「だったら、柚が犯人かどうか分かるまで、少し離れた所でお茶でもして待ってて貰えばいいし。犯人なら止めさせるだけだけど、犯人じゃなきゃ、桜さんの所に柚と行けばいいんじゃねーの。当然事前に連絡して、教えてから。」

 それを聞いた祐一郎は、パンッと手を叩き、「ナイスアイデア!」と親指を上げた。

「じゃ、俺柚に明日バイト終わったら、メールする様に頼んでおくから。祐一郎さんは、桜さんにちゃんと頼んでおいてよね。」

「あぁ、分かった。何とか桜さんに、来て貰うよ。」

 明日取りあえず、午後六時に雅人の通う塾の前で待ち合わせをする事にし、今日は別れお互いに家へと帰る事にした。

 祐一郎は帰り道の途中、桜に電話をし、明日の事を話し何とか来て貰う様お願いをする。すぐに直接会う訳ではないと言う事と、離れた場所で待っていればいいとの事で、桜は了承してくれた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ