五日目~雫と決意~
夜。青い月があたしたちの上で輝いている。
「・・・シズク」
「タイム」
窓から月を見ながらボーっとしていると、タイムに声をかけられた。
「大丈夫か?眼」
「うん、剣を抜いてる状態じゃないから、目は侵されてないみたい」
少し笑って言うと、タイムは辛そうに顔を歪めた。
「・・・ごめん」
「なんでタイムが謝るの?タイムは悪くないじゃん」
「元はと言えば、俺がお前を巻き込んだのが始まりだし、それに、」
お前にこんな運命を背負わせることになるなんて、思ってもなかった。
そう言って苦しそうに眉根を寄せるタイム。それを見ると、あたしも苦しくなる。
「・・・やめてよ、タイム」
「シズク・・・?」
「大丈夫、巻き込まれたとは思ってるけど、でも、ここへ来たのはあたしの意志だし、ここまで来れたのは、ココロやムトや兄ちゃんや・・・タイムがいたからなんだし」
明るく言うと、タイムの顔も少し緩んだ。
「俺、明日シズクを守るよ」
「え?」
「月大王を倒すのはお前だし、この世界を守るのもお前だ。でも、」
そこで一旦区切り、あたしをじっと見詰めながらこう言った。
「お前を守るのは俺の役目だから」
「・・・!」
その言葉に、その瞳に、その存在に。
自然と惹きこまれていくのが分かった。
「・・・バーカ」
「なっ・・!?」
「あたしもタイムを守るよ」
そう言うと、タイムはさっきとは違う意味で眉根を顰めた。
「・・・普通、男が守るもんだろ」
「今回は特別。あたしが守るの!」
ハッキリと言うと、タイムは納得いかない、と呟いた。
「・・・じゃあ、俺はお前を守る。お前は俺を守れ」
「それなら、いいよ」
笑って言うと、タイムも笑った。
「・・・お前を、死なせたりしないから」
タイムが呟いた言葉は、よく聞き取れなかったけど、
「大丈夫、あたしは死なないから!」
そう言ったら、少し哀しそうに笑っていた。
超短いです/(^O^)\
タイムの優しさが垣間見える瞬間?だったりする。
次は決戦です