二日目~雫と心~
「あー、やっとついたー!!」
あたし達は、『岩山の国』についた。
「ようやくだな」
大夢はそう言いながら、マントを外した。あたしも外す。
「でもさー、1日でつくって結構凄いよね、馬車でも結構かかるのにね!!」
「まぁ、俺達は若いし、体力も有り余ってるからな」
そう言って、大夢はあたしを嫌な目で見つめた。
はいはい、どーせあたしは体力ないですよー!!
このままじゃ分が悪いと思ったので、話をそらす。
「・・・でもさ、ここって、本当に岩だらけなんだね・・・」
そう言ってあたりを見渡す。どこもかしこも岩、岩、岩。
「まあ、名前の通りなんだろうな」
大夢はそう言いながら、歩き始めた。
「家畜はまったくいないけどな」
「だね・・・」
牧畜も有名なこの国に、何もないのはおかしい。
「かわりに、月獣は沢山いるだろうな」
「うわあ・・・」
「だから、戦闘準備ぐらいしとけよ」
大夢の言葉に頷くと、常闇剣を取り出す。
そのまま、あたし達は歩みを始めた。
数分後・・・。
今、あたし達は大きな岩の下にいる。日陰になっていて気持ちいい。
「ふう・・・」
「お疲れ」
大夢の労いの言葉に微笑んでから、少し真面目になってみた。
「それにしても・・・」
呟くように言う。
「どこにもいないね、あたし達以外の人間」
「・・・」
「うーん、いるのかな・・・」
大夢は立ち上がって、岩の周りを当たり構わず探し始めた。あたしも一つ溜息をついて、適当に死角になっている岩の周りを見た。
「うーん、いな・・・」
いない、と言おうとした瞬間、なにかとぶつかった。
「ぎゃああ!!」
「きゃああああああ!!!」
ゴツン、と音がして、顎に痛みが走った。
「いたたたたた・・・・」
「ごご、ごめんなさい!!大丈夫ですか!?」
あたしとぶつかった人は、頭を抑えながらあたしの方を見た。あたしはその子の顔を見ることが出来なかった。痛すぎて。
「おい、今凄い音がしたんだが・・・」
「あ」
大夢が岩から顔を出してきた。
「ちょっとね、ぶつかった」
大夢が近づいてきて、
「でもいたな、人間」
と言った。
「そーだね」
「ふぇ・・・?」
ぶつかった子が、大夢を見た。その瞬間、驚いたような声を出した。
「え!!?嘘・・・夢人君・・・!?」
「夢人!!!??」
大夢はその子以上に驚いた顔をした。
「え、え?夢人君・・・じゃ、ないの・・・?」
あたしはその子を見た。女の子なのは間違い。外はねのクセッ毛で、丸い眼鏡をかけていた。
「お前!!!夢人を知ってるのか!!!??」
「わ、私は・・・その・・・っ」
「ちょ、大夢、落ち着いて・・・」
あたしは大夢を宥めようとした。すると女の子がまた驚いていた。
「・・・大夢?あなたが・・・」
「?」
「わ、私は、心と言います・・・」
心と言った少女は、おどおどとした様子で喋る。
「えと・・・夢人君のところまで、案内します・・・」
心は、
「ついてきてください」
と言って、あたし達に手招きをした。
どこへ、行くんだろう・・・。
お久しぶりです。長い二日目が始まります。
放置しててごめんなさい。
まあアレですよ、テストの関係です。
察してください・・・(滝汗
はい!ようやく新章です!!
やっと新キャラ出てきました・・・。
次も、新キャラ出しますよ!!
では、次のお話で♪