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  作者: 明夢 優深
17/27

四日目~雫と戦争~

「あっ!目標確認!城に向かっている者がいます!」

「どれだ!?・・・っ!」

部下から差し出された望遠鏡を覗いてみれば、そこにいたのは―――、

「・・・タイム・・・様・・・」

そう、タイム。月大王(つきのおおきみ)様のご子息の長男である、あの男だ。

その少年が――、常闇剣(とこやみのつるぎ)を手に持っている。

その黒々とした輝きが、こちらにまで届いているような錯覚すら覚えた。

「クロ隊長、ご指示を!」

部下の言葉に我に返れば、咳払いをひとつした。

「全軍、一斉砲撃!!」

我々に残された道は、常闇剣の保持者(ホルダー)を殺して、月大王様の望む『永遠』を手に入れることだけだ。

(でも、こう間抜けに現れるものか・・・?そんなに常闇剣の威力が絶大なのか?)

という疑問も残すが、私に向けられたのは、あくまで保持者の殺害のみ。

「放てーーーッッ!!!」


ドオン!ドオンッ!!


一斉に放たれるタイムへの攻撃。いくら月大王の息子であろうとも、月大王の敵であれば容赦などできない。

クロは望遠鏡から目を離し、タイムの方へと目を遣った。

と、


ゆらり。


「?」


ゆらりゆらり、とタイムが歩く。砲弾に当たっているし、月獣(つきけもの)が彼の目の前にいる、のに。


(当たらない・・・!?)


「隊長ッ!」

誰かが声を上げた。

「なんだ」

「ビクともしません!」

「そんなのわかっている!!」

砲弾を続けさまに撃ち続けても、倒れる事も避ける事もしない。

(なんなんだ・・・!なんだというのだ!?)

冷や汗が頬に伝う、と。


ヴゥンッ


「!」

一瞬、タイムの姿がブレた。まるで映像か何かのような――

「もしや・・・!」


「ぎゃあああっ!!」

急に遠くから多くの叫び声が聞こえた。

「!?なんだ!!」

慌てて見ると、魔方陣が見えた。

(あの魔方陣は・・・!)

「ゼロ!!!」



~作戦が起こる30分前~


「いいかい、みんな。これを君達に渡すよ」

そう言って兄ちゃんはあたし達に服を渡してきた。

くすんだ緑色の軍服。

「なにこれ?」

「何って、月大王直属の軍隊の軍服だよ」

「これをどうしろと?」

あたしが聞くと、兄ちゃんはやれやれ、と言って説明した。

「まあ、所謂潜入作戦、ってやつだよ」

「これを着て、軍隊に潜入、そして壊滅させろ・・・と」

「そう」

あまりにもアッサリ言うので、とても驚いた。

ムトもタイムも、さっきより全然雰囲気が鋭くなった。

「月大王に従うものは全員敵だと考えていい。情けはかけるな」

タイムが言う。

「こ、殺すん・・・ですか?」

ココロが怯えた様に言う。

「殺しはしなくていい。精々気絶程度だよ」

「言っとくけど、シズクの剣は一般人には殺傷能力ゼロだけど、脅し程度には使えるから」

ムトがサラリと言った。あたしとココロは若干置いてけぼりだ。

兄ちゃんが溜息をついた。

「ココロ、シズク、いいかい?」

「?」

「これは戦争だ。殴り合いの喧嘩とは訳が違う。気を引き締めないと―――」

そこで一息おいて、

「死ぬよ」

放った。



「隊長!侵入者がいます!!」

「ッ!」

(やはり、あの男・・・ッ!!)

脳裏に浮かぶ大胆不敵に笑うゼロに舌打ちをすれば、

「侵入者の中にゼロはいるか?」

あの魔方陣は恐らくゼロの造りだしたに違いない。

「いえ、あの魔方陣を造ったのは・・・少女です」

「何!?」

「そして――」

つ、と、長いナイフを突きつけられた。

「・・・なんの真似だ」

ナイフを持っていないほうの手で、深々と被られていた帽子をはずした。

「僕は、ここに終止符を打ちに来た」

「ムト・・・様」


お久しぶりです、優深です!

久々に『雫』を書いてみました!生き抜きも兼ねて。

次回、子供4人組が頑張ります!

あと諸事情により『長谷川さん家!』は削除させていただきました。

次回お楽しみに!←


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